日本小児在宅医学会学術集会プレイベントで「インクルーシブ」を考える

2026年8月22日(土)に横浜市健康福祉総合センターにて、「第15回日本小児在宅医学会学術集会」に先立つプレコングレスイベントが開催されます。このイベントのシンポジウムの主題は「インクルーシブってなんだろう?!」です。

「インクルーシブ」とは、多様な人々が互いを尊重し、それぞれの違いを認め合いながら、社会のあらゆる活動に参加できるような社会を目指す考え方です。特に障害福祉の分野では、障害の有無に関わらず誰もが排除されずに社会の一員として共存できる環境づくりを指します。

本シンポジウムでは、医療的ケア児とその家族、そして支援者が、日頃の活動や実践を紹介します。参加者全体で「インクルーシブとは何か」を深く考える機会となるでしょう。また、映画「Return to My Blue」の上映も予定されており、多角的な視点から「インクルーシブ」について考察できる貴重な機会となりそうです。

イベント開催概要と関連情報

  • 名称:第15回日本小児在宅医学会学術集会 プレコングレスイベント

  • シンポジウム主題:インクルーシブってなんだろう?!

  • 日時:2026年8月22日(土)13:00~17:00

  • 会場:横浜市健康福祉総合センター 4階ホール(神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1番地)

  • 定員:240人

  • 主催:一般財団法人日本小児在宅医学会

  • 参加対象:第15回日本小児在宅医学会学術集会参加者

  • 参加方法:事前申込制(学会参加証の提示が必要)

関連リンク

おれんじハウス理事長 中陳亮太氏が語る地域でのインクルーシブ実践

シンポジウムの第3部には、認定NPO法人おれんじハウスの理事長である中陳亮太氏が登壇します。中陳氏は、医療的ケアのある子どもの家族としての経験を起点に、2013年に法人を設立しました。

おれんじハウスは、保育、児童発達支援、訪問看護、相談支援、診療所など、子どもと家族の育ちや暮らしを支える地域活動を幅広く展開しています。「すべての家族に子育てのよろこびを すべてのこどもに“その子らしさ”を」をビジョンに掲げ、医療的ケアや障害の有無によって子どもの居場所を分けるのではなく、すべての子供にとって良い環境を模索し、地域の中で共に過ごし、育ち合う環境づくりを進めてきました。

中陳氏の講演では、おれんじハウスの具体的な実践事例を基に、子どもと家族の「暮らし」を中心とした支援の展開から見えてきた「インクルーシブ」のあり方について語られる予定です。本人を社会に適応させるのではなく、誰もが参加できるよう社会の仕組みや意識を変えるというインクルーシブの実現に向けた貴重な視点が共有されるでしょう。

第15回日本小児在宅医学会学術集会も同時開催

プレコングレスイベントの翌日、2026年8月23日(日)には、パシフィコ横浜で「第15回日本小児在宅医学会学術集会」が開催されます。

今年の学術集会のテーマは「多職種の支援は、『医療的ケア児』から『医療的ケア児者』へ」。医療的ケア児者支援法に関するセッションをはじめ、成人期への移行、災害対策、呼吸・栄養・看取りのケアなど、医療的ケア児者の生涯を通じた支援に関わる幅広いテーマが取り上げられる予定です。多職種連携による包括的な支援の重要性が高まる中、最先端の知見が集まる場となるでしょう。

学術集会開催概要

  • 開催日:2026年8月23日(日)

  • 会場:パシフィコ横浜

  • 大会長:是松 聖悟氏(埼玉医科大学総合医療センター)

  • 副大会長:星野 陸夫氏(おれんじハウスそだちとケア診療所横浜)、冨田 直氏(東京都立小児総合医療センター)

  • 詳細ページ: https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/tdc2026

認定NPO法人おれんじハウスの取り組み

認定NPO法人おれんじハウスは、神奈川県横浜市を拠点に、保育、発達支援、看護・医療などを通じて、子どもと家族を支援しています。年齢や特性にかかわらず、一人ひとりの育ちを地域全体で支えることを目指し、医療的ケア児の居場所づくりや、保育・医療・福祉の枠を越えた支援に積極的に取り組んでいます。

その活動内容は、保育、児童発達支援、放課後等デイサービス、医療的ケア児支援、訪問看護、診療、相談支援、地域子育て支援など多岐にわたります。地域に根差した包括的な支援を展開することで、すべての子どもとその家族が安心して暮らせる社会の実現に貢献しています。

まとめ

「日本小児在宅医学会学術集会」のプレコングレスイベントは、医療的ケア児を含むすべての子どもたちが地域社会で共に生き、育つ「インクルーシブ」な社会の実現に向けた重要な議論の場となるでしょう。認定NPO法人おれんじハウスの中陳亮太理事長による地域での実践事例の紹介は、具体的な支援のヒントや、インクルーシブ社会を考える上での示唆に富んだ内容となることが期待されます。

専門用語解説

  • 医療的ケア児: 人工呼吸器による呼吸管理や、胃ろうによる栄養摂取など、医療的な生活援助が日常的に必要な子どものこと。近年、支援の必要性が高まっています。

  • インクルーシブ: 「包括的な」「包み込んだ」という意味を持つ言葉で、社会においては、障害の有無や人種、性別などにかかわらず、すべての人々が尊重され、社会に参加できることを目指す考え方や取り組みを指します。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77