「失語症の日」全国イベントで広がる理解と支援の輪
4月25日の「失語症の日」は、脳卒中や事故などによって脳の言語中枢が損傷し、言葉を操る機能に障害が生じる「失語症」に対する社会的な理解を深めるために制定されました。毎年この日には、失語症当事者や家族を支援し、情報交換の場を提供するためのイベントが全国各地で企画されています。第7回目となる今回は、全国18カ所がオンラインで繋がり、一体感のあるイベントとなりました。
音読が拓く新たな可能性:フリーアナウンサー沼尾ひろ子さんの経験
東京会場で登壇したフリーアナウンサーの沼尾ひろ子さんは、自身の脳梗塞発症と失語症の経験を赤裸々に語りました。アナウンサーとしての長年の経験を活かし、「音読」によって言葉を取り戻したという沼尾さんの話は、多くの参加者に希望を与えました。沼尾さんは、「当事者の気持ちが手に取るようにわかる。音読が脳に再び刺激を与えてくれた」と述べ、音読が失語症のリハビリテーションにおいて重要な役割を果たすことを強調しました。
歌とダンスで楽しく学ぶ!『おんどくドクドク』が繋ぐ笑顔の輪
イベントの後半では、お笑いコンビ「テツandトモ」が歌う啓発曲『おんどくドクドク』に合わせた合唱とダンスが行われました。全国18会場がオンラインで結ばれ、参加者たちは「ぴーぱっぱ」「じーざっざ」といった発声トレーニングを盛り込んだ歌詞と軽快なディスコ調のメロディーに合わせて体を動かしました。座ったままでも楽しめる振り付けは、会場に一体感と笑顔をもたらしました。
沼尾さんは現在、認知症予防としての「音読」の普及にも力を入れています。失語症のリハビリテーションとして効果的であった音読が、認知症予防にも繋がるというメッセージは、幅広い世代の人々にとって関心の高いテーマです。沼尾さんは、「私が脳梗塞から失語症となり取り組んだのが『音読』です。『音読』が、私の脳に再び刺激を与えてくれました。今、多くの方に音読トレーニングを行っています。認知症予防にも繋がります。今日みなさんに楽しく歌ってもらったように、笑顔の輪が広がっていけばうれしいです」と話し、目に見えにくい障害へのさらなる理解と、音読を通じた健康増進を訴えました。
失語症とは?約50万人が抱える「見えにくい障害」への理解を深める
失語症は、「聞く・話す・読む・書く」といった言葉に関する機能が困難になる障害です。国内には約50万人の患者がいるとされており、その多くが脳卒中などの後遺症として発症します。失語症は外見からは分かりにくいため、周囲の理解と適切なサポートが非常に重要となります。
デジタルシングル『おんどくドクドク』で自宅でも音読トレーニング
イベントで大いに盛り上がった「テツandトモ」の啓発曲『おんどくドクドク』は、デジタルシングルとして各配信サイトで提供されています。この楽曲は、楽しく音読トレーニングを続けられるように工夫されており、自宅でのリハビリや認知症予防活動にも役立つでしょう。
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デジタルシングル「おんどくドクドク」テツandトモ
- 各配信サイトにて配信中: https://tetsu-and-tomo.lnk.to/ondoku
さらに、Music Videoやダンス動画も公開されており、視覚的に楽しみながら音読トレーニングに取り組むことが可能です。音楽に合わせて体を動かすことは、脳の活性化にも繋がると考えられています。
まとめ:音読の力で失語症と認知症予防に挑む
「失語症の日」に開催された全国イベントは、失語症に対する理解を深めるとともに、音読が持つリハビリテーションと認知症予防の可能性を広く伝える貴重な機会となりました。フリーアナウンサー沼尾ひろ子さんの実体験に基づいた言葉は、多くの当事者とその家族に勇気と希望を与え、また「テツandトモ」の『おんどくドクドク』は、楽しく継続できる音読トレーニングの形を示しました。
失語症は、誰もが直面しうる「見えにくい障害」です。音読という身近な活動を通じて、言葉の力を取り戻し、認知症予防にも繋がる可能性を秘めていることが改めて示されました。このイベントがきっかけとなり、失語症への理解がさらに深まり、音読の輪が全国に広がることで、誰もが笑顔で生き生きと過ごせる社会の実現に繋がることを期待します。

