Last Updated on 2023年8月1日 by 菅間 大樹

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは「ドン・キホーテ」「アピタ」「ピアゴ」等の PPIH グループ国内全店舗において、聴覚障害のある方たちが、従業員との会話をサポートする「コミュニケーションボード」を導入しました。

■コミュニケーションボード導入の経緯

日本では聴覚障害者障がいがある方は 30 万人以上※1 いるといわれています。聴覚に障がいがあるお客さまから、店舗従業員とコミュニケーションが取りづらいというご意見をいただいたことをきっかけに、本取り組みを始めました。お客さまに安心して楽しんでいただける店舗づくりには、豊富な品ぞろえやエンターテインメント感あふれる売り場に加えて、お客さまと従業員とのコミュニケーションも欠かせない要素です。従業員とのコミュニケーションを通して、お客さまに「楽しかった」「安心して買い物ができてうれしい」と感じていただければ幸いです。また、本取り組みは「心のバリアフリー」として障がいのある方に対する従業員の意識啓発にも寄与します。

■コミュニケーションボードの概要・使い方

コミュニケーションボード※2 には、有料レジ袋購入有無や、購入商品のラッピング等の、お会計時のお困り事を中心に掲載しています。お客さまがコミュニケーションボードのイラストや数字を指さすことで、従業員とコミュニケーションを取っていただけます。
コミュニケーションボードは 600 店以上の PPIH グループ国内全店舗のレジやサービスカウンターに設置しており(2023 年 7 月 24 日時点)、お客さまが店舗のレジ等に設置している「耳マーク※3
」カードを従業員に提示いただくと、従業員がコミュニケーションボードを使い接客を行います。

この他、従業員向けにオンライン手話セミナーの定期開催に加えて、手話ができる、または学習中の従業員は「手話マーク」を名札へ掲示しています。PPIH グループは、今後もお客さまに寄り添いながら、安心してお買い物いただける店づくりに取り組んでまいります。


※1 2016 年 厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」より
※2 店舗によってコミュニケーションボードの内容が異なる場合があるとのこと。ドン・キホーテ、MEGA ドン・キホーテ、MEGA ドン・キホーテ UNY、長崎屋等のおいては、直営売り場の全レジに設置。アピタ、ピアゴ等においては、サービスカウンターおよび直営売り場のアパレルコーナー、調理雑貨・家電コーナーのレジに設置
※3 耳マークは一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会により管理された聴覚障害のためのシンボルマークで、聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表す

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77