この記事で分かること

  • 就労継続支援B型「ふくろうの家」の基本情報:手話で安心して働ける当事者運営の強みとアットホームな環境
  • 福祉の専門用語解説:「就労継続支援B型」と他サービスの違いや工賃の仕組み(初心者向け)
  • 事業所が直面する2つの課題:軽自動車送迎の限界と、地域交流を育む「カフェ併設施設」の必要性
  • クラウドファンディング概要:目標金額(200万円〜500万円)、資金使途、限定Tシャツ等のリターン一覧
  • 【図解】支援ステップ・通所手順:CAMPFIREでの簡単な支援方法と事業所問い合わせの流れ
  • 運営事業者と管理者の想い:合同会社DEAF LIFEと前川澄子氏が目指す「第二の家」づくり

ろう者・難聴者の方が安心して働ける福祉事業所をお探しの方へ

障害福祉の現場において、聴覚障がい(ろう者・難聴者)をお持ちの方が「言葉のバリア」を感じずに自分らしく働ける環境は、まだ決して多くありません。

そんな中、神奈川県相模原市にて2025年12月に開所した就労継続支援B型事業所「ふくろうの家」が注目を集めています。聴覚障がい当事者が中心となって運営されており、手話で自由にコミュニケーションを取りながら働ける「第二の家」として親しまれています。

しかし現在、利用者の急増により「送迎車両の不足」や「働く場の拡張(カフェ併設型施設への移転)」という大きな課題に直面しており、課題解決のためのクラウドファンディングが実施されています。

本記事では、「ふくろうの家」の魅力や課題、現在実施中のクラウドファンディング(CAMPFIRE)の全貌、具体的な支援方法まで解説します。


就労継続支援B型事業所「ふくろうの家」とは?特徴と手話による支援体制

聴覚障がい当事者が運営する強みとアットホームな環境

「ふくろうの家」は、神奈川県相模原市を拠点に、合同会社DEAF LIFE(管理者:前川澄子氏)が運営する就労継続支援B型事業所です。

最大の特長は、運営スタッフや利用者の多くが聴覚障がい当事者であり、手話によるスムーズな意思疎通が確保されている点です。

一般的な事業所では、筆談や口話だけでは細かいニュアンスが伝わりにくく、作業指示の誤解や人間関係のストレスが生じやすいという課題があります。しかし「ふくろうの家」では、手話講座や各種ワークショップを通じて全員が手話で高め合い、アットホームな雰囲気の中で安心して業務に励むことができます。2025年12月の開所から1年足らずで利用者が倍増した実績からも、当事者やご家族からの信頼の高さが伺えます。

専門用語解説:「就労継続支援B型」と一般的な福祉サービスの違い

ここで、福祉の専門用語に詳しくない方向けに「就労継続支援B型」の仕組みを簡単に解説します。

【初心者向け言葉の解説:就労継続支援B型とは?】 障がいや体調の影響により、企業などで一般就労することが困難な方に対して、働く機会や知識・スキルの習得プログラムを提供する障害福祉サービスです。

  • 雇用契約:結びません(体調に合わせて自分のペースで週1日〜通所可能)。
  • 報酬(工賃):作業内容や成果に応じて「工賃」が支払われます。
  • 例えで理解するなら:「学校の部活動やサークルのように、お互いの体調や個性を尊重しながら、無理のないスケジュールで社会参加とスキルアップができる居場所」のようなイメージです。

就労継続支援には「A型(雇用契約あり・原則最低賃金以上)」と「B型(雇用契約なし・自分のペース優先)」の2種類がありますが、B型は特に「まずは生活リズムを整えたい」「ストレスなく働ける居場所がほしい」という方に適しています。


【相模原】ふくろうの家が直面する2つの課題と移転・大型送迎車導入プロジェクト

開所から利用者が順調に増える一方で、「ふくろうの家」は切実な2つの壁にぶつかっています。

【ふくろうの家が直面している現在の課題】

  [課題1:送迎環境の限界]
  ・使用中の軽自動車(中古)では一度に送迎できる人数に限界
  ・エアコンの故障や歩行補助車利用者の増加によるスペース不足
  ・送迎が困難で通所を断念せざるを得ない利用者が発生

  [課題2:働く場・地域交流の制限]
  ・現施設では食品を扱うことができず、作業の幅が限られる
  ・ろう者が接客や調理で活き活きと働けるカフェ併設拠点が不可欠

課題1:利用者の急増と送迎環境(軽自動車・車いす歩行補助車対応)の限界

現在、通所用に使われているのは中古の軽自動車1台です。一度に乗車できる人数が限られているため、朝夕に何往復も送迎を繰り返さなければなりません。

さらに、車両のエアコン故障や、歩行補助車(シルバーカーや歩行器等)を利用する通所者の増加により、乗車スペースの確保が極めて難しくなっています。その結果、せっかく「通いたい」という希望がありながらも、物理的な送迎の限界によって通所を諦めざるを得ない方が出てしまうという深刻な事態が生じています。

課題2:手話で地域とつながる「カフェ併設型施設」への挑戦

現在の施設では飲食店の許可(食品の取り扱い)が得られないため、作業内容が軽作業やワークショップ等に限られています。

聴覚障がいを持つ方が、調理や接客を通じて活き活きと社会と関わり、達成感を得られる環境を作るには「食品が扱える新施設への移転」が必要です。また、カフェを併設することで、地域住民が気軽に立ち寄り、手話やろう文化に自然と触れ合える「共生社会の拠点」を作ることが目指されています。


ふくろうの家 クラウドファンディング(CAMPFIRE)の概要と資金使途

送迎課題の解決とカフェ併設型施設への移転を実現するため、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」にて支援プロジェクトが実施されています。

クラウドファンディング基本情報

  • プロジェクト名:【ふくろうの家】手話で働き、手話でつながる。みんなの居場所をつくりたい。
  • 実施期間:2026年10月15日 〜 2026年11月30日
  • 初期目標金額:2,000,000円(ファーストゴール)
  • 最終目標金額:5,000,000円(ファイナルゴール)
  • プロジェクトページ:CAMPFIRE公式ページはこちら

目標金額とストレッチゴールの内訳

集まった支援金は、以下のように段階的(ストレッチゴール方式)で活用される計画となっています。

ゴール段階設定金額主な資金使途
ファーストゴール200万円大型送迎車両(7〜8人乗り)の頭金、新施設物件の契約費用
セカンドゴール300万円新施設のバリアフリー改修・内部リフォーム費用
サードゴール400万円併設カフェの厨房設備工事費用
ファイナルゴール500万円カフェ客席備品・客用家具・調理器具等の購入費

魅力的なリターン(返礼品)一覧

支援者には、感謝の気持ちを込めた心温まるリターンが用意されています。

  • クラファン限定デザイン オリジナルTシャツ・クリアファイル
  • 手話動画付き感謝メッセージ(字幕付きで安心)
  • 「ふくろうの家」1周年記念イベントご招待券
  • 特別手話講座 参加チケット(初心者でも楽しく学べる手話レッスン)

【図解・ステップ形式】クラウドファンディングの支援方法と参加手順

クラウドファンディングへの支援は、スマートフォンやパソコンからわずか数分で完了します。

【CAMPFIREでの支援の流れ(4ステップ)】

 [STEP 1] プロジェクトページにアクセス
    │    ・CAMPFIREの「ふくろうの家」専用ページを開く
    ▼
 [STEP 2] リターン(返礼品)を選択
    │    ・応援したい金額や欲しい返礼品コースを選択
    ▼
 [STEP 3] 決済方法を入力して確定
    │    ・クレジットカード、コンビニ払い、キャリア決済などを選択
    ▼
 [STEP 4] 支援完了&報告受け取り
         ・限定リターンの発送や活動報告(アップデート)をチェック
  1. STEP 1:プロジェクトページへアクセス CAMPFIREの専用ページ(https://camp-fire.jp/projects/978178/view)を開きます。
  2. STEP 2:リターンコースの選択 「プロジェクトを支援する」ボタンを押し、お好みのリターン(Tシャツ、手話動画、イベント参加券など)を選びます。上乗せ支援(任意で支援額を増やすこと)も可能です。
  3. STEP 3:決済手続き クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、各種キャリア決済などから支払い方法を選択します。
  4. STEP 4:完了・活動報告の閲覧 支援完了後、プロジェクトの進捗状況(送迎車の導入状況や移転工事の様子)が活動報告(アップデート)にて届きます。

運営事業者「合同会社DEAF LIFE」と管理者・前川澄子氏の想い

ろう者の両親のもとで育った背景と「第二の家」を目指す理由

「ふくろうの家」の管理者である前川澄子氏は、ろう者の両親のもとで育ちました。

幼少期から、聞こえない世界で一生懸命に働くお父様の苦労や努力を間近で見てきた前川氏は、お父様から「仕事をする上で、仲間との支え合いがどれほど大切か」という教えを受け取ったといいます。

「聞こえないからといって諦めることなく、手話でスムーズに仕事の技術を覚え、仲間と笑顔で支え合えるアットホームな居場所を作りたい」——そんな強い決意のもと設立されたのが「ふくろうの家」です。

新施設に併設されるカフェは、単なる飲食店にとどまらず、「聞こえる人(健聴者)」と「聞こえない人(ろう者・難聴者)」が自然に出会い、お互いへの理解を深め合える地域共生の拠点を目指しています。

合同会社DEAF LIFE 会社概要

  • 事業所名:就労継続支援B型事業所 ふくろうの家
  • 運営会社:合同会社DEAF LIFE
  • 代表者:代表 前川静夫 / 管理者 前川澄子
  • 所在地:神奈川県相模原市(本社:東京都八王子市鑓水2-84-8-307)
  • 設立:2023年11月
  • 事業内容:就労継続支援B型事業、手話講座、地域交流ワークショップの運営など
  • 公式URL:https://deaf-life.crayonsite.com/

Q&A(よくある質問)

コラム

Q1. 手話がまだ上手く使えない難聴者や初心者でも利用できますか?

A. 「ふくろうの家」では、手話に慣れていない方や難聴の方にも寄り添い、少しずつ手話を学べるサポート体制が整っています。手話講座も定期的に開催されており、初心者から安心してステップアップできます。

Q2. 併設されるカフェは、一般の地域住民(健聴者)も利用できますか?

A. もちろん利用可能です。 移転後にオープンするカフェは、地域の方々が美味しい食事やコーヒーを楽しみながら、手話やデフカルチャー(ろう文化)に自然と触れ合えるオープンな交流拠点として計画されています。

Q3. 「ふくろうの家」への見学や利用相談はどこから連絡すればよいですか?

A. 電話またはメールにて直接お問い合わせいただけます。 見学・体験通所の相談は随時受け付けられています。お住まいの自治体の障害福祉課や相談支援専門員経由でのご相談も可能です。

  • 電話番号:050-3623-9726(担当:前川)
  • メールアドレス:llc.deaf.life.office@gmail.com

【体制比較】現状の課題 vs クラウドファンディング成功後の新体制

クラウドファンディングが成功した場合、利用環境やサービスがどのように進化するのかを比較表にまとめました。

比較項目現状の体制(課題)クラウドファンディング成功後の新体制
送迎環境中古軽自動車1台。定員が少なく何往復も必要。エアコン故障。大型送迎車(7〜8人乗り)を導入。ゆったり安全な送迎体制を確立。
通所受入車いすや歩行補助車の積載スペース不足で通所断念が発生。歩行補助車を利用する方もスムーズに乗車可能。通所機会を拡大。
施設・作業食品取扱不可の物件。作業内容が制限されている。食品取扱可能な広々施設へ移転。カフェでの調理・接客作業が可能に。
地域交流事業所内でのワークショップや講座中心。カフェ併設により、地域住民とろう者が日常的に集う共生拠点へ。

まとめ:誰もが手話でつながる「第二の家」を応援しよう

神奈川県相模原市の「ふくろうの家」は、聴覚障がい当事者が中心となり、誰もが自分らしく安心して働ける場所を提供している貴重な福祉事業所です。

利用者の急増という嬉しい悲鳴の一方で直面している「送迎車の不足」と「通所・交流の場の拡張」という課題を克服するには、地域や全国からの温かい支援が欠かせません。

  1. 手話で安心して働ける「ふくろうの家」は利用者が倍増中
  2. 安全な送迎のための「大型車導入」と「カフェ併設型施設への移転」を目指す
  3. 2026年11月30日までCAMPFIREでクラウドファンディング挑戦中(200万円〜500万円)

「手話でつながる居場所を守りたい」「障がいの有無にかかわらず支え合える社会をつくりたい」と感じた方は、ぜひ一度プロジェクトページをご覧いただき、クラウドファンディングへのご協力や温かい応援メッセージを届けてみてはいかがでしょうか。

👉 ふくろうの家 クラウドファンディング支援ページ(CAMPFIRE)はこちら


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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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