スリランカ出身技能実習生が介護福祉士に合格!日本の福祉に新たな希望

日本が直面する少子高齢化と介護人材不足は、高齢者福祉だけでなく、障害福祉分野においても深刻な課題となっています。このような状況の中、医療法人社団蘇生会で勤務するスリランカ出身の技能実習生2名が、国家資格である介護福祉士試験に合格しました。このニュースは、日本の福祉現場における外国人材の重要性と、彼らがもたらす可能性を示す画期的な事例と言えるでしょう。

介護福祉士への挑戦と外国人材の活躍

今回の合格者2名は、3年間の技能実習を経て特定技能に移行し、2度の不合格を乗り越えて3回目の挑戦で介護福祉士の資格を取得しました。この道のりは、外国人材が日本の専門資格を取得する上での大きなハードルと、それを乗り越えたことの価値を物語っています。

深まる介護人材不足と特定技能制度

日本では、少子高齢化の進行に伴い、介護人材の不足が深刻化しています。この課題に対応するため、2019年には新たな在留資格「特定技能」が創設され、外国人材の受け入れが本格的に進められています。

介護分野においては、技能実習から特定技能、さらに国家資格である介護福祉士の取得を経て「在留資格:介護」へ移行することで、外国人材が日本で長期的に就労し、定着できる制度が整備されています。今回の合格者2名も、この制度を活用し、日本で働き続けることを希望して資格取得に挑みました。

言葉の壁を乗り越えた合格への道のり

介護福祉士試験は、専門知識だけでなく、高度な日本語理解が求められるため、外国人材にとっては大きな壁となります。漢字、ひらがな、カタカナすべてを使いこなす必要があり、多くの外国人にとって大きなハードルです。実際、今回合格した2名も、2度の不合格を経験しています。

それでも諦めず、日々の業務と並行して学習を継続し、3回目の挑戦で合格を掴み取りました。介護分野で働く外国人は増加しているものの、介護福祉士の国家資格を取得するケースは決して多くありません。そのため、今回の成果は、外国人材のキャリア形成における大きな一歩であり、日本の福祉分野全体にとっても大きな意味を持ちます。

介護福祉士登録証を手に笑顔を見せる2名の女性

蘇生会総合病院の包括的な支援体制

医療法人社団蘇生会では、外国人スタッフが安心して働き、成長できるような支援体制を構築しています。来日したばかりの時期には、事務職員が中心となって日本語学習をサポート。現場では、日常会話に加えて、医療・介護現場で必要な専門用語や表現を実務に即した形で学べる環境を整えました。

また、現場スタッフも日々の業務の中で声かけやフォローを行い、チーム全体で外国人材を支える体制を目指しました。このような包括的な支援が、今回の介護福祉士合格を力強く後押ししたと言えるでしょう。

「家族のために」日本で働き続ける強い想い

合格した2名は、母国の家族へ仕送りを行いながら、日本での就労を続けてきました。技能実習修了後も帰国ではなく、日本に残り働き続けたいという強い意志を持ち、資格取得に挑戦してきました。介護福祉士の資格を取得したことで、在留資格「介護」への移行が可能となり、日本で長期的に働く道が開かれます。

その背景には、「家族のために頑張りたい」という強い想いがあります。日本人スタッフもまた、その気持ちに寄り添いながら、外国人スタッフが技術を身につけ、いきいきと働けるよう日々支えています。

外国人材と共に築く、これからの医療・介護・障害福祉

蘇生会総合病院では、外国人スタッフを単なる働き手としてではなく、地域の医療や介護を一緒に支える大切な仲間として迎えています。現在、同法人では約20名の外国人職員を受け入れており、介護・医療現場における重要な担い手として活躍しています。

受け入れにあたっては、日常業務の指導に加え、日本語学習支援や資格取得支援を行い、長期的なキャリア形成を支援。現場での指導から学習面まで、スタッフ同士が互いに助け合い、安心して成長できる環境づくりは着実に実を結んでいます。これからも、多様な人材がいきいきと活躍できる職場を目指し、地域の医療・介護、そして障害福祉をも支え続けていくことでしょう。

合格者の声

  • ニマーシャーさん(蘇生会総合病院 介護医療院勤務)
    「蘇生会に来てから多くのことを学び、今回介護福祉士に合格できたことが嬉しいです。一緒に働く皆さんに感謝しています。これからも日本で介護福祉士として頑張っていきたいです。」

  • アシニさん(老人保健施設 アールそせい勤務)
    「日本で働きながら勉強を続けることは大変でしたが、周りの職員の皆さんに支えていただき、合格することができてとても嬉しいです。これからは介護福祉士として、利用者様に安心していただけるケアを提供できるように頑張ります。」

医療法人社団 蘇生会 蘇生会総合病院について

医療法人社団 蘇生会 蘇生会総合病院は、1952年創業の歴史ある医療機関です。総合病院の運営のほか、介護老人保健施設、在宅支援事業所を運営し、地域医療・介護を多角的に支えています。詳細は以下のURLからご覧ください。

医療法人社団 蘇生会 蘇生会総合病院 公式サイト

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77