2016年に「合理的配慮の義務化」が始まり、企業には障がいのある人が働きやすい環境を整える責任が課されました。
しかし2026年、制度開始から約10年が経過した今でも、多くの障がい者が「職場は変わっていない」と感じていることが、最新の調査で明らかになっています。

本記事では、障がい者就労支援サービス「ワークリア」が実施した調査結果をもとに、

  • 職場の合理的配慮は本当に進んでいるのか
  • なぜ「変化を感じない」人が多いのか
  • 適切な配慮がもたらす本当の効果とは何か

をわかりやすく解説します。
障がいのある方、企業・人事担当者、就労支援に関わるすべての人に知ってほしい内容です。


合理的配慮とは?法律で何が変わったのか

合理的配慮とは、障がいのある人が他の人と同じように働けるよう、仕事内容や職場環境を無理のない範囲で調整することを指します。

たとえば、

  • 通院のために勤務時間を調整する
  • 体調に合わせて業務量を調整する
  • テレワークや時差出勤を認める

といった対応が該当します。

日本では2016年に民間企業にも合理的配慮の提供が義務づけられ、2024年にはさらに企業の責任が明確化されました。
制度上は「整った」はずですが、現場では別の課題が見えてきています。


障がい者の7割が「職場の変化を感じない」と回答した現実

今回の調査で最も注目されたのが、
障がい者の7割以上(74%)が「合理的配慮の義務化による職場の変化を感じない」と答えた点です。

さらに、現在受けている配慮に対して「満足している」と回答した人は43.9%と半数以下。
「配慮が提供されている実感がない」と答えた人も約1割にのぼります。

つまり、
法律は変わっても、現場での実感は十分に伴っていない状況が浮き彫りになりました。


身体障がいと精神障がいで「変化の感じ方」に大きな差

調査では、障がいの種類によって「職場の変化の感じ方」に大きな差があることも分かりました。

  • 身体障がい者:変化を感じている人 約35%
  • 精神障がい者:変化を感じている人 約23%

精神障がいのある人のほうが、配慮の進展を実感しにくい傾向があります。

理由として考えられるのは、

  • 体調や症状が外見から分かりにくい
  • 周囲の理解が十分でない
  • 配慮が「見える形」になりにくい

といった点です。


約4人に1人が「配慮を相談することを躊躇・断念」している理由

調査では、約25%の障がい者が「配慮を相談することをためらった、または諦めた経験がある」と回答しています。

特に精神障がい者では、その割合が約3割に達しており、身体障がい者の約3倍です。

なぜ相談できないのか?

主な理由は以下の通りです。

  • 上司や同僚が忙しそうで相談しづらい
  • 過去に相談しても改善されなかった
  • 嫌な顔をされた経験がある

過去のネガティブな体験が、「言っても無駄」という心理的ハードルを生んでいることが伺えます。


上司の理解度が相談のしやすさを左右する

直属の上司について「障がいに対する知識と理解がある」と答えた人は全体で57.2%。
しかしここでも、身体障がい者と精神障がい者の間に差が見られます。

  • 身体障がい者:約70%
  • 精神障がい者:約52%

上司の理解不足が、相談のしにくさや配慮不足につながっている現実が見えてきます。


適切な合理的配慮がもたらす「本当の効果」

一方で、ポジティブな結果も明らかになりました。
適切な配慮を受けている人の8割以上が、仕事に良い変化を感じているのです。

実感されている主な効果

  • 精神的に安定し、前向きに働けるようになった
  • 体調が安定し、欠勤や遅刻が減った
  • ミスが減り、仕事の質が向上した
  • 作業スピードや生産性が上がった

これらは単なる「配慮」にとどまらず、
企業側の生産性向上にも直結する成果といえます。


現場で多く行われている配慮の内容

実際に職場で行われている配慮として多かったのは、

  • 通院・休暇の柔軟な取得
  • 業務内容や業務量の調整
  • 時差出勤やテレワークなど通勤への配慮

といった、比較的取り入れやすい対応でした。

今後はこれらを「やっているだけ」で終わらせず、
一人ひとりの状況に合わせてアップデートしていくことが求められています。


これから企業に求められるのは「理解を深める職場づくり」

調査では、「今後もっと充実してほしい配慮」として、

  • 通院・休暇の柔軟性
  • 周囲の理解促進

が同率で上位に挙がりました。

設備や制度といった“ハード面”だけでなく、
上司・同僚の理解やコミュニケーションといった“ソフト面”の改善が鍵であることが分かります。


まとめ|合理的配慮は「企業の負担」ではなく「投資」

今回の調査から分かるのは、

  • 多くの障がい者が変化を実感できていない
  • 相談のしづらさが課題として残っている
  • しかし、適切な配慮は確実に成果を生む

という現実です。

合理的配慮は「義務だからやるもの」ではありません。
人が安定して力を発揮できる環境をつくることは、企業の成長にもつながる投資です。

※本記事はレバレジーズ株式会社配信するプレスリリースを基に作成しています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000880.000010591.html

障害者雇用を検討している企業の担当者の方は、レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」にお問い合わせください

ワークリア:https://worklear.jp

問い合わせ:https://worklear.jp/contact

障がいをお持ちの方で、ワークリアでの勤務を希望される方はこちら:https://worklear.jp/recruit/challenged/

<調査概要>

調査対象:会社員として勤務している障がい者196名

・身体障害者手帳を取得している方:51名

・精神障害者保健福祉手帳を取得している方:145名

調査年月:2026年2月5日~10日

調査方法:インターネット調査

回答者数:196名

調査主体:レバレジーズ株式会社

実査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社


ワークリア( https://worklear.jp/ )

ワークリアは、世の中の障がい者雇用を活性化することを目指す、就労支援サービスです。

未経験・就業経験の少ない精神発達障がい者を中心に自社で雇用し、120種類を超える業務を提供しながら一人ひとりの「可能性」を最大限に引き出す体制を整えています。組織規模は直近2年で180%に拡大しながらも定着率は90%*超えを達成。この独自のノウハウを活かし、障がいのある方と雇用する企業双方の負担を軽減するサテライトオフィスの運営や就職支援も行い、持続可能な就労をサポートしています。(*2025年4月時点)

レバレジーズ株式会社( https://leverages.jp/ )

本店所在地 : 東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア24階 /25階

代表取締役: 岩槻 知秀

資本金  : 5,000万円

設立   : 2005年4月

事業内容 : 自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業、システムコンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、DX事業、メディカル関連事業、教育関連事業

社会の課題を解決し関係者全員の幸福を追求し続けることをミッションに、インターネットメディア・人材・システムエンジニアリング・M&Aの領域で国や業界をまたいだ問題解決を行なっています。2005年に創業以来、黒字経営を継続し、2024年度は年商1428億を突破しました。各分野のスペシャリストが集うオールインハウスの組織構成と、業界を絞らないポートフォリオ経営で、時代を代表するグローバル企業を目指します。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77