沖縄県読谷村で「待たない発達支援」DX実証がスタート

発達に不安を抱える子どもとその保護者にとって、適切な支援にアクセスするまでの道のりは時に長く、複雑な場合があります。こうした課題を解決するため、沖縄県読谷村とFUJIYAMA BRIDGE LAB株式会社(みらいらぼ)が連携し、オンラインを活用した発達支援DX(デジタルトランスフォーメーション)実証事業を開始しました。

本実証は、発達に不安を抱える家庭が時間や場所を問わず専門家に相談でき、必要な支援へ切れ目なくつながる仕組みの有効性を検証することを目的としています。

発達支援の現状と課題:なぜ「待たない支援」が必要か

子どもの発達に関する悩みは、多くの家庭で共通の課題です。しかし、「どこに相談すればよいかわからない」「相談や検査、支援につながるまでに時間がかかる」といった理由から、支援が必要な時期に適切な情報やサービスにたどり着けないケースが少なくありません。この「相談の空白」期間に、保護者の不安が大きくなり、孤立してしまう状況も生じています。

こうした現状に対し、読谷村と「みらいらぼ」は、支援が必要な家庭が早期に適切な支援へつながる地域づくりを目指し、官民連携での実証に取り組んでいます。特に、専門家不足や地理的制約がある地域では、オンラインでの支援が「待たない支援」を実現するための重要な手段となります。

沖縄県読谷村とFUJIYAMA BRIDGE LABが連携するDX実証事業の概要

FUJIYAMA BRIDGE LAB株式会社は、株式会社静岡新聞社・静岡放送株式会社のグループ企業であり、新規事業開発や投資事業を手掛けています。同社が提供する児童発達相談検査サービス「みらいらぼ」を活用し、沖縄県読谷村と共同で実証事業を進めています。

読谷村のロゴ

「みらいらぼ」とは?専門家ネットワークによるオンライン支援

「みらいらぼ」は、公認心理師、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士、理学療法士など、乳幼児の発達領域に特化した専門家ネットワークとオンライン支援を通じて、発達に不安を抱える家庭の不安を早期に受け止め、状況を整理し、適切な支援へつなぐ仕組みづくりに取り組んでいます。

みらいらぼのロゴ

実証事業の主な詳細

  • 提供開始日: 2026年6月17日

  • 実証期間: 2026年6月17日〜2027年3月31日(予定)

  • 実施主体: 沖縄県読谷村 × FUJIYAMA BRIDGE LAB株式会社(みらいらぼ)

  • 対象: 読谷村内の発達支援を必要とする対象家庭

  • 実施内容: オンラインを活用し、地域の専門人材や支援資源の制約を超えて、発達に関する相談支援やオンライン発達検査を提供します。保護者の不安を早期に受け止め、必要な支援につながる導線づくりと、自治体との情報連携の有効性を検証します。

この取り組みは、令和8年度沖縄型スタートアップ拠点化推進事業費補助金(地域課題解決型スタートアップ支援事業)を活用して実施されています。

今後の展望:全国展開を目指す「早期接続モデル」と自治体連携の強化

本実証事業では、必要な家庭が早期に支援へアクセスできる「早期接続モデル」の有効性が検証されます。さらに、独自の自治体共有システム「エムノック」を活用し、子どもの発達の情報を自治体に安全に共有することで、健診後のフォロー漏れ防止や庁内連携の円滑化にどの程度寄与するかが確認される予定です。

将来的には、読谷村で確立したモデルを基に、発達支援DXとして全国の自治体へ展開し、発達に不安を抱える家庭が「相談の入口で迷わず、待たずに、必要な支援につながる」ことが当たり前になる地域づくりを目指しています。この取り組みが、全国の障害福祉サービス向上に貢献する可能性は大きいでしょう。

FUJIYAMA BRIDGE LAB株式会社について

FUJIYAMA BRIDGE LAB株式会社は、静岡県静岡市に本社を置く企業です。新規事業開発や投資事業を通じて、社会課題の解決に取り組んでいます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77