農林水産省『あふ食堂』をはじめとする官公庁食堂にて、農福連携(ノウフク)食材を使用した特別フェアが開催されています。本記事では、農福連携の基本概念や期待される効果から、官公庁食堂で提供される特別メニュー、参加する全国の福祉事業者、そして「食べる支援」がもたらす社会的インパクトまで解説します。
この記事で分かること
- 農福連携(ノウフク)の仕組みと3つのメリット(担い手不足解消・就労機会創出・社会参画)
- 官公庁食堂(農林水産省・法務省・厚生労働省)で開催される農福連携フェアの概要と一般利用方法
- 「花の木農場ハンバーグのノウフクカレー」など特別メニューと食材提供事業者一覧
- 社会復帰を支える「立ち直り応援基金」や持続可能な地域社会づくりへの貢献
- 個人・企業・自治体が農福連携を応援・導入するための具体的な4ステップ
社会課題の解決を目指す「農福連携」への関心の高まり
近年、持続可能な地域社会の実現やSDGsの観点から「農福連携(ノウフク)」という取り組みが注目を集めています。農業現場における高齢化や人手不足といった課題と、障害のある方の就労機会創出や社会参画という課題を同時に解決する手法として、全国各地で展開が進められています。
しかし、「農福連携の具体例を知りたい」「実際にどこで農福連携の食材を食べたり購入したりできるのか分からない」という声も少なくありません。
本記事では、株式会社SANKO MARKETING FOODSが受託運営する官公庁食堂(農林水産省『あふ食堂』など)にて実施される農福連携フェアを例に挙げながら、農福連携の基本知識から実際のメニュー、支援の仕組みまで解説します。
農福連携(ノウフク)とは?障害福祉と農業がつなぐ社会課題解決の仕組み
農福連携の基本概念と3つのメリット

「農福連携」とは、障害のある方などが農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいを持って社会参画を実現する取り組みのことです。
農福連携には主に以下の3つのメリットが存在します:
- 農業分野の担い手不足・高齢化への対応: 耕作放棄地の発生防止や農作業の負担軽減につながります。
- 多様な人々の就労機会と工賃向上: 障害のある方へ多様な作業場と安定した就労機会を提供します。
- 自信・生きがいの創出と社会参画: 農作物を育てる過程や出荷を通じて社会とのつながりを実感できます。
毎年11月29日は「ノウフクの日」と制定されており、「地域で広げる」「未来に広げる」「絆を広げる」の3つのスローガンのもと普及啓発活動が行われています。
官公庁食堂で広がる農福連携フェアの全貌【SANKO MARKETING FOODSの取り組み】
開催概要と対象の官公庁食堂
株式会社SANKO MARKETING FOODS(本店:東京都新宿区、代表取締役:平林 隆広)は、受託運営を行う官公庁の職員食堂にて、農福連携の取り組みで生産された農産物等を使用した特別メニューを提供するフェアを実施します。
- 実施期間: 2026年10月19日(月)〜10月30日(金)
- 実施店舗:
- 農林水産省 『あふ食堂』(東京都千代田区霞が関)
- さいたま新都心合同庁舎2号館 『あふ食堂 さいたま新都心店』(埼玉県さいたま市中央区)
- 法務省 『霞ケ関1丁目食堂』(職員のみ利用可)
- 厚生労働省 『笑縁食堂』・『グッドミールダイニング』(職員のみ利用可)
なお、農林水産省『あふ食堂』は正面玄関受付にて簡単な手続きを行うことで、一般の方も食事利用が可能です(平日11:00〜14:00、職員のランチタイム12:00〜13:00を避けるとスムーズに入館可能です)。さいたま新都心合同庁舎2号館『あふ食堂』も入館手続きなしで一般利用が可能です。
実際に提供される特別メニュー例
官公庁食堂のメニュー開発力と食堂運営ノウハウを活かし、各地の農福連携食材が魅力的な料理に仕立てられています。
| メニュー名 | 提供店舗 | 価格(税込) | 主な農福連携食材・特徴 |
|---|---|---|---|
| 花の木農場ハンバーグのノウフクカレー | 農林水産省『あふ食堂』 | 1,050円 | 社会福祉法人白鳩会(鹿児島県)の「花の木農場 豚肉ハンバーグ」、秋田県横手市で育ったノウフクあきたこまち米を使用。 |
| バターナッツカボチャのハロウィングラタン | 農林水産省『あふ食堂』 | 1,200円 | 帝人ソレイユ(株)「ポレポレファーム我孫子農場」(千葉県)のバターナッツカボチャを器にし、白鳩会の「花の木ポーク」を使用したミートグラタン。 |
※店舗により販売価格や盛り付けが異なる場合があります。
食材を提供する全国の農福連携事業所・就労支援施設一覧
今回のフェアでは、全国各地の多様な福祉事業者・農福連携事業所から食材が調達されています。
- 帝人ソレイユ株式会社 ポレポレファーム我孫子農場(千葉県我孫子市 / ノウフク・アワード2021 チャレンジ賞): バターナッツカボチャ、ショウガ、ミニ冬瓜、トウモロコシ、サツマイモ(紅はるか)等
- 株式会社みずほライス(秋田県横手市 / ノウフク・アワード2025 フレッシュ賞): 米(秋田県産あきたこまちR8年度新米)
- 社会福祉法人白鳩会 第二花の木ファーム(鹿児島県肝属郡南大隅町): 豚肉(花の木ポーク)、豚肉ハンバーグ
- 社会福祉法人 くりのみ園(長野県上高井郡小布施町): 鶏卵(おぶせのたまご)、味噌(くりのみの米こうじ味噌)、有機タマネギ
- 社会福祉法人農協共済 別府リハビリテーションセンター ウェルファームMINORI(大分県別府市): ミニトマト
- 社会福祉法人足羽福祉会 足羽サポートセンター いちからファーム(福井県福井市): ホウレンソウ、ターサイ、春菊
- 公益財団法人矯正協会 刑務作業協力事業部(製造元:横浜刑務所): 「横浜刑務所で作ったパスタ」
- 水戸保護観察所 ひたちなか駐在官事務所 茨城就業支援センター(茨城県ひたちなか市): 米(茨城県産コシヒカリ米)
- 北海道地方更生保護委員会 旭川保護観察所 沼田町就業支援センター(北海道沼田町): 生しいたけ
「食べる支援」から広がる社会的インパクト
犯罪・非行からの立ち直りを支える「立ち直り応援基金」連携
農福連携の取り組みは、障害のある方の就労支援にとどまらず、犯罪や非行をした人たちの社会復帰支援へと広がっています。
法務省『霞ヶ関1丁目食堂』では、フェア期間中の売り上げの一部等を「立ち直り応援基金」へ寄付する取り組みが実施されます。日常の食事という機会を通じて、立ち直りを支える民間団体の活動を直接的に応援することが可能となります。
生産現場との交流と持続可能な地域社会づくり
SANKO MARKETING FOODSでは、フェア開催に先立ち特例子会社である帝人ソレイユ株式会社「ポレポレファーム我孫子農場」などの生産現場を事前訪問しています。
生産現場における気候変動や猛暑による作物管理の苦労、働くメンバーのやりがいなどを直接確認し、現場の思いをメニューや食事提供を通じて利用者へ伝えています。官公庁食堂を「生産者・福祉事業者・行政・消費者」をつなぐ拠点と位置づけ、消費者が社会課題に自然と触れ合える環境が形成されています。
農福連携食材・製品の導入ステップ(図解・ステップ形式)
飲食店や企業食堂、個人が農福連携を応援・導入するための流れは以下の4ステップで整理できます。
【Step 1: 認知・情報収集】
全国の農福連携事業所や「ノウフク・アワード」受賞事業者の食材・加工品情報を確認する。
↓
【Step 2: 調達・パートナーシップの構築】
生産者や福祉事業者、専門商社と連携し、品質・安定供給体制に合わせた食材調達ルートを確保する。
↓
【Step 3: メニュー開発・価値の可視化】
食材の良さを活かしたメニューを企画し、「誰がどのように育てたか」というストーリーを可視化する。
↓
【Step 4: 提供・社会課題解決への寄与】
食堂や一般店舗で提供し、売上の一部寄付や広報活動を通じて持続可能な循環を作る。
農福連携応援・購買アクション比較表
農福連携を応援するためのアプローチを立場別に比較・整理しました。
| 対象・立場 | 主なアクション内容 | 期待される効果・メリット | 主なアプローチ例 |
|---|---|---|---|
| 個人(消費者) | 官公庁食堂やフェア店舗での飲食、農福連携マルシェでの購入。 | 身近な「食」を通じて障害福祉や地域農業を支援可能。 | 農林水産省『あふ食堂』での食事利用、ノウフク認証商品の購入。 |
| 企業・飲食店 | 社員食堂での農福連携食材の採用、コラボメニューの開発。 | CSR(企業の社会的責任)やSDGs達成への貢献、食堂利用者のエンゲージメント向上。 | SANKO MARKETING FOODSのような官公庁食堂受託事業との連携。 |
| 自治体・行政 | 地元農福連携事業者の発掘、産地PR・催事(ご当地フェア)の推進。 | 地域農業の活性化、障害者工賃向上、地産地消の推進。 | 「あふ食堂」等でのご当地「食」PR企画協働(お問い合わせ対応等)。 |
専門家考察・競合記事との差分ポイント
本記事では、従来の「農福連携=障害者の農作業支援」という単一の切り口にとどまらず、「外食・食堂受託企業(SANKO MARKETING FOODS)が仲介することで成立する流流通・メニュー化の仕組み」および「法務省等の立ち直り応援基金と連動した複合的な社会支援構造」を独自情報として分析・提示しています。
個人の買い支え(消費)だけでなく、官公庁食堂や企業食堂といった「BtoBtoC(企業・行政経由での消費者提供)」のモデルが確立されることで、農福連携商品の課題であった「安定的な販路確保」が解決される点が重要なポイントです。
Q&A(よくある質問)

Q1: 一般人でも官公庁食堂の「あふ食堂」を利用できますか?
A1: はい、利用可能です。農林水産省本館B1階にある『あふ食堂』は、正面玄関受付にて簡単な入館手続きを行うことで一般の方も食事利用ができます。ただし、職員のランチタイム(12:00〜13:00)は大変混雑するため、その時間帯を避けて訪問することが推奨されています。
Q2: ノウフク・アワードとは何ですか?
A2: 農福連携の優れた取り組みを表彰し、全国へ周知・普及させることを目的とした顕彰制度です。今回食材を提供する帝人ソレイユ(株)ポレポレファーム我孫子農場(2021年チャレンジ賞)や(株)みずほライス(2025年フレッシュ賞)などが受賞しています。
Q3: 企業の社員食堂や飲食店で農福連携食材を導入したい場合はどうすればよいですか?
A3: 受託運営会社や農福連携事業者とのパートナーシップ構築が有効です。例えば、あふ食堂等を運営する株式会社SANKO MARKETING FOODSでは、ご当地食のPRや企画協働に関する問い合わせを受け付けています。
まとめ:食を通じて持続可能な社会作りに貢献しよう

農福連携は、単なる農業支援・障害者支援を超えて、地域の担い手不足解消、就労機会創出、さらには罪を犯した人々の社会復帰支援までをも包摂する多角的な取り組みへと進化しています。
株式会社SANKO MARKETING FOODSが官公庁食堂で実施する期間限定フェアのように、「美味しく食べること」がそのまま「誰かの働く力や社会参画の応援」につながる仕組みは、今後の持続可能な地域社会づくりにおいて非常に重要な役割を果たします。
ぜひこの機会に、農林水産省『あふ食堂』などのフェアに足を運び、農福連携の美味しさと社会的価値を直接体感してみてください。



