2026年度採択!多様な社会課題に挑む24団体と障害福祉関連事業

2026年度は、事業ステージに応じた2つのコースが設けられています。これから事業を本格的に進める段階の「スタートアップコース」と、社会的インパクトの拡大を目指す「インパクトコース」です。それぞれのコースで、どのような起業家が採択されたのか、特に障害福祉分野に関連する事業を中心に見ていきましょう。

スタートアップコース:創業期の社会起業家が描く未来

スタートアップコースには、これから事業を本格的に進める方から、すでに事業を開始し、さらに社会や地域を変えるための戦略を描こうとしている方まで、12団体が採択されました。子育て、教育、こども若者の居場所、医療・介護、高齢社会、発達支援、文化継承、国際協力など、幅広い領域の社会課題に挑む起業家が集結しています。

【NEC社会起業塾】

  • 末廣優太 / 特定非営利活動法人LoCoBridge

  • 中道嘉総 / 株式会社ナースX

  • 直林実咲 / 株式会社tayori

    • 事業:大切な人への想いを起点に終活未実施層の行動変容を生むサービス

    • https://tayorie.jp/

【特別メンバー】

  • 岩瀬陽子 / 特定非営利活動法人そるな

  • 齋藤和輝

    • 事業:人口の減少する社会で、公共的存在をどう閉じていくのか
  • 高柳京果 / 特定非営利活動法人福祉戦略会議 /超幸齢化プロジェクト

  • 寺田瑛梨 / POT3NTIA. 合同会社

  • 遠矢勇輝 /株式会社Hazama

  • 水流早貴 / Sakhi Impact

    • 事業:AIと仲間で支えるインド農村女性の事業成長
  • 武藤洋一 / 株式会社DeafHeart

  • 住吉彩 / 株式会社My Land

  • 吉金潤一郎 / NPO法人ASK

    • 事業:スケボーをする人もしない人も暮らしやすいスケートパーク

    • https://www.npoask.com/

このコースには、「発達支援」や「ろう難聴者が死ぬまで手話でコミュニケーションがとれる施設の創造」といった、障害福祉分野に直接関わる事業が採択されています。これらの事業は、当事者のニーズに寄り添い、より良い社会の実現に貢献することが期待されます。

インパクトコース:社会的インパクトの拡大を目指す事業

インパクトコースでは、社会的インパクトの拡大に向けて、事業の次の展開を考えようとする団体・経営者を対象とし、12団体が採択されました。子育て・保育、こどもの居場所と学び、若者の社会復帰支援、障がい・難病のある人とその家族の支援、介護予防と地域の支え合い、ジェンダー平等などの事業に取り組む起業家たちです。

  • 石川麻衣子/一般社団法人Kids Code Club

  • 岡智子/特定非営利活動法人ジェンダー平等Labota

  • 嶋村仁志/一般社団法人TOKYO PLAY

    • 事業:子どもが遊ぶことの価値を社会に広げる様々なアクションを提案

    • https://tokyoplay.jp/

  • 塚崎康弘/学習支援塾ビーンズ(運営:アップシードビーンズ非営利型株式会社 )

  • 佐道大倫/manma place

  • 重光喬之/NPO法人両育わーるど

    • 事業:難病者/RDワーカーの就労・社会参加の選択肢を増やすあの手この手

    • https://ryoiku.org/

  • 中川悠樹/認定NPO法人AYA

    • 事業:病気や障がいのある子どもと家族へ、全国で体験機会を届ける

    • https://aya-npo.org/

  • 早川輝/NPO法人みやっこベース

  • 橋本大吾/一般社団法人りぷらす

  • 光本歩/特定非営利活動法人ウィーズ

    • 事業:家庭環境に困難があるこどもと家族を、地域で支える仕組みづくり

    • https://we-ed-s.com/

  • 峯上良平/一般社団法人Gifted Creative

  • 武藤紗貴子/株式会社人と音色

このコースでは、「障がい・難病のある人とその家族の支援」や「病気や障がいのある子どもと家族へ、全国で体験機会を届ける」といった事業が採択されており、既存の事業をさらに発展させ、より広範な社会的インパクトを目指しています。これらの取り組みは、障害を持つ方々やその家族が社会でより豊かに暮らすための新たな選択肢を提供することでしょう。

社会起業家を育む!メンタリングと実践で事業を磨く7ヶ月のプログラム

両コースの参加者は、これから約7か月間にわたる集中的なプログラムを通じて、事業計画や経営スキルを磨いていきます。このプログラムでは、事業を作るだけでなく、ぶれないミッションと課題の本質に向き合う粘り強さを備えるため、起業家としての志や姿勢、経営のあり方についても深く向き合う機会が提供されます。

第一線で活躍する多様な分野の先輩起業家がメンターとして加わり、参加者は現場での実践を重ねながら、具体的なアドバイスや指導を受けることができます。メンタリングとは、経験豊富なメンターが、経験の浅いメンティーに対して、知識やスキル、経験を伝え、成長を支援するプロセスのことです。

また、本プログラムは、趣旨に賛同し目的を共有した複数のパートナー企業によって支えられています。オフィシャル・パートナーには日本電気株式会社、プログラム・パートナーには株式会社電通が参画しており、企業と起業家が互いの境界を越えて貢献し合う文化を育んでいます。これにより、起業家は多様な社内リソースとの連携や、社員との接点づくりを通じて、事業をさらに発展させる機会を得ることが期待されます。

社会起業塾イニシアティブの詳細については、以下のウェブサイトをご参照ください。
社会起業塾イニシアティブ 公式ウェブサイト

今後のスケジュールとNPO法人ETIC.の取り組み

2026年度のプログラムは、キックオフセッションから始まり、レビューセッション、中間セッションを経て、ファイナルセッションやクロージングセッションへと進みます。また、企業共創セッションやDEMODAYといった合同プログラムも予定されており、参加者同士や企業との連携を深める機会が提供されます。

【スタートアップコース プログラム】

  • 2026年9月8日(火)~9月10日(木) キックオフセッション

  • 2026年12月1日(火)~12月2日(水) レビューセッション

  • 2027年3月1日(月)~3月2日(火) ファイナルセッション

【インパクトコース プログラム】

  • 2026年9月25日(金)〜9月26日(土) キックオフセッション

  • 2026年11月11日(水)〜11月13日(金) 中間セッション

  • 2027年3月8日(月) クロージングセッション

【社会起業塾イニシアティブ両コース合同プログラム】

  • 2027年1月16日(土) 企業共創セッション

  • 2027年3月13日(土) DEMODAY

NPO法人ETIC.は、1993年の創業以来、「行動を起こす人に伴走し、つなぎ、ともに『新しい社会』をつくる」をミッションに活動しています。起業家育成、企業や自治体などの異なるセクター間の共創コーディネート、コーディネーター育成に取り組んでおり、これまでに約19,000名が実践型インターンシップや起業支援プログラムに参加し、約2,200名が起業しています。ETIC.は、アントレプレナーシップ(起業家精神)に溢れる人材がより多く育まれるよう、企業・行政・NPOといった多様なセクターを巻き込みながら、挑戦したい人を支える仕組みづくりを続けています。

NPO法人ETIC.の活動詳細はこちらからご覧いただけます。
ETIC. 公式ウェブサイト

まとめ:障害福祉分野の新たな可能性を拓く社会起業家たち

「社会起業塾イニシアティブ」2026年度の採択メンバー決定は、社会課題解決に向けた新たな一歩を示すものです。特に、障害福祉分野における多様な事業が採択されたことは、この分野における課題解決への関心と期待の高さを示していると言えるでしょう。採択された起業家たちが、約7ヶ月間のプログラムを通じて事業計画や経営を磨き、社会にどのような新しい価値を生み出していくのか、その動向に注目が集まります。

彼らの挑戦は、障害を持つ方々やその家族がより安心して、自分らしく生きられる社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めています。社会起業家たちの成長と今後の社会起業塾の取り組みに、ぜひご注目ください。これらの活動が、障害福祉分野のさらなる発展とイノベーションに繋がることを期待します。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77