Last Updated on 2023年1月12日 by 菅間 大樹

新型コロナウイルス感染症の影響により、雇用調整の影響を受けている会社が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の会社に対して、出向に要した賃金や教育訓練費が助成されます。

産業雇用安定助成金の主な受給要件

本助成金の支給対象となる「出向」

・新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図ることを目的に行う出向であること
・出向期間終了後は元の事業所に戻って働くことを前提としていること
・出向元と出向先が、親会社と子会社の間の出向でないことや代表取締役が同一人物である企業間の出向でないことなど、資本的、経済的・組織的関連性などからみて独立性が認められること
(※令和3年8月1日から、独立性が認められない事業主で実施される出向も一定の要件を満たせば助成対象になります。)
・出向先で別の人を離職させるなど、玉突き出向を行っていないこと
などの要件があります

本助成金の支給対象となる「事業主」

・新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされたため、労働者の雇用維持を目的として在籍型出向により労働者を送り出す事業主(出向元事業主)
・当該労働者を受け入れる事業主(出向先事業主)

本助成金の支給対象となる「出向労働者」

・出向元事業所において雇用される雇用保険の被保険者(ただし、次の(1)から(4)のいずれかに該当する方を除きます。)であって、本助成金の支給対象となる「出向」を行った労働者であること。
(1) 出向開始日の前日まで出向元事業主に引き続き雇用保険被保険者として雇用された期間が6か月未満である方
(2) 解雇を予告されている方、退職願を提出した方または事業主による退職勧奨に応じた方(離職の日の翌日に安定した職業に就くことが明らかな方を除く。)
(3) 日雇労働被保険者である方
(4) 併給調整の対象となる他の助成金などの支給対象となっている方

産業雇用安定助成金の助成額

1 出向元及び出向先が負担する賃金、教育訓練費等の9割(上限日額12,000円、解雇をおこなっている場合は8割)2 就業規則や出向契約などの整備費用、出向労働者受け入れのための備品等の整備費用 出向元、出向先それぞれに10万円

助成金厚労省ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805_00008.html

日ごろからダイバーシティ経営に取り組んでいらっしゃる会社は、仕事を見える化し、適材適所の人員配置に努力されていますので、同友会のネットワークも活かし、助成金活用の可能性があると思い紹介しました。

ご興味のある方は、最寄りのハローワークか、お付き合いのある社労士に相談してみてはいかがでしょうか。

文責 社会保険労務士 前田豊
https://usei116.com/about-us/#maeda

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77