高齢者や障害を持つ方の「座る」課題と、従来の椅子の限界

加齢や病気、事故などにより身体機能が変化すると、日々の「座る」という動作が大きな負担となることがあります。長時間座ることで身体に痛みが生じたり、姿勢が崩れて呼吸がしにくくなったりと、生活の質(QOL)に直結する問題です。

これまで、こうした課題を持つ方々向けの椅子としては、機能性を重視した「福祉用具」か、意匠性を重んじた「一般家具」の二択が主流でした。しかし、福祉用具は機能的である一方でデザインが画一的で、インテリアに馴染みにくいと感じる方も少なくありません。一方、一般家具はデザイン性に優れていても、身体の支えが不十分で、かえって負担を増してしまうケースもありました。

このような状況の中、「機能とデザイン」の間に新しい架け橋をかけることを目指して開発されたのが、「trone(トローネ)チェア」です。この椅子は、高齢者や身体機能に課題を持つ人々が、自分らしく、誇りを持って「座り続ける」ことを支援するために誕生しました。

理学療法士と伝説の職人が生み出した「背中で座る椅子」troneチェアとは

「troneチェア」は、単なる機能性家具でも、高級インテリアでもありません。身体の構造を深く理解する理学療法士と、卓越した技術を持つ椅子張り職人の二人の匠が、加齢による姿勢変化に悩む方々のためにゼロから設計した「身体から設計された椅子」です。

開発には、理学療法士として身体構造解析の専門家である大渕哲也氏と、「椅子の神様」とも称される黄綬褒章・卓越技能賞受賞の椅子張り職人、宮本茂紀氏が携わっています。この二人のプロフェッショナルの出会いにより、「背中で座る」という全く新しい概念が提示されました。この革新的なアプローチは、「日経トレンディ(2026年6月号)」をはじめとする各メディアでも取り上げられ、大きな反響を呼んでいます。

家具モデラーの宮本茂紀氏と理学療法士の大渕哲也氏、中央にtroneチェア

「背中で座る」新感覚がもたらす呼吸と身体の変化

troneチェアの大きな特徴は、その「背中で座る」という感覚にあります。身体を物理的に押し付けるのではなく、背中という広い面全体で体重を預けることで、筋肉の余計な緊張が解き放たれます。これにより、身体は本来あるべき自然な姿勢へと無理なく導かれるのです。

実際にtroneチェアを試した多くの方が、まず「呼吸のしやすさ」と「身体の軽さ」に驚きを感じるようです。背中全体で支えられることで、胸郭が広がり、深い呼吸がしやすくなることが期待されます。また、身体の負担が軽減されることで、座っている間の疲労感が減り、より活動的になれる可能性を秘めています。

椅子を変えることは、単なる家具の買い替えに留まりません。それは、日々の活動量を向上させ、意欲を呼び覚ます「生活の基盤」を整えることにつながります。正しい座り心地は、快適さだけでなく、日々の尊厳や活力を支える重要な要素と言えるでしょう。

黄色の布張りクッションと木製フレームのアームチェアの背もたれ部分のクローズアップ

機能性とデザイン性を両立する妥協なきものづくり

「機能的だからこそ、デザインを諦める必要はない」という哲学のもと、troneチェアは開発されています。インテリアに美しく馴染むデザインと、身体を正しく支える機能性を両立させることで、利用者の生活空間を豊かに彩ります。

troneチェアは、全11色の豊富なカラーラインナップが用意されているだけでなく、利用者の身体や好みに合わせた完全オーダーメイドにも対応しています。これにより、一人ひとりの身体状況に最適な一脚を提供し、よりパーソナルな座り心地を実現します。

宮本茂紀氏が掲げる「椅子と共に老いる」という哲学が込められた一脚は、熟練の職人が一つひとつ手仕事で製作します。使い込むほどに身体に馴染み、その人の人生と家族の歴史を刻むパートナーとなることでしょう。親や大切な人が、自分らしく、堂々と座り続けるための尊厳を、troneチェアは支え続けます。

黒い背景に、緑色と赤色の布張りの木製アームチェアが2脚並べられ、ブランド名とキャッチコピーが書かれている

壁一面に本が並ぶ大きな木製の本棚がある部屋に、赤と緑の快適そうな椅子が置かれている

「座る」を諦めない文化を創造するtroneチェアの展望

合同会社troneの代表者は、「座る動作を『我慢』から『楽しみ』へ変えたい」という強いメッセージを発信しています。食事の時間が楽しい、家族との会話が弾む、立ち上がりがスムーズ。こうした「あたりまえの日常」を支え続けることが、troneチェアの目指すところです。

同社は、一人ひとりの身体に真摯に向き合い、椅子を通じて「座ることを諦めない文化」を創造していくことを目標としています。これは、障害や加齢によって生じる身体の制約がある中でも、活動的で充実した生活を送るための重要なサポートとなり、障害福祉分野においても大きな意味を持つ取り組みと言えるでしょう。

troneチェアの商品概要と購入方法

「troneチェア」は、身体への深い理解と職人の技が融合した、まさに「人生を豊かにする第三の選択肢」です。高齢者や身体機能に課題を持つ方、そしてそのご家族にとって、日々の生活を快適にし、尊厳を支える存在となるでしょう。

商品概要

  • 商品名: troneチェア(背中で座る椅子)

  • 価格: 326,700円~(税込)

    • ご予算や仕様に合わせて調整が可能です。
  • ラインナップ: trone Standard / Premium / Super Premium

購入方法

troneチェアは、熟練職人が一脚ずつ製作する完全受注生産です。購入をご希望の場合は、以下のブランドサイトよりお問い合わせ・オーダーを受け付けています。

緑と赤の布張りの椅子が2脚並び、熟練の職人による最高級の椅子であり、親孝行のための贈り物に最適であることが示されている

白い背景に置かれた、マスタードイエローの布張りクッションとダークブラウンの木製フレームが特徴的なアームチェア

熱帯の花や葉の模様が特徴的なアームチェア

まとめ

「troneチェア」は、理学療法士の専門知識と熟練職人の技術が融合し、高齢者や障害を持つ方々の「座る」という日常動作に新たな価値をもたらす製品です。機能性とデザイン性を兼ね備え、一人ひとりの身体に寄り添うことで、快適な姿勢保持をサポートし、ひいては活動量の向上や生活の質の向上に貢献します。

「座る」ことを諦めず、自分らしく豊かな人生を送りたいと願うすべての人々にとって、troneチェアはきっと、かけがえのないパートナーとなるでしょう。この革新的な椅子が、今後の障害福祉分野における新たなスタンダードを築き、より多くの人々の生活を豊かにすることに期待が寄せられます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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