建設業と障害福祉が連携!「建福連携」で新たな就労支援の形を創造

2026年9月16日、株式会社リハスが展開するSFC(ソーシャルフランチャイズ)の就労継続支援B型事業所「リハスワーク川崎」(神奈川県川崎市)が、総合建設会社の株式会社LOTUS(東京都港区)と連携し、「建福連携」を開始しました。この取り組みは、建設現場における業務負担の軽減と、障がいのある方々の新たな働く機会の創出、さらには工賃向上を目指すものです。

「建福連携」とは、建設業と福祉業界が協力し、それぞれの強みを活かして社会課題の解決を目指す新しいモデルです。リハスでは「福祉が地域を支える社会の実現」をビジョンに掲げており、今回の連携を通じて、障がいのある方が仕事を通じて地域企業を支え、活躍できる機会をさらに広げていくことを目指しています。

専門用語解説

  • SFC(ソーシャルフランチャイズ):株式会社リハスがフランチャイズを〈社会的〉事業と捉え、称しているものです。

  • 就労継続支援B型事業所:障害者総合支援法に基づくサービスの一つで、一般企業での就労が困難な障がい者に対して、働く場所や機会を提供し、就労に必要な知識や能力を向上させるための支援を行う事業所です。

リハスワーク川崎が提供する多様な就労支援と地域連携の背景

リハスワーク川崎は、アルディート合同会社をSFCパートナーとして2023年4月に開所しました。18歳以上の精神障がい、知的障がい、身体障がいがある方を対象に、リハスオリジナルの木材を使ったものづくりだけでなく、「『サブウェイ』でのサンドイッチ調理や接客対応」「『100日だけのチョコクロワッサン』でのクロワッサンの製造、商品の袋詰め作業」「『BOOKOFF』での衣類への値札タグ付け作業」など、多様な企業との連携を通じて、工賃向上や一般就労につながる支援を積み重ねてきました。

REHAS ardito LOTUSのロゴ

株式会社LOTUSとの「建福連携」が実現した背景

株式会社LOTUSは、建築・建設に関するさまざまな課題に対応する総合建設会社です。リハスワーク川崎は、障がいのある方の新たな仕事創出だけでなく、地域企業の課題解決につながる仕事にも着目していました。人材確保が課題となる建設業界への支援を模索する中で、株式会社LOTUSとの接点が生まれ、建設現場での施設外就労の可能性について検討が始まりました。

株式会社LOTUSの代表である小野寺氏には、生まれつき障がいのあるご家族がおり、「福祉業界と何か一緒に取り組みたい」という長年の想いがありました。この想いと、リハスの「福祉が地域を支える社会の実現」という理念が合致し、今回の施設外就労が実現しました。

建設現場での具体的な業務内容と「建福連携」のメリット

今回の連携は、「建福連携」の具体的なモデルケースとして、建設現場と福祉現場が共創するものです。建設現場では、施工業務以外にも周辺の清掃や環境美化といった地域への配慮が求められる業務が多く発生しますが、十分な人手や時間を割くことが難しいという課題があります。

障がいのある方が担う主な業務

リハスワーク川崎のご利用者様は、主に以下の業務を担当しています。

  • 建設現場周辺の清掃

  • 周辺環境の美化活動

男性がほうきで清掃する様子

歩道を清掃する人物

「建福連携」がもたらす双方のメリット

この「建福連携」により、建設現場は業務負担の軽減につながるとともに、地域との良好な関係構築にも寄与することが期待されます。一方、リハスワーク川崎のご利用者様にとっては、新たな活躍機会が広がり、従来の事業所内作業と比較して工賃向上にもつながるという大きなメリットがあります。

「建福連携」の今後の展望と地域社会への貢献

現在、この取り組みは都内3か所の建設現場で実施されていますが、株式会社LOTUSの事業拡大に伴い、将来的には最大7か所程度まで連携先を広げていくことを検討しています。また、リハスワーク川崎が拠点を構える神奈川県川崎市での業務展開も目指していくとのことです。

株式会社リハスは、今回の取り組みを一つのモデルケースとして、建設業界に限らず、地域企業が抱えるさまざまな業務と、障がいのある方の強みをつなぐ機会をさらに広げていく方針です。「企業の課題を福祉の力で支える」という新たな関係を地域に増やすことで、ご利用者様の仕事や社会参加の機会を創出するとともに、地域企業にも新たな価値を提供することを目指しています。

関係者のコメント

株式会社LOTUS代表取締役社長 小野寺良介氏は、ご自身の経験から「障がいのある方々のために、自分の仕事を通じて何かできないかと考えてきました。リハスワークさんとの連携を通じ、建設と福祉をつなぐことで、誰かの仕事や可能性が少しでも広がるよう、自分たちにできることから取り組んでいきたい」と語っています。

リハスワーク川崎パートナー 渡邊尚志氏は、「福祉の現場だけで完結するのではなく、地域の産業と手を組んでいくことが、これからの就労支援のかたちだと考えています。ご利用者様が実際の現場に関わり、『自分の仕事が誰かの役に立っている』と実感できる機会は、私たちが日々の支援の中で大切にしてきたことそのものです。建設業界という新しいフィールドで、その実感を得られたことをうれしく思います」とコメントしています。

読者の疑問を解決!「建福連携」に関するQ&A

Q1: 「建福連携」とは具体的にどのような取り組みですか?

A1: 「建福連携」とは、建設会社と福祉事業所が協力し、建設現場の業務の一部を障がいのある方が担うことで、建設会社の負担軽減と障がいのある方の新たな就労機会創出、工賃向上を目指す取り組みです。具体的には、建設現場周辺の清掃や環境美化などが主な業務となります。

Q2: 就労継続支援B型事業所とは何ですか?

A2: 就労継続支援B型事業所は、一般企業での就労が難しい障がいのある方々に対して、個々の能力やペースに合わせて生産活動の機会を提供し、知識や能力の向上をサポートする福祉サービスです。働くことの喜びや達成感を味わいながら、社会参加を促進する場でもあります。

Q3: 障がいのある方が建設現場で働くことのメリットは何ですか?

A3: 障がいのある方にとっては、多様な仕事に挑戦することで社会参加の機会が広がり、自身の能力を発揮できる新しい活躍の場を得られます。また、事業所内作業に比べて工賃向上につながる可能性もあり、自信やモチベーションの向上にも寄与することが期待されます。

Q4: この取り組みは今後どのように展開されますか?

A4: 現在は都内3か所の現場で実施されていますが、今後は最大7か所程度まで連携先を広げることを検討しており、将来的にはリハスワーク川崎がある神奈川県川崎市での業務展開も目指しています。また、建設業界だけでなく、他の業界にもこの「企業の課題を福祉の力で支える」モデルを広げていく方針です。

関連情報

株式会社LOTUS 会社概要

就労継続支援B型事業所「リハスワーク川崎」概要

株式会社リハス 会社概要

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77