Last Updated on 2023年1月12日 by 菅間 大樹

昭和5年創業、年間2千万冊以上のノートを製造する大栗紙工株式会社(所在地:大阪市生野区/代表取締役社長:大栗 康英)から2020年2月に発売された、発達障害当事者の「あったらいいな」をつめこんだ「mahora(まほら)ノート」2種と、2021年2月に追加発売した34種の全36種の販売数が、発売から1年6カ月間で5万冊を突破しました。また、取扱店が全国で300店を越えたとのことです。

少数派であっても、困りごとを抱える人に寄り添った製品づくり

mahoraノート新色

mahoraノートは、発達障害者を支援する一般社団法人UnBalance(所在地:大阪市平野区/代表:元村 祐子)と共に、当事者約100人の声を集めて開発されました。
mahoraノートの特徴は「光の反射を抑えた中紙」「識別しやすい罫線」「シンプルなデザイン」です。販売拡大とともに寄せられた新たな要望に応え、新しい色とサイズ、シートタイプも製品化。
発達障害にはさまざまな特性があることから、同社、少数派であっても困りごとを抱える人に寄り添った製品づくりを目指しているとのことです。

シートタイプが新登場

全国のロフト100店舗でも販売がスタート

発売当初は、同社のオンラインショップだけでの販売だったmahoraノートは、その後、文具店や雑貨店など徐々に取扱店が増え、7月からは全国のロフト100店舗でも販売がスタート。
さらに、今年2月のラインナップ拡大やクラウドファンディング、6月の日本文具大賞受賞(※)や、伝わりやすい売り場作り、メディアで取り上げられたことなどから、販売数、取扱店ともに増加中です。

mahoraノート概要

mahoraオンラインストア: https://www.oguno.jp/

mahora紹介ページ   : http://og-shiko.co.jp/mahora/

mahora(まほら)』という名前について

『まほら』は「住みやすい場所」や「素晴らしい場所」、「すぐれたよい所・国」を意味する日本の古語で、『まほろば』の元となった言葉。「使いやすいノート」「心地よく使っていただけるノート」であってほしいという願いから、『mahora』と名付けられています。
そして日本だけでなく、多くの国の人々に使っていただけるノートになってほしいという願いも込めて、アルファベット表記の『mahora』としました。

mahoraノートの特徴

mahoraノートには「光の反射を抑えた中紙」「識別しやすい罫線」「シンプルなデザイン」をはじめとした、さまざまな特徴があります。

mahoraノートの特徴1:光の反射を抑えた、中紙を採用

mahoraの中紙は、白い紙に比べ光の反射を抑えられる、13色の国産色上質紙の中から、発達障害当事者が選んだ、その中でもまぶしさがもっとも気にならなかった「レモン」「ラベンダー」「ミント」の3色を採用。また、今回採用した国産色上質紙は、通常のノートの中紙に比べ約10%程度厚くなっているため、強い筆圧でも紙がへこみにくく次のページへの影響が軽減されます。さらに紙肌がなめらかなので、消しゴムで消す際も紙がクシャクシャにならず綺麗に消すことが可能。

mahoraノートの特徴2:行の識別がしやすい、mahora独自の罫線

発達障害当事者の中に、「中紙に印刷された罫線が見分けにくく、書いているうちに行が変わってしまったり歪んでしまったりする」との声がありました。それらの悩みを解消させたのが、アンケートやヒアリングによってうまれた、mahora独自の2種類の罫線です。

mahoraノートの特徴3:ノートの開きが良く、耐久性も優れた無線とじ製本

長年ノート製造に携わってきた製本技術による業界トップクラスの高品質な無線とじ。ノートの開きが良いのでページの端まで文字が書きやすく、また耐久性にも優れているので長期間の使用でもノートがばらける心配はありません。

mahoraノートの特徴4:無駄な要素をなくしたシンプル設計

「中紙に印刷された日付などの余計な情報が気になり集中できない」との声にも耳を傾け、中紙の印刷からは日付欄などの罫線以外の情報は全てなくしました。またそのことによって、横書き・縦書きも気にすることなく使える自由なノートになりました。

そのほかの特徴

レポート用紙のように1枚ずつ自由に使える

パンチ穴をあければバインダーにまとめて綴じることができる

第30回日本文具大賞 デザイン部門で優秀賞を受賞

発達障害当事者の声から生まれた、目にやさしい「mahora(まほら)ノート」22種が、「第30回日本文具大賞」のデザイン部門で優秀賞を受賞しました。「日本文具大賞」は、機能面・デザイン面それぞれにおいて、その年もっとも優れた文具を選定するアワードです。マイノリティの小さな声にも耳を傾け「紙のチカラ」で解決した社会貢献度の高いノートと評価されました。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77