パラ・パワーリフティング連盟に新理事長就任:元日本王者と世界的医師の異色な経歴
2026年7月1日、特定非営利活動法人日本パラ・パワーリフティング連盟に、新しい理事長として柿﨑裕彦氏が就任しました。柿﨑氏は、健常者ベンチプレス競技の元日本チャンピオンであり、同時に世界的に評価される眼形成外科医という、異色の経歴を持つ人物です。この新体制が、パラ・パワーリフティング競技の発展にどのような影響をもたらすのか、注目が集まっています。
柿﨑裕彦氏の多岐にわたる経歴と新理事長としての展望
柿﨑裕彦氏は、スポーツと医療、さらに組織運営という三つの分野で豊富な経験を持っています。
健常者ベンチプレス競技では、日本チャンピオンとして125kg級で257.5kgの日本記録を樹立した実績があります。また、マスターズベンチプレス50歳代の全国大会でも3年連続で2位を獲得するなど、長年にわたりトップアスリートとして活躍してきました。
医療分野では、眼形成外科医として国際的に高い評価を受けており、日本眼形成再建外科学会の設立者および初代理事長を7年間務め、アジア太平洋眼形成外科学会の元理事長も歴任しています。400篇以上の英語論文を執筆し、日本福祉大学では客員教授としてスポーツ医学を担当するなど、医学研究者としても多大な貢献をしています。ここでいう「眼形成外科医」とは、眼瞼(まぶた)や眼窩(眼球の周囲)など、目の周りの疾患や外傷を専門に治療する外科医を指します。
これらの経験を活かし、柿﨑理事長はパラ・パワーリフティング競技の認知拡大、競技力向上、そして10年先を見据えた持続可能な組織づくりに取り組む意向を示しています。
新体制が目指す3つの柱:パラリンピックメダリスト育成への道
日本パラ・パワーリフティング連盟の新体制では、以下の3つの目標を掲げています。
1. 競技の認知拡大
パラ・パワーリフティングは、脚を使わず上半身の力だけでバーベルを押し上げる競技です。健常者ベンチプレスとは異なり、下半身の反動を使わないため、純粋な上半身の筋力が求められるという特徴があります。柿﨑理事長は、この競技ならではの魅力や価値を、筋力トレーニングに関心のある人々や健常者ベンチプレス競技者にも広く発信し、新たなファンや競技人口の増加を目指しています。
2. スター選手の育成
連盟設立当初からの目標であるパラリンピックメダリスト輩出に向け、選手の発掘、育成、強化をさらに推進するとしています。障害のあるアスリートが世界で活躍できる環境を整えることは、障害福祉の観点からも非常に重要です。
3. 持続可能な組織づくり
まずは現状を把握し、組織基盤を整備することから始め、10年先を見据えた「誰がトップになっても運営できる自立した競技団体」の実現を目指します。また、医師・研究者としての知見を活かし、競技団体だからこそ発信できる「筋力の価値」や身体機能に関する科学的な情報発信にも積極的に取り組むことで、競技の魅力を多角的に伝えていく方針です。
柿﨑理事長のコメントと今後の期待
柿﨑理事長は、「競技団体として最も大切なのは、選手や関係者が安心して活動できる環境を整え、将来にわたって発展し続ける組織を築くこと」とコメントしています。自身の健常者ベンチプレス競技での経験を踏まえ、パラ・パワーリフティングの魅力を広く伝え、競技の認知拡大と競技力向上の両輪で、将来のパラリンピックメダリスト輩出につながる環境づくりに尽力するとのことです。さらに、医師・研究者として得た知見を社会へ還元し、「筋力の価値」を発信していくことにも意欲を見せています。
柿﨑裕彦氏プロフィール
-
健常者ベンチプレス 元日本チャンピオン
-
125kg級257.5kgの日本記録を樹立
-
マスターズベンチプレス50歳代 全国大会2位(3年連続)
-
日本眼形成再建外科学会 設立者・初代理事長(7年)
-
アジア太平洋眼形成外科学会 元理事長(2年)
-
英語論文400篇以上執筆
-
眼周囲手術分野で世界的に高い評価
-
日本福祉大学 客員教授(スポーツ医学担当)
障害福祉とパラスポーツの未来への貢献
柿﨑理事長の就任は、日本パラ・パワーリフティング連盟にとって大きな転換点となるでしょう。元トップアスリートとしての競技への深い理解と、世界的医師としての科学的知見、そして組織運営の経験が融合することで、競技の発展だけでなく、障害のある方々の社会参加や健康増進にも寄与することが期待されます。
障害福祉に関心を持つ方々にとって、パラスポーツの発展は、共生社会の実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。今後の日本パラ・パワーリフティング連盟の活動に注目し、共に応援していきましょう。
関連リンク
- 日本パラ・パワーリフティング連盟公式サイト: https://jppf.jp/index

