医療的ケアのある重症心身障害児者とデザイナーが協働するアートプロジェクトが北海道で始動

北海道を拠点に、医療的ケアのある重症心身障害児者とデザイナーが協働する画期的なアートプロジェクトが始まりました。このプロジェクトは、個々の身体の動きや意思表示を「アート」として捉え、社会に発信していくことを目指しています。

描いて切り拓く。クリエイティブ・ホヤージュ

NPO法人ソルウェイズ(札幌市)は、令和7年度厚生労働省「特別支援学校卒業後における生活介護利用モデル作成事業」でのアート制作と展示イベントを通じて地域とのつながりを構築しました。この経験を基盤として、令和8年度からは新たなアートプロジェクトを展開しています。

NPO法人ソルウェイズについてはこちらをご覧ください:https://solways.or.jp

一人ひとりの表現を「アート」として社会へ

本プロジェクトでは、医療的ケアのある重症心身障害児者とデザイナーが共に作品制作を行います。それぞれの身体の動きや感覚、意思表示を活かした作品は、展示や商品化も視野に入れ、障害児者の生涯学習、趣味活動、さらには就労機会への可能性を広げることが期待されます。

重い障害がある場合、日常生活の支援や医療的ケアが中心となりがちで、個々の表現力や創造性に光が当たる機会は限られています。このプロジェクトは、そうした状況に対し、身体の動きや感覚、意思表示そのものを「その人らしい表現」と捉え直し、アートを通じて地域社会へ届けることを目指しています。アートを介して障害の有無を超えた対話が生まれ、相互理解を深めるきっかけとなるでしょう。

アート展の様子

ギャラリーの様子

医療的ケア児から医療的ケア者へ:ライフステージを見据えた支援の実現

医療的ケアのある重症心身障害児が成人期を迎えるケースが増加する中で、学校卒業後の生活のあり方や社会参加の機会確保は重要な課題となっています。これを受け、医療的ケア児支援法では成人期を見据えた支援の充実へ向け、「医療的ケア者」を含めた制度への見直しが進められています。

本プロジェクトは、この課題に対応し、医療的ケアのある重症心身障害児だけでなく、成人を含めた一人ひとりが地域の中で自分らしく暮らし、生涯学習や趣味活動、就労へと繋げることができる社会の実現を目指しています。

参考情報として、医療的ケア児支援法に関する記事もご覧ください:https://fukushishimbun.com/series06/40555

多様な団体との協働で新たな表現活動を創出

本プロジェクトは、NPO法人ソルウェイズが共催として企画・運営に携わり、デザイナーやクリエイターといった福祉分野以外の専門家と協働することで、新たな表現活動を生み出しています。このような分野を超えた連携により、これまで表現活動への参加が難しいとされてきた方々にも、新しい創作の機会を提供し、作品を通じて地域社会とのつながりを広げていくことが期待されます。

主催及び協力団体

オンラインイベントで活動を発信

本プロジェクトでは、制作の様子や主催者の想いを発信するオンラインイベントを毎月開催しています。第2回オンライン活動発信イベントが開催されます。

オンラインイベント告知

プロジェクトスケジュール

NPO法人ソルウェイズについて

NPO法人ソルウェイズは、2017年1月に設立され、北海道札幌市を拠点に活動しています。障がい福祉サービス事業(生活介護・短期入所・相談支援等)、子育て支援/児童福祉事業(病児保育、児童発達支援等)、医療事業(小児科、訪問看護ステーション)など、多岐にわたる事業を展開し、地域社会に貢献しています。

詳細はこちら:https://solways.or.jp/

本プロジェクトは、医療的ケアのある重症心身障害児者の豊かな表現力を社会に伝え、共生社会の実現に向けた一歩となるでしょう。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77