教員の学びを深める新時代の校内研修ワークが登場

2026年8月5日、学事出版株式会社は、岡山大学准教授でNITSフェローの江尻寛正氏による、教員向けの校内研修書籍『コピーして使える 校内研修&実践ワーク』2冊を刊行しました。

近年、教員の学びを支え、学校づくりを進めるために欠かせない校内研修は、その体系化や整備が進んでいないため、担当教員にとって少なくない負担となることが指摘されています。例えば、「テーマ設定の難しさ」「準備時間の不足」「内容のマンネリ化」といった悩みが聞かれることもあります。このような現状に対し、本シリーズは、現場で起こりがちな事例をもとに、3つのステップで考え、対話を通じて学びを深める新しい研修形式を提案しています。

特に、障害福祉分野に関心のある読者にとって注目されるのは、『コピーして使える 校内研修&実践ワーク 学習指導・生徒指導・特別支援編』です。この一冊は、特別支援教育における具体的な課題や対応策について、実践的な視点からアプローチしています。

コピーして使える 校内研修 & 実践ワーク 学級経営・学校行事・保護者対応編 学習指導・生徒指導・特別支援編

3ステップで実践力向上!「対話」を重視した研修スタイル

本シリーズの最大の特徴は、無理なく実践できる3ステップの研修法です。これにより、教員は自身の教育観をアップデートし、対応力を高めることが期待されます。教育観とは、教育に対する基本的な考え方や価値観を指します。

研修の3ステップ

  1. 読み物資料を読む: 学校現場で起こりがちな出来事を描いた物語(事例)を読み、問題意識を共有します。
  2. ワークシートの問いで対話する: 事例に対するワークシートの問いを参考に、グループで語り合い、多様なアイデアや選択肢を検討します。
  3. 理論編でさらに深める: 対話で得られた気づきを、教育理論に基づいた解説でさらに深掘りし、実践への応用力を養います。

この「物語を通じた対話」を重視するアプローチは、先生方が互いの経験や教育観を共有し、「こんなときはどうすればよいか」という問いに対して、多角的な視点から解決策を見出す助けとなると考えられます。これにより、日常の職員室が自然と学びの場へと変わっていくことが目指されています。

初任期教師向けの研修資料のワークシート

初任教師が自身の経験を振り返り、新たな担任として奮闘する物語のページ

新任教師が初出勤日に生徒の名前を間違える失敗をする物語の続きのページ

障害福祉分野の教員に役立つ「学習指導・生徒指導・特別支援編」

『コピーして使える 校内研修&実践ワーク 学習指導・生徒指導・特別支援編』は、障害福祉に関わる教員にとって特に価値のある内容を多数含んでいます。具体的なケースを通して、特別支援教育の現場で直面する課題への理解を深め、実践的な対応力を養うことができるでしょう。

注目される特別支援教育関連のケース例

  • case 3 特別支援: 「一人の子にタブレットを許可したら学級内から反発が起きた事例」
    理論編では「合理的配慮の再定義」について考察します。合理的配慮とは、障害のある人が、ない人と平等に教育や社会参加ができるよう、個別の状況に応じて必要な調整や変更を行うことを指します。

  • case 6 特別支援: 「特別支援の『完璧な手立て』が通用しなかった事例」
    理論編では「BPSモデルとチーム学校」について解説します。BPSモデルとは、生物学的(Biological)、心理学的(Psychological)、社会的(Social)な要因を統合的に捉える医療・福祉の視点のことです。また、チーム学校とは、教員だけでなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、多様な専門職が連携して子どもたちを支援する体制を指します。

  • case 9 特別支援: 「生活習慣の欠落や学習に対する無気力さから外国人生徒を誤解していた事例」
    理論編では「外国人児童生徒の現状および受け入れ・支援」に焦点を当てます。

これらのケースは、現場で実際に起こりうる状況を具体的に示し、それに対する多様な対応策を考えるきっかけを提供します。理論編では、それぞれのケースに関連する教育理論や概念が分かりやすく解説されており、より深い理解へとつながります。

初任期教師向けの学習指導研修資料のワークシート

教師の教育観や指導における無意識の徒弟制を批判し、AI時代の役割再考を促す理論編のページ

教師のライフコースにおける力量形成の変遷と、次期学習指導要領の基盤的考え方を解説する理論編のページ

著者・江尻寛正氏からのメッセージと期待

著者の江尻寛正氏は、小学校教諭、指導主事、文部科学省専門職を経て、現在は岡山大学教職大学院准教授、独立行政法人教職員支援機構フェローを務めています。長年の教職経験と研究に基づき、研修が「日常に転移しやすい学び」であることの重要性を強調しています。

江尻氏は、「研修を工夫するとは、わかりやすさだけではなく、どうすれば日常に転移する研修になるかということではないか」と述べています。本書の物語を通じて、先生方が「そのとき、自分ならどうするか」を考え、周りの先生と話し合うことで、教育観の再構築や児童生徒への対応力向上につながることを期待しています。

書籍情報と購入先

『コピーして使える 校内研修&実践ワーク 学級経営・学校行事・保護者対応編』

  • 著者:江尻寛正

  • ISBN:978-4-7619-3137-7

  • 書籍仕様:B5・144ページ

  • 定価:2,750円(税込)

学級経営・学校行事・保護者対応編の表紙

購入先:

 

『コピーして使える 校内研修&実践ワーク 学習指導・生徒指導・特別支援編』

  • 著者:江尻寛正

  • ISBN:978-4-7619-3138-4

  • 書籍仕様:B5・144ページ

  • 定価:2,750円(税込)

学習指導・生徒指導・特別支援編の表紙

購入先:

 

学事出版株式会社について

学事出版株式会社は、教育関連図書・教材の出版を手掛ける企業です。教育現場のニーズに応える書籍を通じて、教員の専門性向上と子どもたちの豊かな学びを支援しています。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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