子ども時代の記憶や感情とシンクロしてー書籍『静かなる変革者たち』への感想より

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の三木ひとみ先生にいただいた感想を紹介します。同事務所ではメイン業務として、現在、生活保護の申請を考えている方をサポートされています。
弱い立場の人に寄り添い続けるその理由はー
三木先生もまた、ヤングケアラーの経験をもつ『静かなる変革者たち』の1人だったのです。

【行政書士法人ひとみ綜合法務事務所】https://seiho-navi.net/

本に登場する「子どもたち」は私自身の過去とシンクロしました

じっくり読みたかったので、週末の楽しみにして、平日に仕事をすませました。
期待を裏切らず、私自身の子ども時代の記憶・感情とシンクロするところも多く、没頭して読みました。
多様性を尊重する個性豊かな優しい社会へより近付くよう願ってやみません。

【ブログ 「シングルマザー営業職を経て行政書士になるまで」より】https://seiho-navi.net/210411/

私は子ども時代、小中学校の頃の良い思い出、記憶というものがあまりないのです。
多くの児童・生徒にとって、学校に着ていく服を選ぶことが大きなストレスになり得るというのは、よくある話かもしれません。ただ、子どもの頃の私の悩みは、他の子と比べてブランド服やおしゃれな服を持っていないといったことではなかったのです。
小学校中学年頃まででしょうか、自分で服を洗えるようになるまでは、清潔な服を着て学校に行くことができない日も、少なくありませんでした。
昔のクラスメートたちは、もしかしたら単に私をからかっていただけであって、傷つける意図はなかったのかもしれません。
でも、「お前臭いよ」とか「いつ服洗ったの?」といった言葉は、子どもだった私の自尊心を喪失させ、それはそれは、落ち込んだものです。
幼少期にわりと長期間いじめに遭ったことによる負の影響の一つで、私は猜疑心が強くなって人を信用できなくなっていました。

三木先生は幼いころに両親が離婚。教師をしていた母親と2人暮らしするも、その母もうつ病を抱えることになります。

『静かなる変革者たち』は、「精神障がいのある親に育てられ、成長して支援職に就いた子どもたちの体験談と座談会」からなります。

ここに書かれている体験は、読み進めることができないほどつらい内容もたくさんあります。

しかし、本に登場する4人は、自らの経験をもとに、子ども時代に受けた精神障がいへの偏見を無くしていこう、当事者への医療・福祉を改善していこう、親や子どもも含めた丸ごとの支援を受けられるようにしようと、社会を少しだけでもいいから、前へ進めて行こうと取り組む思いを、飾ることなく等身大で語っています。

三木先生もまた、本に登場する子どもたちと同じように、体験をバネに社会を少しでも前に進めていこうとされる『静かなる変革者』なのです。

だからこそ、先生は、生活保護の申請を考えている方をサポートし、弱い立場の人に寄り添い続けているのでしょう。

【現れた、静かな変革者】

子どもであり、支援者でもある彼らは、精神医療という親や自分を傷つけた、嫌な世界にあえて飛び込みました。精神科で働くようになって「おかしさ」に気付き、怒りが表出されるようになったのです。
共著の横山恵子先生が「何か変革していこうという時に怒りというのはあるじゃないですか」と言うように、怒りは変革のエネルギーとも言えるでしょう。
彼らを見ると、内面では激しい怒りを抱いていますが、外面からその勢いを感じることはありません。静かに染み渡るように変えようとしている「静かな変革者」のように見えます。
居続けられる強さはどこからくるのかと言えば、おそらく親への思いなのでしょう。 親に直接的にはできない親孝行を、環境を変えることによって、いつか間接的に母親の生活をよくすると考えています。
彼らは、親が精神疾患であるが故に、親が受けた屈辱、親の豹変、強制的な入院といった、トラウマを経験しています。そのトラウマを乗り越える過程で、人生にとって大切なものを見つめ直していました。
彼らは芯の強い人間です。
彼らは、真の変革者になるのかもしれません。

『静かなる変革者たち』P8-17に掲載の「こどもぴあとは」をPDFダウンロードすることができます。

「こどもぴあ」とは(ダウンロードPDF)

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。