【内容情報】(出版社より)

人と対面し〈つながり〉を保つことが困難となったコロナ時代は、私たちにはいかなるメンタルヘルスの危機もたらしたのか。本特集においては臨床の現場に寄り添いながら、その実態を明らかにしていく。そしてまた、この時代における精神科医療・臨床心理の理論の最前線にも迫っていく。

特集*精神医療の最前線――コロナ時代の心のゆくえ

【討議】
セルフケア時代の精神医療と臨床心理/ 斎藤環+東畑開人

【コロナ時代の臨床現場から】
コロナ禍の精神科外来と「日常」/ 松本卓也
絶望のデータ化――デジタル精神医学の時代/ 北中淳子

【歴史から捉える】
停止で紡ぎ出される夢が停止を惹き起こすために――中井久夫小論/ 小泉義之
消えない抗不安薬――精神医療と鎮静の文化/ 櫛原克哉

【グローバルな医療の現在】
ロックダウンと「ひきこもり」――新型コロナウィルスをめぐって/ 古橋忠晃
精神医学は大統領を診断するべきか――?ゴールドウォーター・ルールをめぐる論争/ 黒木俊秀

【〈場〉とつながりをめぐって】
発明品としてのコミュニケーション――依存症から考える/ 中村英代
居場所とリズムのゆるみ/ 村上靖彦
コロナ禍と家族/ 貴戸理恵
家族というゾンビ――E・デュルケーム『自殺論』を再訪する/ 山田陽子

【傷とトラウマ】
新型コロナ禍とトラウマについての時評――感染的─ 隣人的な倫理にむけて/ 上尾真道
誰が医療者を癒すのか――コロナ禍で浮き彫りになった医療者のsufferingに着目して/ 鷹田佳典
ファルマコン(薬=毒)――ジェンダー化された狂気の系譜とレジリエンスの政治/ 菊池美名子

【対抗的な知の前線に向かって】
誰がエビデンスを作るのか――当事者の経験知を専門知と対等に扱う/ 杉浦寛奈
自立生活、その後の不自由――障害者自立生活運動の現在地から/ 渡邉琢
精神医療の官僚制と民主制・序説/ 熊倉陽介

【連載●科学者の散歩道●第七四回】
アカデミーの役割と旧学術会議――「すばる」と「カミオカンデ」/ 佐藤文隆

【連載●「戦後知」の超克●第六回】
思想家・鶴見俊輔の「期待」と「回想」上――その戦後思想的/現代思想的位相/ 成田龍一

【連載●ポスト・ヒューマニティーズへの百年●第一三回】
永遠回帰への脱根拠化――ドゥルーズ/ 浅沼光樹

【連載●タイミングの社会学●第四回】
立ち退きの時計 上――スクオッターの強制撤去をめぐって/ 石岡丈昇

【研究手帖】
選挙民主主義の二つの対抗馬/ 山口晃人

  • 発売日 : 2021/1/28
  • ムック : 238ページ
  • ISBN-10 : 4791714091
  • ISBN-13 : 978-4791714094
  • 出版社 : 青土社
  • 言語 : 日本語

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。