夏休み明けの登校、約6割の保護者が「不安」を抱える実態
夏休みは、子どもたちにとって心身を休める貴重な期間です。しかし、起立性調節障害(OD)を持つ子どもたちとその保護者にとっては、長期休み特有の生活リズムの乱れや、休み明けの登校再開に対する不安が大きな課題となることがあります。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、起立性調節障害の子どもを持つ保護者110名を対象に、「夏休みの過ごし方と2学期への不安」に関する調査を実施しました。
起立性調節障害(OD)とは?
起立性調節障害(OD)は、自律神経の乱れによって、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感などの身体症状が現れる病気です。特に成長期の子どもに多く見られ、学校生活に大きな影響を与えることがあります。
夏休み中の生活リズム、約6割の子どもが「乱れる」と回答
調査結果によると、夏休み中の子どもの生活リズムについて、「学期中よりやや乱れる」が48.2%、「学期中より大きく乱れる」が13.6%となり、合わせて6割以上の子どもが学期中よりも生活リズムを崩していることが分かりました。学校という規則的な枠組みがなくなることで、リズムの維持が難しくなる傾向が顕著です。

保護者の主な懸念は「昼夜逆転」と「ゲーム・スマホ時間の増加」
夏休み中、子どもの体調や生活面で保護者が最も懸念しているのは、「昼夜逆転など生活リズムの乱れ」(21.1%)でした。次いで、「ゲーム・スマホの時間が増える」(19.8%)、「外出が減り、活動量・体力が落ちる」(17.6%)が上位を占めています。起床・就寝時間のずれに直結する要素や、運動不足による体力低下が、新学期への不安要素となっているようです。

家庭で実践される「ゆるやかなリズム維持」と「体調優先」の工夫
夏休み中に家庭で意識している・取り組んでいることとしては、「就寝・起床のリズムをゆるやかに保つ」(18.9%)が最も多く挙げられました。これは、厳格なルールを設けるのではなく、子どもの心身の負担を減らすアプローチが多数実践されていることを示しています。また、「水分・塩分をこまめにとる」(15.9%)といった、起立性調節障害の症状管理に重要な対策も上位に入っています。

新学期への登校不安、約6割の保護者が懸念
夏休み明けの登校について、「とても不安を感じている」(8.2%)と「やや不安を感じている」(50.9%)を合わせると、約6割の保護者が不安を感じていることが判明しました。夏休み中の生活リズムの乱れが、そのまま新学期の登校再開への大きな懸念に直結している状況がうかがえます。
2学期の登校に向けての具体的な不安要素
保護者が2学期の登校に向けて不安に感じていることとして、「夏休みで乱れたリズムが戻らないこと」(28.2%)が最も多く、次いで「朝起きられず始業に間に合わないこと」(16.9%)、「久しぶりの登校で体調を崩すこと」(16.4%)が挙げられました。身体的な問題だけでなく、環境変化による心理的負担も懸念されています。

求められる情報とサポート
起立性調節障害の子どもの夏休みに関して、保護者が最も助かると感じている情報やサポートは、「夏休み中の生活リズムの整え方」(23.1%)でした。また、「2学期の登校再開をやわらげる方法」(15.4%)や「本人の気持ちに寄り添う声かけの方法」(12.5%)など、家庭内で実践できる具体的なノウハウが強く求められていることが分かります。

専門家からのアドバイス:焦らず「ゆるやかに、少しずつ」
一般社団法人 起立性調節障害改善協会の代表理事である武田浩一氏は、夏休みは起立性調節障害の子どもにとって心身を休める貴重な期間であると述べつつも、昼夜逆転などの生活の乱れが起きやすい側面があることを指摘しています。

武田氏は、「無理にリズムを戻そうと叱責したり、急激に早起きさせたりすることは、かえって症状を悪化させる原因になりかねません。大切なのは、夏休みの後半から『ゆるやかに、少しずつ』本来のリズムに近づけていくこと」とコメントしています。朝の光を浴びる、水分と塩分をしっかり摂るなど、負担の少ないことから始めることが推奨されています。また、新学期が始まっても「毎日登校すること」を絶対のゴールにせず、子どもの体調を最優先に学校と連携しながら、焦らずに見守る姿勢が重要であると強調しています。
まとめ:障害福祉の視点から考える、学校と家庭の連携の重要性
今回の調査結果から、起立性調節障害の子どもを持つ家庭が、夏休み中に直面する課題と、新学期への根強い不安が浮き彫りになりました。保護者たちは子どもの心身の負担を減らすため、ゆるやかなリズム維持や体調優先の工夫を実践していますが、それでも具体的なサポート方法や情報へのニーズが高いことが示されています。
新学期をスムーズに迎えるためには、家庭の努力だけでなく、適切な情報提供や学校側の柔軟な受け入れ態勢が不可欠です。学校や地域社会が起立性調節障害への理解を深め、個々の子どもに合わせたサポートを提供することが、子どもたちの健やかな成長と学校生活の継続につながるでしょう。障害福祉の視点からも、このような連携体制の構築が喫緊の課題と言えるかもしれません。
関連リンク
調査概要
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調査主体: 一般社団法人 起立性調節障害改善協会
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調査期間: 2026年7月24日〜2026年7月31日
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調査対象: 起立性調節障害の子どもを持つ保護者
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調査方法: インターネットによるアンケート調査
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有効回答数: 110名

