Last Updated on 2020年6月8日 by 菅間 大樹

スポンサー離れが懸念される一方、企業の業績不透明のなか、新規獲得も困難に

新型コロナウイルスの感染拡大による東京パラリンピック延期は選手・団体に多くの影響を与えていますが、パラリンピック競技団体においても例外ではありません。

【産経新聞】パラ競技団体、スポンサー離れに不安 本紙アンケート 企業減収で「新規獲得は難しい」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200509-00000534-san-spo

例外なく、どのスポーツ団体も円滑に活動を続けるには資金が必要となります。競技の普及・振興、選手の育成をどのように集めるか頭を悩ませている団体も少なくありません。そしてそれは、国内の競技を統括するトップ団体も同様です。

プロスポーツであれば、興行をすることで利益を出し、運営を続けることができます。プロスポーツの主な収入は、入場料、放映権料、スポンサー料、グッズ販売等になります。しかしパラリンピックの各種目の団体はプロではありません。大会数も多くなく、利益を得る手段は限られます

これまでもやりくりをしながら活動資金をねん出してきたなか、新型コロナウイルス感染症の影響による大会の中止などが、2021年開催のパラリンピックに大きな影響を与えそうです。

2020年に予定されていたパラリンピック大会が軒並み中止・延期となっています。大会が中止になると予定していた協賛企業からの収入が見込めなくなります。企業のバナー広告の掲出などはパラ団体の大きな収入になりますので、大会が開催されないことは、そのまま収益がないことを意味します。また、会場で販売されるグッズなどの収益も見込めません。

記事内では、すでに2団体が「影響あり」、11団体が「今後に不安」と答えたとのこと。(回答のあった団体のみ)そして今後すぐに大会が開催される可能性は低く、スポンサー企業の撤退も懸念されます。さらには、新型コロナウイルス感染症の影響を考えると、新規スポンサーの獲得も容易ではないでしょう。

団体の資金不足は、団体運営はもちろん、選手の強化資金の捻出にも影響します。今後、スポーツ庁がどのような方針をたてるかは不明ですが、選手の強化活動に必要な経費のさらなるねん出がないと、十分な活動ができなくなる団体が出てくることが予想されます。

また、各競技団体も、スポンサー獲得に奔走するほか、クラウドファンディングによる資金集めなど、これまで以上に知恵を絞る必要がありそうです。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77