義足ユーザーの挑戦と「走る喜び」を伝えるショートムービー3本が公開!オットーボック・ジャパンとアシックスの共同制作

2026年7月17日、オットーボック・ジャパン株式会社と株式会社アシックスの共同制作によるショートムービー3本が公開されました。これらの動画は、2025年10月に東京大学駒場キャンパスで開催された「ランニングクリニック2025」の参加者に焦点を当て、義足で走る喜びや挑戦の姿をリアルに描いています。

義足ユーザー(義足を装着して生活する人々)が「一歩踏み出す瞬間」や「走る楽しさを実感する様子」を映し出したこれらの作品は、多くの人々にパラスポーツ(身体的、知的、精神的な障害を持つアスリートのために特別に調整されたスポーツ)の魅力と可能性を伝えるものとして注目されています。

ボールを使ったウォームアップ

義足ユーザーが「走る」喜びを再発見するきっかけ:ショートムービー制作の背景

今回のショートムービーは、オットーボックとアシックスが共有する「スポーツの力」への信念から生まれました。

オットーボックは、「人々が再び自立した生活を取り戻し、自由に活動が行えるようになるためのサポート」を企業理念に掲げています。一方、アシックスは「健全な身体に健全な精神があれかし(Anima Sana In Corpore Sano)」という創業哲学のもと、スポーツが心身にもたらすポジティブな影響を重視してきました。

義足ユーザーがランニングクリニック(ランニングの技術指導やサポートを行うイベント)を通じて「できない」と思っていたことができるようになる喜びは、両社の理念を体現する取り組みです。この貴重な体験をより多くの人々と共有し、義足ユーザーが抱える想いや、走ることによって生まれる前向きな変化に光を当てるために、本ショートムービーが制作されました。

パラリンピックメダリストによる熱血指導

義足ユーザーの感動的な挑戦の物語:ショートムービー3本の内容

公開されたショートムービーは全3本で構成されており、「走りたい」という強い思いを胸に挑戦する3名の義足ユーザー、関田さん、任田さん、沖田さんのそれぞれの背景と挑戦のストーリーが紹介されています。

参加者:関田さん編

19歳で心筋梗塞を経験し、血栓が原因で足を失った関田さん。学生時代はハンドボールに打ち込んでいましたが、家族ができたことで「子どもの運動会で一緒に走りたい」という新たな目標を持ち、再び走ることを決意しました。できる動作が増えていく喜びや仲間との出会いを励みに、目標に向かって挑戦を続けている姿が描かれています。

関田さんの挑戦を視聴する

参加者:任田さん編

幼少期の交通事故で義足となり、「走ってはいけない」と言われてきた任田さん。しかし、社会の理解が進む中で前向きに走る楽しさを再発見しました。風を切る感覚やアスリートと走る喜びを実感し、「気持ちよく100mを走れるようになること」を目標に挑戦。70歳になっても走り続けたいという強い思いが語られています。

任田さんの挑戦を視聴する

参加者:沖田さん編

体力づくりと「河原を走りたい」という思いでランニングクリニックに参加した沖田さん。普段しない動きへの不安や転倒への心配を抱えながらも挑戦を続けました。「足を切断するとできないことばかりに目が向きがちですが、できることもある」という気づきを得て、前向きに走り出す姿が描かれています。

沖田さんの挑戦を視聴する

講師:ハインリッヒ ポポフ、山本篤氏、兎澤朋美選手

義足ユーザーの「走りたい理由」に焦点を当てる:関係者のコメント

オットーボック・ジャパン マーケティング部の吉田 茜氏は、「今回の動画は、参加者の“走りたい理由”と、その一歩を踏み出す勇気に焦点を当てています。多くの方に義足で走る魅力と可能性が届くことを願っています」とコメントしています。

アシックス パラスポーツ企画部の浅田 育子氏も、「走ることへのチャレンジを通した、心のポジティブな変化を伝えたいと思いました。障がいの有無に関わらず、“スポーツの力は、すべての人が感じられる”ということを多くの方に知ってもらえると嬉しいです」と、スポーツの持つ普遍的な力を強調しています。

動画公開情報とランニングクリニック2025の概要

動画公開情報

  • 公開日: 2026年7月17日

  • 公開先: オットーボック・ジャパン公式YouTubeチャンネル

  • 撮影場所: 東京大学駒場キャンパス(ランニングクリニック2025期間中)

ランニングクリニック2025開催概要

  • 開催日: 2025年10月24日(金)~26日(日)

  • 開催場所: 東京大学駒場キャンパス

  • 参加者: 下肢切断者9名 / 来場者・見学者:約70名

  • 講師: ハインリッヒ ポポフ、山本篤氏、兎澤朋美選手

  • 主催: オットーボック・ジャパン株式会社

  • 協賛: 株式会社アシックス

  • 後援: 東京大学スポーツ先端科学連携研究機構、一般社団法人日本パラ陸上競技連盟、公益財団法人日本財団パラスポーツサポートセンター

参加者集合写真

社会におけるインクルーシブスポーツの普及に貢献

このランニングクリニックは、公益財団法人日本財団HEROs AWARD 2024企業部門を受賞した取り組みでもあり、社会におけるインクルーシブスポーツ(障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に参加できるスポーツ)の普及に大きく寄与しています。

HEROs AWARD 2024について詳しく見る

オットーボックは今後も、「誰もが歩く・走る喜びを感じられる社会」の実現を目指し、全国で活動を展開していくとのことです。

オットーボックについて

オットーボックは、1919年にドイツで創業された義肢、装具、車いすのリーディングサプライヤーです。疾病や怪我などにより動きを制限された人々がモビリティを取り戻したり、維持したりできるよう、最新技術とリハビリテーションを組み合わせたモビリティソリューションを提供しています。

グローバルネットワークを通して全世界に製品、技術、サービスを供給しており、スポーツラインナップには走行用板バネ、スポーツ用膝継手、ラグビーやバスケットボール用車いすなどがあり、障害のある人々が陸上競技や球技を楽しむことを可能にしています。

1988年ソウル大会以降30年以上にわたりパラリンピック競技大会にて修理サービスを提供し続けており、2005年からはパラリンピックのワールドワイドパートナーとして、パラリンピックムーブメントを支援しています。2012年からは、パラリンピックの金メダリスト、ハインリッヒ ポポフ氏指導のもと、世界各国で下肢切断者を対象としたランニングクリニックを開催し、パラリンピックに出場する選手も輩出しています。

オットーボック・ジャパン株式会社について

オットーボック・ジャパン株式会社は、1999年にオットーボック社の日本法人として設立されました。設立以来、最先端の福祉機器の普及に向けて様々な取り組みを行っています。

まとめ

オットーボック・ジャパンとアシックスが共同制作したショートムービーは、義足ユーザーの「走りたい」という純粋な願いと、それを実現するための努力、そして得られる大きな喜びを鮮やかに描き出しています。これらの動画は、障害の有無にかかわらず、スポーツが持つ力、挑戦することの尊さ、そして目標に向かって一歩踏み出す勇気を、私たちに教えてくれるでしょう。ぜひ動画を視聴し、彼らの感動的なストーリーからインスピレーションを受け取ってください。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77