静岡県磐田市とLean on Meが協働、障がい福祉事業所へ「虐待防止推進ガイドライン」を配布し地域支援の質向上へ

2026年3月3日、静岡県磐田市とインクルTech企業である株式会社Lean on Me(リーンオンミー)は、地域における障がい福祉の支援の質向上を目指し、連携を開始しました。この連携により、リーンオンミーが独自に制作した「障がい者虐待防止推進ガイドライン」が、磐田市内の各障がい福祉事業所へ配布されます。本取り組みは、磐田市の中遠地域自立支援協議会磐田支部の部会等を通じて実施され、自治体と協力して地域の障がい福祉現場における虐待防止の推進が期待されています。

取り組みの背景と目的

障がい福祉の現場では、虐待防止研修の実施や委員会の設置が法的に義務付けられており、未実施の場合には減算対象となるなど、制度の強化が進んでいます。しかし、多くの事業所からは「重要性は理解しているものの、日々の業務に追われ、研修準備まで手が回らない」「時間も人員も足りない」といった声が聞かれるのが現状です。

このような現場の課題に応えるため、リーンオンミーは、多忙な管理者でもリスク管理を行い、現場を守る仕組みづくりをテーマにした推進ガイドラインを作成しました。磐田市はこの趣旨に賛同し、中遠地域自立支援協議会磐田支部のネットワークを活用することで、市内の事業所へ直接ガイドラインを届ける運びとなりました。

障がい福祉事業所専用 障がい者虐待防止推進ガイドラインの表紙

「障がい者虐待防止推進ガイドライン」の概要

このガイドラインは、理想論に留まらず、実際の統計データや過去の虐待事案を分析し、現場を守るための「現実的な対策」を提示している点が特徴です。主な内容は以下の通りです。

  • 統計から見る虐待発生の現状と要因の分析
  • 実際にあった虐待事案から学ぶ教訓と再発防止策
  • 報酬改定に伴う虐待防止措置未実施減算等の制度解説
  • ICTを活用した効率的な「学び続ける仕組み」の提案

今後の展望

今回の磐田市での配布実績をもとに、リーンオンミーは全国の自治体に対しても本ガイドラインの活用を働きかけていくとのことです。自治体から各事業所へガイドラインを届けるという流れをモデルケース化し、地域全体で障がい福祉の質を高め、虐待のない安心な社会の実現に貢献することを目指しています。

障がい福祉従事者向けのオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」

リーンオンミーは、障がい福祉サービスに従事する職員や、障がいのある方を雇用する一般企業の従業員、障がいのあるお客様への対応をする従業員を対象としたオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」を提供しています。このサービスでは、知的、発達、精神障がいのある方と接する上での知識を動画で学ぶことができます。自閉症協会会長や元厚生労働省の虐待防止専門官、国の研究機関の責任者らとコンテンツを制作しており、日常の支援でつまずいた際に必要な知識を自ら選択して学ぶことで、不適切な対応の事前防止をサポートします。

タブレットでスペシャルラーニングの動画を視聴している様子

詳細はこちらをご覧ください: https://special-learning.jp/

株式会社Lean on Meは、インクルージョン(Inclusion)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語であるインクルTechを通じて、多様性の包摂を実現するテクノロジーで社会課題の解決に取り組んでいます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77