音が作り出す「見えないブランド体験」の重要性

ブランドの印象は、ロゴや内装、照明といった視覚的な要素に大きく左右されますが、人の脳に最も速く届くのは「聴覚」です。音は、わずか0.1秒で脳に到達し、ブランド体験の深さに影響を与えます。

一方で、多くのブランドや施設が音の空間設計に課題を抱えていることが少なくありません。ブランドの世界観に合う音楽が見つからなかったり、顧客の滞在時間が短くなったり、感覚過敏を持つ顧客から音が気になると指摘されたりするケースがあります。近年、認知科学における研究では、音環境と消費行動の一致が、滞在時間や顧客満足度を左右することが定説となっています。

温かみのある照明に照らされた、広々としたモダンなインテリア空間

感覚過敏に配慮した音環境の必要性

人口の15〜20%と推定される感覚過敏傾向を持つ人々にとって、刺激の強いBGMは「長時間いられない空間」の原因となることがあります。特に自閉スペクトラム症(ASD)の当事者の50〜70%が聴覚過敏を経験しており、突然の物音や継続的な騒音によって強い苦痛や感覚的な疲弊を感じやすいことが明らかになっています。

海外では、こうした課題に対応する先進事例が見られます。例えば、米国の大手小売ウォルマートは2023年11月より全店舗で「センサリーフレンドリー・アワー」を導入しました。特定の時間帯に店内BGMやアナウンスを停止し、照明も減光することで、感覚過敏を持つ人々にとって優しい買い物環境を提供しています。専門家の分析によると、環境が落ち着けば滞在時間が延び、購入点数も増えることが指摘されており、音環境の調整が顧客満足度向上と売上増加の両立につながることが実証されています。

今回提供されるサービスは、現代のラグジュアリー空間に求められる「サウンド・ウェルネス」の視点に基づき、「ブランドの物語を壊さず、感覚にやさしい」ニューロ・ダイバーシティな音設計をコンセプトにしています。

「疲れない音」を実現する4つの工学的アプローチ

この空間BGMは、以下の4つの工学的アプローチによって「疲れない音」を実現しています。

  1. 帯域バランスの最適化: 人間の聴覚が最も敏感な3〜8kHz帯域を適切に調整し、長時間でも疲れにくい音の質感を生み出します。
  2. サウンドマスキング技術: 完全な静寂が必ずしも快適ではない感覚過敏の方のために、不快な音をマスキングし、空間に適した音環境を創出。突発的な物音や騒音を穏やかに包み込み、無音よりも心地よいバランスを提供します。
  3. ダイナミクス設計: 突然の音量変化を抑えつつ、ふくよかな倍音を低減する音の圧縮は避け、自然界や野外の音の広がりをデザイン。適度なグルーヴ設計により、「気づいたら1時間経っていた」と感じられる音の流れを作り出します。
  4. 空間音響設計: スピーカーの特性や配置、残響特性を考慮し、脳が処理しやすい立体的な音場を実現するサウンドデザインです。これにより、聴覚的疲労が軽減されます。

これらのアプローチは、14の学術文献に基づいており、音響工学に基づいた空間向けサウンド提供であり、医療行為ではありません。

制作者の背景:音楽と工学、そして当事者としての経験

この楽曲を開発したのは、US在住の音楽プロデューサー、イクイ・ミナト氏です。即興ドラマーとして世界60カ国以上のアーティストと共演する一方で、工学エンジニアとして世界8カ国で途上国のインフラ整備にも従事してきました。

薄暗い会場でバンドがライブ演奏しているモノクロ写真

イクイ・ミナト氏は、「音楽のリズムがあれば、言葉を超えて人は笑顔になり、深くつながり合える」という確信を持っていました。しかし、自身と子供が持つ「聴覚過敏」という特性が転機となります。多くの商業空間で流れるBGMが、ある人々にとっては「その場にいられなくなる苦痛」になっている現実を痛感し、音によって子供と一緒に楽しめる場所が制限される経験をしました。

母親と幼い息子が額を寄せ合い、母親が優しく息子の頬に触れている心温まる瞬間

この極めて個人的で切実な体験から、「この音なら、私たちはここにいられる」という基準を、ブランドの「心地よさ」の基準へと昇華させました。工学エンジニアとしての音響解析技術、ドラマーとしての身体感覚、そして当事者としての繊細な耳。これら三位一体の視点を通して、脳を刺激せず、かつブランドの品格を高める「センサリーフレンドリー」な音環境を一つひとつ手作業で構築しています。

導入実績

導入実績① NY Textile Month(ニューヨーク)× 久留米絣

100年以上続く日本の伝統織物「久留米絣」を用いたニューヨークの国際ファッションデザイン展示において、企業のブランディング楽曲を制作しました。

織物工場の機械で、多数の白い糸が張られ、その奥には糸巻き(スプール)が整然と並んでいる様子

100年前から受け継がれる伝統的な「織り機の音」をサンプリングし、若者に人気のLofi Houseのビートへ統合。日本らしい「優雅なピアノ旋律」を重ねることで、歴史と現代の感性を接続した楽曲「Waven by Fate」が制作されました。この音楽は、素材の質感を「音」で翻訳する試みとして、展示会場に深い没入体験を生み出し、来場者とブランドの物語を強く結びつけました。

導入実績② 三越伊勢丹日本橋本店(東京)× ヘッドスパ専門店「悟空のきもち。」

全国・海外展開するリラクゼーション施設のイベントにて、楽曲が利用提供されました。

スパで顔にスチームを当てられながらリラックスしている女性

過度に眠気を誘うだけの環境音ではなく、「人がリラックスする」音の質感と深い低音を表現。人が古来からコミュニケーションに使ってきたと言われるアフリカ系音楽のグルーヴ感をヒーリング音楽に組み込むことで、リズムと呼吸の同期を促し、商業施設内の環境音を適度にマスキングするサウンド・デザインが施されました。これにより、数々のセラピストから「ふくよかな低音が心地よく、普段よりお客様が早く寝落ちしていました」という声が寄せられています。

視聴版音源は以下のプラットフォームで公開されています。

提供形態と推奨空間

サービスは、予算と目的に合わせて以下の3つのプランで提供されます。

  • ストック提供: 既存楽曲/プレイリストのライセンス提供。初期導入や予算・納期を抑えたい場合に最適です。

  • セミカスタム: 空間の用途・導線・滞在時間に合わせた編曲・サウンドデザイン。既存楽曲をベースに空間やブランドに最適化します。

  • フルカスタム: ブランドの世界観・素材・香り・照明・内装に合わせたオーダーメイド制作。オリジナルのブランドサウンドを構築したい場合に推奨されます。

このサービスは、以下のような空間や課題におすすめです。

  • 空間タイプ: 高級ラウンジ、ホテル、スパ、サロン、アートギャラリー、ブランドショップ、展示会、レセプション、静けさと活気のバランスが求められる商業施設、オフィスラウンジ、コワーキングスペースなど。
    アートポスターが飾られた、広々としたモダンなラウンジスペース
    自然光が降り注ぐモダンで開放的なオフィス空間
    暗い壁とフローリングの空間に、ゴールドのフレームを持つベージュのモダンなラウンジチェア

  • よくある課題: 「ブランドの世界観に合う音楽が見つからない」「音で他社と差別化したい」「ロゴや内装は完璧だが、音だけが合っていない」といったブランディング面での課題。

料金や提供形態は、導入規模、用途、必要曲数、カスタマイズの有無により変動します。まずはオンラインでのヒアリング(15〜30分)を通じて、最適なプランが提案されます。

2026年、すべての人が心地よい空間へ

年末年始(12月30日〜1月5日)も導入相談やデモ(オンライン)を受け付けており、2026年春以降の空間オープンやリニューアル、イベント、ポップアップストアに向けた相談も歓迎されています。

心斎橋PARCO3階にある、現代的なアート作品が多数展示されたギャラリー兼セレクトショップの空間

音によってブランドの物語がさらに深まり、すべての人が心地よく過ごせる空間が広がるでしょう。この取り組みは、音を通じて人々のウェルビーイングを高める新しい時代を牽引していくことが期待されます。

会社概要

会社名: ONTSUBU LLC(USA)
所在地: 8401 Mayland Dr Ste A, Henrico, VA 23294, USA
代表者: 谷 美幸
事業内容:

  • グルーヴヒーリング音楽/サウンドスケープ制作

  • ホテル・商業施設・ウェルネス空間向けBGM・サウンドデザイン

  • グローバル・アーティスト教育メソッド「Groove XP」企画・提供

ONTSUBU LLCは、米国レコーディング・アカデミー会員(Grammy Awards主催団体)に推薦されたUS在住日本人音楽プロデューサー、イクイ・ミナト氏(本名:谷美幸)が立ち上げたサウンド・ウェルネス専門スタジオです。イクイ・ミナト氏は、プロドラマーとして世界60カ国以上のアーティストと即興演奏する傍ら、工学エンジニアの国家資格Professional Engineer J.Pを保有。「音楽×工学×ウェルネス」を融合したサウンドスケープを開発しています。自身と娘が聴覚過敏症であることから、「神経系にやさしい音」の研究を重ね、2024年からブランドの世界観と感覚過敏にも配慮した「センサリーフレンドリー」なサウンドスケープを広めています。

白いチューブトップを着た黒髪の女性が、赤い手袋をはめた手で顔の右側を覆い、カメラをまっすぐ見つめているポートレート写真

関連リンク

主な参考文献

本プレスリリースの科学的根拠は、以下を含む複数の学術文献に基づいています。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77