東京2020パラリンピックで車いすバスケットボール男子日本代表として銀メダル獲得に大きく貢献し、MVPにも選出された鳥海連志(ちょうかい れんし)選手。彼の最新著書『僕の人生には「挫折」がない 失敗を成長に変えるポジティブ思考術』が集英社より発売されます。
本記事では、幼少期に両下肢を切断しながらもトップアスリートとして世界で挑戦を続ける鳥海選手の歩みや思考法を紹介するとともに、障害福祉の視点から共生社会のあり方について解説します。
この記事で分かること
- 鳥海連志選手の歩みと経歴:幼少期の経験から車いすバスケとの出会い、世界最高峰での挑戦まで
- 新刊『僕の人生には「挫折」がない』の概要と注目ポイント:失敗を成長に変える思考法と全7章の構成
- 障害福祉における専門用語解説:パラスポーツ、先天性障がい・切断障がい、プロパラアスリートの理解
- 共生社会と障害福祉へのヒント:当事者目線での「課題解決術」と多様性を認め合う社会づくり
- 読者向けQ&A:書籍や車いすバスケットボールに関するよくある質問
障害福祉とパラスポーツの未来を照らすパラアスリート・鳥海連志選手とは?
幼少期の経験と車いすバスケットボールとの出会い
鳥海連志選手は1999年2月2日、長崎県生まれです。生まれつき両手足に先天性の障がいがあり、3歳の時に両下肢を切断する手術を受けました。
中学1年生の時に車いすバスケットボールと出会い、本格的に競技を開始しました。頭角を現した鳥海選手は、2013年のアジアユースパラ競技大会で準優勝を果たし、2014年には日本選手権に初出場します。高校2年生となった2015年10月には日本代表入りを果たし、翌2016年のリオデジャネイロパラリンピックには日本選手団最年少で出場するなど、若くして国際舞台で実績を重ねていきました。
東京パラ銀メダルから海外リーグ挑戦までの軌跡
2021年に開催された東京2020パラリンピックにおいて、鳥海選手は日本車いすバスケットボール史上初となる銀メダル獲得に大きく貢献し、国際車いすバスケットボール連盟のファン投票でMVPに輝きました。続く2022年には、男子U23世界選手権で日本車いすバスケ界史上初の金メダルを獲得しています。
2023年には「プロ宣言」を行い、プロパラアスリートとして初めて株式会社アシックスと所属契約を結びました。国内では神奈川VANGUARDSに所属し、2024年度の天皇杯で3連覇を達成しています。また、2024年の韓国リーグ(済州サムダス)経験を経て、2025年秋からは世界最高峰とされるスペインリーグの「BSRアミアブ・アルバセテ」に加入し、研鑽を積んでいます。
パリ大会での予選敗退という試練を経験しながらも、ロサンゼルス2028パラリンピックでの雪辱を目指して海外で挑戦を続けています。
【用語解説】パラスポーツ・プロパラアスリートとは?
障害福祉の分野で関心が高まっている「パラスポーツ」や「プロパラアスリート」について解説します。
- パラスポーツ(障がい者スポーツ):身体障がいや知的障がい、精神障がいを持つ選手が行うスポーツの総称です。ルールや用具に工夫が施されており、競技性と福祉的側面の双方を備えています。
- 先天性障がい・切断障がい:生まれつき身体の機能や構造に制限がある状態を「先天性障がい」、病気やケガ、治療目的などで手足を切り離す処置を受けた状態を「切断障がい」と呼びます。
- プロパラアスリート:企業の一般業務と兼任する形ではなく、スポーツ競技そのものを職業とし、スポンサー契約やプロ契約を結んで活動する障がい者アスリートのことです。
新刊『僕の人生には「挫折」がない』の概要と見どころ
「できない」を「できる」に変えるポジティブ思考術の源泉
集英社より刊行される鳥海連志選手の著書『僕の人生には「挫折」がない 失敗を成長に変えるポジティブ思考術』は、自身の競技人生や思考法をまとめた一冊です。
本書の中で鳥海選手は「僕の人生に挫折はない」と語り、日常生活や競技の中で生じる「できない」という壁を「できる」へと変えてきた独自の視点を提示しています。世界レベルの強豪国が集うスペインでの新しい経験や発見、日本代表としての11年間、そして競技人生の転機について率直に記されています。
全7章で綴られる挫折なき挑戦の全貌(目次一覧)
本書の章構成は以下の通りです。
- 第1章 銀メダリスト、パリを逃す
- 第2章 世界で勝つための「目標再設定」
- 第3章 「鳥海連志」inスペイン
- 第4章 長崎の無敵の少年がメダリストになるまで
- 第5章 「話が通じない!」初めての骨折と試練
- 第6章 来季、そして未来への宿題
- 第7章 これからも僕は「挫折」しない
成功体験だけでなく、パリパラリンピック出場を逃した際の葛藤や試練、目標の再設定プロセスが語られており、当事者や支援者にとっても学びの多い構成となっています。
各界からの反響と書籍情報
本書には、お笑い芸人の千原ジュニアさんから「この本を手に取ってみてください。こちらが背中を押されます。」との推薦文が寄せられています。
| 項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| 書名 | 『僕の人生には「挫折」がない 失敗を成長に変えるポジティブ思考術』 |
| 著者 | 鳥海連志 |
| 発売日 | 2026年9月28日(月)※電子書籍も同日発売 |
| 発行 | 集英社 |
| 定価 | 1,870円(10%税込) |
| 仕様 | 四六判 / 194ページ |
| ISBN | 978-4-08-333182-4 |
障害福祉の視点から考える「挫折」と「共生社会」
障がいを個性に変えるマインドセットと支援のあり方
障害福祉の現場では、当事者が直面する環境的・身体的障壁に対してどのように向き合うかが重視されます。
鳥海選手が示す「失敗を成長に変えるポジティブ思考術」は、障がいを不自由さや限界としてのみ捉えるのではなく、挑戦の機会や環境に適応するための工夫へと転換する示唆を含んでいます。福祉支援においても、当事者の「できないこと」に目を向けるだけでなく、「どのようなアプローチであれば可能になるか」という目標再設定のアプローチが参考になると考えられます。
海外挑戦から見る障害福祉と共生の広がり
鳥海選手は韓国リーグやスペインリーグといった海外舞台へ積極的に挑戦しています。多様な背景を持つ選手や文化の中で活動する姿は、パラスポーツを通じた国際的な共生社会の促進にも貢献していると言えます。
障がいのある人が社会の多様な分野でプロとして活躍できる環境が整うことは、障害福祉における就労支援や社会参加の可能性を広げる契機としても期待されます。
よくある質問(Q&A)

Q1: 鳥海連志選手の書籍『僕の人生には「挫折」がない』の購入方法は?
A1: 全国の書店および主要なオンライン書店で購入可能です。集英社より2026年9月28日(月)に発売され、同日より電子書籍版の配信も実施されています。
Q2: 車いすバスケットボールはどのような障がいを持つ人が参加できますか?
A2: 主に下肢などに障がいを持つアスリートが対象となります。競技では障がいの度合いに応じて「持ち点」が定められており、コート上の5人の合計点が規定値を超えないよう編成されるため、異なる障がい程度の選手が公平に協力し合える工夫がなされています。
Q3: 本書に込められたポジティブ思考術は福祉現場や日常でも活用できますか?
A3: 本書で語られている「目標の再設定」や「環境の変化に対する柔軟な思考」は、アスリートのみならず、障害福祉の支援現場や日常生活における壁の乗り越え方としても参考になる内容となっています。
まとめ:鳥海連志選手の思考法から学び、障害福祉への理解を深めよう

車いすバスケットボール男子日本代表として世界で活躍する鳥海連志選手。その著書『僕の人生には「挫折」がない 失敗を成長に変えるポジティブ思考術』は、トップアスリートとしての挑戦の軌跡と、試練を克服するための思考法を伝えています。
- 幼少期からの経験と車いすバスケでの実績、プロアスリートとしての海外挑戦
- 「挫折」を否定するのではなく、成長の機会へと捉え直すマインドセット
- 障がいや環境の違いを超えて活躍する姿を通じた共生社会への示唆
障がいや障害福祉について関心をお持ちの方は、鳥海選手の歩みや思考法に触れることで、新たな気づきや支援のヒントを得ることができるのではないでしょうか。

