障害福祉における「自立」や「インクルーシブ社会」の実現には、どのような取り組みが必要なのでしょうか。本記事では、2026年10月2日(金)に札幌のチ・カ・ホで開催される啓発イベント「愛の輪お知らせ活動」の概要をはじめ、公益財団法人ダスキン愛の輪基金による障害者リーダー育成事業の歴史や成果について解説します。
この記事で分かること
- 「愛の輪お知らせ活動」の開催概要:2026年10月2日(金)に札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)で実施される啓発イベントの最新情報
- デンマークでの研修成果発表:第44期修了生・齋藤美羽氏による福祉先進国の制度や考え方に関する体験談
- 障害者リーダー育成事業の実績:45年で累計547名を海外へ派遣してきた国際的な人材育成の歩み
- 障害福祉の基礎知識と専門用語:「インクルーシブ社会」や「エンパワメント」などの重要概念のわかりやすい解説
障がい者の自立と社会参加を目指す「障害福祉」の現在地
近年、障害福祉の分野では、単に支援を受ける存在としてではなく、障がいのある方自身が社会の担い手として主体的に参加する環境づくりが重視されています。
インクルーシブ社会やエンパワメントとは?(専門用語の解説)
障害福祉や共生社会に関する議論の中でよく使われる専門用語について、基本となる意味を整理しておきましょう。
- インクルーシブ(包摂的)社会 障がいの有無や年齢、性別などにかかわらず、多様な人々が互いを尊重し合い、誰もが社会の一員として分かつことなく包み込まれる社会のあり方を指します。
- エンパワメント(Empowerment) 障がいのある方が自らの権利を認識し、主体的に意思決定を行いながら能力や可能性を発揮して社会に働きかけていくプロセスや状態を意味します。
- 自立生活センター(CIL: Center for Independent Living) 障がい当事者自身が運営に関わり、地域で自立した生活を送るための相談支援や権利擁護を行う拠点を指します。
当事者主体で社会を変えるリーダー育成の重要性
障がいのある方が地域社会で自分らしく生きるためには、制度の充実だけでなく、当事者が自らの意思で声を上げ、社会の課題解決に立ち向かうリーダーシップが不可欠であるとされています。海外の先行事例や先進的な制度を学び、自国や地域社会の福祉向上に還元する人材の育成は、共生社会の基盤づくりに寄与すると期待されています。
【札幌開催】ダスキン愛の輪基金「愛の輪お知らせ活動」の概要と見どころ
公益財団法人ダスキン愛の輪基金は、障がいのある人たちの可能性や社会で活躍する姿を広く伝える目的で、啓発イベント「愛の輪お知らせ活動」を開催します。
チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)で開催される啓発イベントの基本情報
今回のイベントは、札幌市民や観光客が多く行き交う「チ・カ・ホ」を会場として実施されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | 愛の輪お知らせ活動 |
| 開催日時 | 2026年10月2日(金) 13:30~15:00 |
| 開催場所 | 札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ) 憩いの空間 W-4・W-5 |
| 主催 | 公益財団法人ダスキン愛の輪基金 |
| 主な実施内容 | ・財団の事業活動紹介・障害者リーダー育成海外研修派遣事業 体験発表・活動紹介展示、パンフレット配布 等 |
デンマーク研修を終えた第44期生・齋藤美羽氏の体験発表
イベントの大きな見どころの一つが、「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」の第44期研修修了生である齋藤美羽氏による体験発表です。
齋藤氏は福祉先進国として知られるデンマークに1年間滞在し、現地の障害者制度や社会における障がい者の捉え方について探求を行いました。実際の滞在や現地の人々との出会いを通じて得られた気づきや学びが、本人の言葉で直接語られる予定です。海外での先進事例を知ることは、日本の障害福祉のあり方を再考する貴重なきっかけになると捉えられています。
45年の歴史を誇るダスキン愛の輪基金の主な取り組み
公益財団法人ダスキン愛の輪基金は、1981年の国際障害者年を機に、ダスキン創業者・鈴木清一氏が提唱した「めい・あい・へるぷゆう(何かお手伝いできることはありませんか)」の精神のもと発足した財団です。2026年には財団設立45周年を迎えます。
累計547名が羽ばたいた「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」
地域社会に貢献したいと願う障がい者を対象に、海外での研修機会を提供する事業です。
- 歴史と実績:財団の発足当時から続いており、45年間で累計547名の研修生を海外17ヶ国へ派遣しています。
- 修了生の活躍:研修を終えた修了生は、教員、俳優、スポーツ選手、国連職員など多彩な分野で活躍しており、障がい者の支援体制の確立や制度改正に向けた取り組みを進めています。
アジア・太平洋地域の福祉向上を支える「招へい型人材育成事業」
1999年からは「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」を開始しました。
- 事業の目的:アジア・太平洋地域の障がいのある若者を日本に招へいし、約10ヶ月間にわたり日本の障害者福祉や自立生活について学ぶ機会を提供しています。
- 国際的な貢献:25年間で29の国と地域から151名の研修生を招へいしており、帰国した修了生は母国の自立生活センター職員や大学職員、国会議員などとして、インクルーシブな社会づくりを牽引しています。
Q&A

障害福祉のイベントや研修事業に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. 「愛の輪お知らせ活動」は誰でも参加できますか?事前予約は必要ですか?
A. イベントは札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)のオープンスペース「憩いの空間」で開催されるため、通行中の方も含め誰でも自由に立ち寄ることができます。事業活動の紹介パネル展示やパンフレットの配布も行われており、障害福祉に関心のある方にとって気軽に情報を得られる機会となっています。
Q2. 「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」とはどのような制度ですか?
A. 地域社会のリーダーとして貢献を目指す障がい当事者自身が、海外の福祉制度やバリアフリーの状況、当事者運動などを学ぶための長期研修派遣制度です。個人が自ら設定したテーマに基づいて海外で研修を行う点に特徴があります。
Q3. 障害福祉の現場で「当事者リーダー」が求められるのはなぜですか?
A. 支援を受ける側の視点だけでなく、実際に障害とともに生きる当事者が制度設計やバリアフリー推進に関わることで、より実効性の高い環境整備や意識変革が可能になると考えられているためです。
まとめ:一人ひとりの社会参加が切り拓く障害福祉の未来

障害福祉における「自立」と「共生」の実現には、行政や専門職によるサポートだけでなく、地域社会全体での理解促進と当事者自身のエンパワメントが欠かせません。
今回札幌で開催される「愛の輪お知らせ活動」は、デンマークでの研修体験発表などを通して、障がいのある人々の可能性や多様な生き方に触れられる機会となります。2026年10月2日(金)にチ・カ・ホを訪れる機会がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。



