Last Updated on 2023年7月27日 by 菅間 大樹
肢体に障害をお持ちの方が仕事探しをすることになった場合、様々な不安を持つことと思います。たとえば、「通勤や移動時に他の人の迷惑にならないだろうか」「今の会社をやめると、次の仕事が見つかるだろうか」「この状態で、本当に復職、仕事復帰できるのだろうか」といった悩みを抱えていませんか?
そんなときは、同じように肢体に障害をお持ちの方から寄せられた実体験を知ることで、不安を少しずつ取り除くことができるかもしれません。
このコラムでは、アンケートにもとづく、仕事探しや職場でのリアルな経験談をご紹介します。「理解のある職場を見つける方法とは?」「転職活動のコツ」「障害を抱えつつも、仕事を続けていくための工夫」など、役立つ情報をまとめました。
実際に肢体に障害を持つ方が働きやすい!と感じた企業を交えて、リアルな声をご紹介します。
今の職場のなかで障害を抱えつつも上手に働いていくために、また、復職や転職活動の参考にしてみてください。
目次
- 肢体の障害とは
- 肢体に障害のある方が語る「辛さや悩み」
- 肢肢体の機能障害を持つ方でも働きやすい職場環境とは
- 肢体の機能障害を持っていても働きやすい企業・業界・職種
- 肢体に障害がある方でも働きやすい企業の探し方
- 就職活動を成功させるためにあらかじめ知っておきたい面接のコツ
- 入社後に心がけたこと
- 最後に
1.肢体の障害とは
肢体の障害といっても、その障害を生じているからだの場所な程度により、認定基準が異なります。 ■上肢の障害:上肢の障害は、機能障害、欠損障害及び変形障害に区分する。 ■下肢の障害:下肢の障害は、機能障害、欠損障害、変形障害及び短縮障害に区分する。 ■体幹・脊柱の機能障害:体幹の機能障害は、高度体幹麻痺を後遺した脊髄性小児麻痺、脳性麻痺等によって生じるものである。 ■肢体の機能障害:肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害(脳血管障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合には、「上肢の障害」、「下肢の障害」及び「体幹・脊柱の機能の障害」に示したそれぞれの認定基準と認定要領によらず、「肢体の機能の障害」として認定する。 |
これら認定基準は、お住まいの都道府県が定めていますので、ホームページなどでご確認されると良いでしょう。参考までに東京都の認定基準は以下のようになっています。
参考:東京都福祉保健局「身体障害者と身体障害認定基準について」
認定されると、障害年金や身体障害者手帳などを受取ることにもつながります。身体障害者手帳を受けとることで、働き方の選択も広がります。
では、まず肢体に障害をもちながら働いているひとが感じている辛さや悩みなどを見ていきましょう。同じような経験をされている方もいるかもしれません。
2.肢体に障害のある方が語る「辛さや悩み」
2-1 肢体の障害がもたらす仕事の辛さは「痛みと歩行困難」
肢体に障害のある方が仕事をしようと思う時にぶつかってしまう壁の一つは、まず物理的な問題です。多くの方が慢性的な痛みやしびれと戦っています。こうした症状は目には見えづらいため、周囲の理解が得られず、怠けていると思われてしまうことも多いようです。
“ 「常に痛みがあり、さらに発作的に激痛が走る。関節拘縮していて、うまく歩けない。 杖歩行しているが、片手で荷物を持つにも重さ制限があり、手助け無しでは仕事が出来ない。」 「頚椎後縦靭帯骨化症で、左手がしびれています。重いものを持つ時に若干の不自由さがあります。」 「四肢に強い疼痛が出ているため、症状がひどいときは起きて活動することさえ難しい。痛みがひどいときは何もできずただ寝ているだけの状態で何ともできない。自覚症状のみで他人に分かりやすい症状がないので詐病とみられがちであった。」 「頚椎損傷し、一日中体が重く、常に逆立ちをして歩いているような重さがある。それに加え、手足の痺れ、腕の神経の痛みがある。この神経の痛みは、鎮痛剤はきかない。症状が悪化すると、座っているのも辛くなる。」 ” |
また、歩行困難のため通勤の電車や駅での移動で辛い思いをしたり、職場内の移動に時間がかかったりする方も多くいます。中には転倒しそうになった経験を持つ方も多いようです。
“ 「大腿骨を骨折し人口骨頭をいれましたが、2年たった今でも痛みがあり歩くのも辛いです。職場は広く結構歩かなければいけないけど、長い距離を歩くのが辛く大変な思いをしています。」 「四肢麻痺と視覚障害があり、車椅子での通勤を勧められたもののラッシュ時の電車かバスの利用なので困難で、無理をして杖歩行で通勤していた。」 「まともに歩いたり移動することが出来ないために通勤することが出来ず、仮に出勤しても、誰かに呼ばれてもその人のところに行くことが出来ませんでした。」 「右下肢機能障害で歩行困難、通勤時の駅の階段、電車では立っているのが辛い。仕事では外回りが多く、足首にサポータをして歩行しているが痛みと時々躓き転倒しそうな時がある。」 「お仕事をする上で苦手なのは、杖を使って歩くので動作がスムーズに動けないことです。段差があると躓きやすいです。」 ” |
続きは
へ。