電子コミック『コミックルポ 解離性障害、なんです。』が書籍化

解離性障害の当事者である漫画家Tokin氏が手掛けるコミックエッセイ『コミックルポ 解離性障害、なんです。ちぐはぐ?回復ダイアリー』が、2026年7月30日に合同出版株式会社より全国の書店およびオンライン書店で販売されます。これまで電子書籍として多くの読者から支持を集めてきた本作が、待望の書籍化を果たしました。

コミックルポ 解離性障害、なんです。ちぐはぐ?回復ダイアリー

解離性障害の理解を深める一冊が書籍化

『コミックルポ 解離性障害、なんです。ちぐはぐ?回復ダイアリー』は、解離性障害の当事者の声や体験をコミック形式で分かりやすく伝えることを目指しています。当事者やそのご家族、支援者、そして医療・福祉関係者間の相互理解を深めるための一冊として期待されています。

電子コミックで多くの読者に支持された背景

著者のTokin氏は、2018年に出版した著書『実録 解離性障害のちぐはぐな日々』(合同出版)が朝日新聞や東京新聞、NHK Eテレ「バリバラ」など、多くのメディアで紹介され、大きな話題となりました。この作品を通じて、全国の当事者やその家族、医療従事者から共感と当事者理解の助けになったという声が多数寄せられています。今回の書籍化は、その実績と読者からの強い要望に応える形となりました。

当事者の声と専門家の知見を融合

本書は、Tokin氏自身の解離による不調との向き合い方や、SNSを通じて集められた多くの当事者(作中では「カイリさん」と呼称)からの「生き抜く工夫やアイデア」をまとめたコミックエッセイです。さらに、解離性障害の臨床と研究を行う精神科医の岡野憲一郎氏による監修・解説が加えられており、専門的な視点からの理解も深められます。

『コミックルポ 解離性障害、なんです。』の主な内容と特徴

本書は、読者が多くの選択肢から自分に合った考え方や方法を見つけられるよう、以下の3つの柱で構成されています。

当事者Tokin氏の「大丈夫ではない日々」の試行錯誤

Tokin氏自身が解離性障害の症状と向き合い、「大丈夫ではない日々」を試行錯誤しながら生きる姿が描かれています。自身の体験を赤裸々に語ることで、当事者が抱える困難や葛藤がリアルに伝わります。

プロローグ1

SNSで集まった「カイリさん」たちのリアルな声

SNSを通じて「カイリさん」たちから寄せられた、症状への対処法、セルフケアの工夫、病気との向き合い方、生活や仕事での工夫、病院や医師とのコミュニケーションのアイデアなど、多様な声が収録されています。これにより、当事者は自分だけではないという安心感を得られるかもしれません。

プロローグ2

精神科医・岡野憲一郎氏による専門的な解説

解離性障害の臨床と研究の第一人者である岡野憲一郎氏による、当事者や周囲の人々に向けた解説とメッセージが収録されています。専門家による客観的な視点と理解が、本書の信頼性を高めています。

プロローグ3

本書で得られる「生きづらさ」を乗り越えるヒント

本書の目次からは、解離性障害を持つ人々が直面する具体的な課題と、それに対する実践的なヒントが提供されることがわかります。

  • 「もやもや」の正体と対処法: 解離性障害に伴う「もやもや」とした感覚の理解を深め、それに対する向き合い方が探求されます。

  • 自分を「かわいがる」セルフケアの重要性: 自身の心身を労わるセルフケアの方法が具体的に紹介され、当事者が実践しやすいヒントが提供されます。セルフケアとは、自身で心身の健康を維持・管理するために行う活動や工夫のことです。

  • 多重人格としての「私」との向き合い方: 解離性同一性障害(一般に「多重人格」として知られる)を持つ人々が、複数の自己状態とどのように向き合い、調和していくかについての考察が深められます。

  • 病院や医師とのコミュニケーションの工夫: 診察室での効果的なコミュニケーション方法や、医師に症状を理解してもらうためのヒントが提供され、医療機関との連携を円滑にするための手助けとなります。

  • 仕事とメンタルヘルスのバランス: 解離性障害を抱えながら仕事をしていく上での課題や、メンタルヘルスを保ちながら働くためのバランスの取り方が議論されます。

著者と監修者について

著者:Tokin(トキン)

漫画家、イラストレーター。1983年生まれ。学生時代から心身の不調を抱え、精神科への通院を経て解離性同一性障害・双極性障害と診断されます。自身の障害を描いたフリーペーパー「ゾンビ道場」を発行後、2018年に初の漫画単行本『実録・解離性障害のちぐはぐな日々ーー私の中のたくさんのワタシ』(合同出版)を出版。アニメ『おしえて北斎!-THE ANIMATION-』では美術監督も務めています。
ホームページ:https://tokinweb.net

監修・解説:岡野憲一郎(おかの・けんいちろう)

精神科開業医、京都大学名誉教授、医学博士。1982年東京大学医学部卒業後、フランスやアメリカでの研修を経て、ショウニー郡精神衛生センター医長などを歴任。帰国後は国際医療福祉大学教授、京都大学教授を経て、2022年より現職。著書に『解離性障害─多重人格の理解と治療』(岩崎学術出版社)など多数あります。

書籍情報と購入方法

書誌情報

  • タイトル:『コミックルポ 解離性障害、なんです。 ちぐはぐ? 回復ダイアリー』

  • 著者:Tokin

  • 監修・解説:岡野憲一郎

  • 定価:本体1,600円+税

  • ページ数:160ページ

  • ISBNコード:978-4-7726-1611-9

購入方法

まとめ

『コミックルポ 解離性障害、なんです。ちぐはぐ?回復ダイアリー』は、解離性障害という見えにくい障害に対し、当事者のリアルな声と専門家の解説を通じて光を当てる貴重な一冊です。この書籍が、当事者の方々が「大丈夫ではない日々」を生き抜くための具体的なヒントとなり、周囲の人々にとっては理解を深める手がかりとなることを期待します。障害福祉分野における新たな一歩として、広く読まれることでしょう。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77