日本財団主催「2026年度 第5回 ダイバーシティ就労支援実践研修」の概要と、障害者雇用を「戦力化」するための実践的アプローチを解説します。難病やLGBTQ、ひきこもりなど多様化する就労支援の課題と、ぜんち共済代表・榎本重秋氏の登壇講義の見どころも紹介します。
■ この記事で分かること
- ダイバーシティ就労支援の必要性:障害のある方だけでなく、難病、LGBTQ、ひきこもりなど多様な生きづらさを抱える「就労困難者」への包括的支援が求められている背景
- 実践研修プログラムの全体像:公益財団法人日本財団が主催する全22科目のオンデマンド講義とグループワークを組み合わせた4ヶ月間の研修概要
- 障害者雇用の「戦力化」への視点:ぜんち共済株式会社代表・榎本重秋氏が講義で伝える、単なる社会貢献にとどまらない中小企業での働きやすい職場づくり
- 専門用語の解説とQ&A:「ダイバーシティ就労」や「定着支援」などの重要キーワードの整理と受講検討者向けの疑問解消
多様化する障害者・就労困難者支援と「ダイバーシティ就労」の必要性
近年、日本の労働環境や福祉の現場においては、単に障害のある方の就労を支援するだけでなく、さまざまな背景を持つ方々の働く機会を創出することが重要なテーマとなっています。
なぜ今、従来の「障害者就労支援」から「ダイバーシティ就労」へ拡大しているのか?
従来の就労支援の枠組みでは、主に障害者手帳等を保有する方が中心とされてきました。しかし現場では、難病、LGBTQ、ひきこもり傾向のある方、刑務所出所者など、複数の生きづらさや働く上での課題(就労困難要因)を抱える人々が増加しています。
「働きたい」と願うすべての人々を地域社会で包摂(インクルージョン)し、個々の特性に応じた持続可能な働き方を実現するためには、多様な対象者を深く理解し、公的機関や企業と連携して定着までサポートできる専門人材の育成が急務とされています。
就労支援に関わる専門家・事業者に求められる役割と知見
支援者には、制度の知識だけでなく、企業側の事情や現場の課題感を理解した上での「仲介役」としての能力が期待されています。求職者の特性に合った仕事の切り出しや、就職後の職場環境の調整、周囲の理解を促進するアプローチが求められます。
💡 専門用語解説:ダイバーシティ就労支援とは?
障害の有無にかかわらず、難病、生きづらさ、社会的孤立などの多様な困難を抱える労働者一人ひとりに合わせ、職場環境の調整や定着サポートを含めて包括的に就労を支援する取り組みです。
【日本財団主催】2026年度 第5回 ダイバーシティ就労支援実践研修の概要と特徴
多様化する支援現場のニーズに応えるため、公益財団法人日本財団主催、一般社団法人ダイバーシティ就労支援機構運営、厚生労働省後援による「2026年度 第5回 ダイバーシティ就労支援実践研修」が開催され、現在受講生が募集されています。
4ヶ月間で実践力を磨く!オンデマンド講義と演習の組み合わせプログラム
本研修は、受講者が仕事や日々の支援業務と両立しながら学べるよう工夫された体系的なプログラムです。
- 研修構成:全22科目のオンデマンド講義(時間や場所を選ばず繰り返し学習可能)+グループワークなどの実践的演習
- 開催期間:2026年10月1日(木) 〜 2027年1月31日(日) の4ヶ月間
- 申込期限:2026年11月30日(月)まで
受講対象者と申し込みスケジュール
本研修は、以下のような幅広い関係者が対象とされています。
- 障害者就労支援事業所のスタッフや医療機関(難病患者支援)の担当者
- 自治体で就労支援やダイバーシティ推進を担当する職員
- 企業で障害者雇用、ダイバーシティ推進、雇用管理に携わる人事担当者・経営者
学習の場を通じて、異業種・異分野の支援者同士がネットワークを築ける点も本研修の大きなメリットと考えられます。
💡 専門用語解説
- オンデマンド講義:あらかじめ配信された講義動画を、受講者が都合の良い時間にPCやスマートフォンから視聴して学ぶ学習形式です。
- 職場定着支援:就職後に本人が職場環境に適応し、安心して長く働き続けられるよう、定期的な面談や課題解決を行う継続的なサポートのことです。
ぜんち共済代表・榎本重秋氏が語る「中小企業における障害者雇用と戦力化」
今回の「第5回 ダイバーシティ就労支援実践研修」において注目される講義の一つが、ぜんち共済株式会社 代表取締役社長の榎本重秋氏による登壇です。
「社会貢献」を超えて「戦力」として活躍してもらうための視点とアプローチ
榎本氏は、障害のある方向けの専門保険サービスを提供する経営者であり、中小企業家同友会全国協議会障害者問題委員長も務めています。
本研修で榎本氏が担当する講義タイトルは、**「中小企業における障害者雇用と戦力化~実習受け入れから誰もが働きやすい職場づくりへの挑戦~」**です。
講義では、以下のテーマを中心に実践的なノウハウが提供される予定です。
- 経営者視点での障害者雇用の捉え方:CSR(社会的責任)にとどまらず、事業の「戦力」として活躍いただくための本質的な視点
- 外部支援スタッフとの連携:支援機関や外部スタッフが中小企業とスムーズに連携するためのコツや心構え
- 現場で使える職場改善の実践:職場実習の受け入れから、誰もが働きやすい環境を整える具体的な工夫
外部支援スタッフと企業の連携・働きやすい職場づくりの実践方法
障害者雇用を成功させている中小企業では、業務の切り出しやマニュアル化、コミュニケーションツールの活用など、現場の創意工夫が行われています。これらの取り組みは、障害のある方だけでなく、すべての社員にとって働きやすい職場環境づくりにつながると評価されています。
💡 ぜんち共済株式会社とは?
知的障害、発達障害、ダウン症、てんかんのある方々の安心した生活を支えるため、特有のリスクに対応した保険商品(「ぜんちのあんしん保険」など)を提供する少額短期保険業者です。長年にわたり知的・発達障害のある方やそのご家族を支える事業を展開しています。

【会社概要】
社 名 :ぜんち共済株式会社
所在地 :東京都千代田区九段北3-2-5九段北325ビル4階
代表者 :代表取締役社長 榎本 重秋
事業内容:少額短期保険業(関東財務局長(少額短期保険)第14号)
URL :https://www.z-kyosai.com/
ぜんち共済株式会社は、全国の知的障害者とその関係者の方を対象として福利厚生制度を行うために設立された「全国知的障害者共済会」を前身とし、2006年11月に設立された少額短期保険業者です。社是である「ともに助け、ともに生きる。」の精神のもと、保険業法に適合し、主に知的障害、発達障害、ダウン症、てんかんのある方特有の様々なリスクとニーズを考慮した、「安心した生活」をもたらすことのできる商品設計を心掛けます。
<オリジナル保険商品>
ぜんちのあんしん保険
ぜんちのこども傷害保険
Q&A

Q1: 障害者以外の支援対象(難病やひきこもり等)についても学べますか?
A1: はい、学べます。本研修は、障害のある方に限らず、難病のある方、LGBTQ、ひきこもり傾向のある方、刑務所出所者など、多様な生きづらさを抱える方々への支援(ダイバーシティ就労支援)をテーマとしており、包括的な理解を深めることが可能です。
Q2: 企業の人事担当者や自治体の職員でも受講できますか?
A2: 受講可能です。就労支援事業所のスタッフだけでなく、企業でダイバーシティ推進や雇用管理を担当されている方、自治体で就労支援に関わる職員など、幅広い立場の方が対象となっています。
Q3: 業務と両立して受講できるか不安ですが、受講形態はどうなっていますか?
A3: 主要な講義(全22科目)はオンラインのオンデマンド形式で配信されるため、期間中であれば自身の都合に合わせて受講可能です。また、実践的な理解を深めるためのグループワーク演習なども組み合わされています。
まとめ:支援の知識をアップデートし、誰もが働きやすい社会の実現へ

労働力不足が進む日本において、これまで就職の機会を得にくかった多様な人々が力を発揮できる環境を整えることは、社会全体にとっても重要な課題です。
日本財団が主催する「2026年度 第5回 ダイバーシティ就労支援実践研修」は、障害者支援の枠を超えた広義の就労支援ノウハウや、中小企業での具体的な「戦力化」事例を学べる貴重な機会となることが期待されています。
支援者・事業者・自治体のそれぞれの立場から学びを深め、一人ひとりが自分らしく働ける地域社会の実現に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
- 主催・お問い合わせ:公益財団法人日本財団 / 運営:一般社団法人ダイバーシティ就労支援機構(特設サイト:https://jodes.jp )




