介護家族の37.4%が旅行を断念?外出・旅行に関する意識調査が示す現実
今回の調査では、まず回答者の属性が詳細に分析されています。
年代別では30代が33.9%と最も多く、20代〜40代を中心に幅広い層から回答が得られました。また、子育て中の人々の割合も44.0%にのぼり、子育てと介護が同時期に重なる「ダブルケア」予備軍が多く含まれていることが示唆されています。




介護が必要な家族との旅行について尋ねた質問では、介護経験者の37.4%が「検討したが、実現できなかった(あきらめた)」と回答し、「検討したことがあり、実現した」の25.6%を上回る結果となりました。

また、親との旅行についても「最後に親と旅行をしたのは5年以上前」が48.6%と最多で、親世代の高齢化が進む中で、家族旅行の機会が遠ざかっている現状が浮き彫りになっています。

この結果は、介護が家族の生活の質、特に外出や旅行といったレクリエーション活動に大きな影響を与えていることを示しています。介護は、もはや一部の特別な家庭の問題ではなく、多くの人々にとって身近な現実となっているのです。
介護は「特別な家庭」の話ではない:現役世代を襲う介護離職とダブルケアの現実
調査結果からは、介護が社会全体に与える影響の大きさがうかがえます。
「現在、介護や見守りが必要な家族はいますか」という問いに対し、46.5%が現在介護に関わっていると回答。さらに、過去の介護経験者を含めると、実に62.4%が介護の当事者・経験者であることが判明しました。介護対象は「実父母」が49.0%、「祖父母」が34.1%と、主に親世代や祖父母世代が中心です。


この状況は、20代から50代の働き世代にとっても介護が身近な現実であることを示しています。
さらに深刻なのは、介護が就労に与える影響です。介護経験者の42.2%が介護離職を検討または実施した経験を持ち、69.2%が介護のために仕事を休んだ経験があると回答しました。少子高齢化や晩婚化が進む日本では、子育てと介護を同時に担う「ダブルケア」世代の増加も予想され、介護は今後、現役世代の働き方や生活全般にさらに大きな影響を及ぼす社会課題となっていくでしょう。
介護家族の外出・旅行を阻む具体的なハードルと切実な声
介護が必要な家族との外出や旅行を阻むハードルは多岐にわたります。
最も多かったのは「本人の体力低下・意欲低下」(64.7%)で、次いで「体調変化への不安」(51.6%)、「移動手段の確保」(43.5%)が上位を占めました。これらに加えて、「介助者(家族)の身体的・精神的負担」や「宿泊施設・観光施設のバリアフリー状況」も大きな障壁となっていることが明らかになっています。

自由回答には、以下のような切実な声が寄せられています。
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「移動中の体調変化やトイレの心配、宿のバリアフリー状況が分からず断念したことがあります。家族だけで対応するには不安が大きく、もし現地で急に具合が悪くなった時のことを考えると、なかなか予約まで踏み切れませんでした」(40代・男性・自営業)
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「外出しやすい条件を整えても本人の意欲の低下で実現できないことが多いです」(50代・男性・会社員)
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「多目的トイレが少ないと感じています。リハビリパンツは履いていますが漏らすのは可哀想という気持ちになるのと『動きまわらせちゃってごめんね』と言われるのが辛いです」(30代・女性・専業主婦)
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「バリアフリー対応の宿を探すのに苦労しました。ホームページでは対応していると書かれていても、実際には段差があったり、浴室に手すりがなかったりと、情報の正確さに不安を感じました」(60代・男性・会社員)
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「自分一人で未就学児と車椅子の親を連れての外出は大変だと思いました」(40代・女性・専業主婦)
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「亡くなった今は、無理にでも何処かに連れて行ってあげればよかったなと後悔するばかりです」(30代・女性・パート・アルバイト)
これらの声は、介護家族が直面する具体的な課題と、旅行を諦めざるを得ない現状の厳しさを物語っています。本人の状態だけでなく、付き添う家族の負担や、受け入れ環境の整備不足も大きな問題となっています。
専門サポート「知らなかった」が68.2%も!利用意向は85.3%の「認知ギャップ」
介護が必要な家族との外出や旅行の際、どのように対応しているかという問いに対し、「家族だけで対応している」が47.7%と圧倒的多数を占めました。一方で、「外出や旅行の手配・サポートサービスを利用している」はわずか2.6%、「介護スタッフなどの付き添いサービスを利用している」も3.4%にとどまっており、専門サポートの活用がほとんど進んでいない実態が明らかになりました。

しかし、驚くべきは、看護・介護付き外出・旅行サポートサービスの認知度と利用意向のギャップです。
「そのようなサービスを知っていますか」という問いに対し、「知らなかった」と回答した人は68.2%にものぼりました。内容まで知っている人はわずか5.1%です。

その一方で、「そのようなサービスがあれば利用したいと思いますか」という問いに対しては、「ぜひ利用したい」(12.9%)と「条件が合えば利用したい」(72.4%)を合わせ、85.3%もの人が利用意向を示しています。

この結果は、介護家族が外出・旅行を諦めている大きな要因の一つが、「使えるサービスが世の中に存在することそのものを知らない」という「認知ギャップ」にあることを強く示唆しています。ニーズは非常に高いにもかかわらず、情報が届いていない現状があるのです。
誰もが旅を楽しめる社会へ:求められる支援とユニバーサルツーリズムの可能性
では、介護が必要な家族がもっと気軽に外出や旅行を楽しむためには、どのような支援が求められているのでしょうか。
調査では、「どのような支援があれば外出や旅行がしやすくなると思いますか」という問いに対し、「バリアフリーの宿泊・観光施設」(227件)が最多でした。次いで「緊急時に対応できる体制」(190件)、「移動支援(車椅子対応車両など)」(176件)と、ハード面の整備に対する強いニーズが示されています。

さらに、「情報提供(利用できるサービスや施設の情報)」(159件)も上位に挙がっており、適切な情報が不足している現状も浮き彫りになりました。
こうしたニーズに応えるべく、株式会社ReTabyは「行きたくても行けない方をサポートする」をミッションに掲げ、通院中・在宅療養中・リハビリ中の方向けの看護・介護付き外出・旅行サービスを提供しています。
ReTabyでは、利用者の医療度や介護度に応じて、看護師・介護スタッフによる同行支援、介護タクシーの手配、バリアフリー宿泊・観光施設の選定などを組み合わせ、病気や障がいのある方が「主役」として旅行を楽しめる環境づくりを進めています。
このような取り組みは、高齢者や障がいのある方も含め、誰もが社会に参加し、旅行やレクリエーションを享受できる「ユニバーサルツーリズム」の推進に不可欠です。サービスの認知拡大とともに、社会全体の意識変革と支援体制の強化が、介護を理由に「あきらめない」未来を築く鍵となるでしょう。
株式会社ReTabyの詳細はこちらをご覧ください。
まとめ:介護を理由に「あきらめない」未来のために
今回の意識調査は、介護が多くの家庭にとって身近な現実であり、特に外出や旅行といった生活の楽しみを奪っている現状を明確に示しました。介護離職の検討や実施、仕事への影響など、現役世代への負担も大きいことが浮き彫りになっています。
しかし、希望もあります。看護・介護付き外出・旅行サポートサービスへの高い利用意向は、介護を理由に「あきらめない」未来を多くの人々が望んでいる証拠です。必要なのは、こうしたサービスの存在を知ってもらうこと、そしてバリアフリー環境の整備や緊急時対応、移動支援といった具体的なサポートを社会全体で充実させていくことでしょう。
ReTabyのような企業が提供する専門的な支援は、介護家族が安心して外出・旅行を楽しむための強力な味方となります。誰もが人生の喜びを分かち合える社会を目指し、障害福祉に関わる私たち一人ひとりが、この社会課題に目を向け、行動していくことが求められています。

