新しい時代の認知症診療:なぜ「鑑別診断」が重要なのか?

アミロイドβ抗体薬の登場は、アルツハイマー病の治療に大きな変革をもたらしました。これまで進行を食い止めることが困難だった疾患に対し、新たな治療選択肢が生まれたことで、早期かつ正確な診断の重要性が飛躍的に高まっています。

治療薬は進歩してゆく。では、診断は?

本書では、この新しい時代に対応するための診断のポイントが示されています。

  • アルツハイマー病をどう見つけるか

  • 他の認知症とどう区別するか

  • 治療が可能な認知症を見逃さないための考え方

これらの視点は、認知症と診断された方々が適切な治療を受け、その後の生活の質を向上させるために不可欠です。障害福祉の現場においても、利用者の症状が「治せる認知症」によるものか否かを把握することは、適切な支援計画の立案やサービス提供に直結します。

『認知症の鑑別診断ガイドブック』で深める専門知識

本書は、専門家の豊富な経験と最新の知見が凝縮された、まさに実践的なガイドブックです。その内容は、診断から治療、そして多岐にわたる疾患各論まで、認知症診療のあらゆる側面を網羅しています。

認知症の鑑別診断ガイドブックの目次

認知症の診断から治療まで:網羅的なアプローチ

第1章「診断」では、認知症の一般的な診断方法から、うつ病との鑑別診断、そして認知症の原因となる疾患をどのように診断していくかについて解説されています。病歴や神経症候、精神症候、神経画像、各種検査からのアプローチが詳細に記されており、鑑別診断のプロセスを深く理解することができます。

第2章「治療総論」では、認知機能障害やBPSD(行動・心理症状)に対する具体的な対策と治療法が紹介されており、日々のケアや支援に役立つ情報が満載です。

46種の疾患各論:多岐にわたる認知症の原因を徹底解説

本書の大きな特徴は、第3章「疾患各論」でアルツハイマー病をはじめとする46種類もの認知症疾患が詳細に解説されている点です。レビー小体型認知症、パーキンソン病、前頭側頭型認知症といった主要な疾患に加え、血管性認知症、アルコール関連認知症、ビタミン欠乏症、金属中毒、さらには自己免疫性脳炎やプリオン病など、非常に広範な原因疾患が網羅されています。

この網羅性は、複雑な認知症の症状の裏に隠された、多様な原因を見つけ出す上で極めて強力なツールとなるでしょう。

認知症を取り巻く障害福祉支援の未来へ

『認知症の鑑別診断ガイドブック』は、医療現場の最前線に立つ専門家はもちろんのこと、認知症の方々を支える障害福祉サービスの提供者、そしてご家族にとっても価値のある一冊です。正確な診断は、適切な治療計画へとつながり、ひいては認知症を抱える方々の生活の質の向上に貢献します。

この書籍を通じて得られる知識は、認知症の早期発見・早期介入を促進し、「治せる認知症」の可能性を最大限に引き出すための力となるでしょう。障害福祉の現場で働く方々が、この最新の知見を学ぶことで、より質の高い支援を提供できるようになることが期待されます。

書籍情報

認知症の鑑別診断ガイドブック 表紙

書名 認知症の鑑別診断ガイドブック ―治せる認知症を見落とさないために
編集 神田 隆
発行月 2026年5月
判型 B5
頁数 272
定価 6,820円 (本体6,200円+税10%)
ISBN 978-4-260-06540-5
発行元 医学書院

詳細情報・関連リンク

書籍の詳細や本文サンプルについては、以下の医学書院ウェブサイトをご覧ください。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77