障がい児・者の「親亡き後」を見据えた新たな挑戦:複合拠点プロジェクト始動

多くの障がいを持つ方とそのご家族にとって、「親亡き後」の生活は大きな懸念事項です。現在の障がい者の経済状況は、障害年金に加え、就労支援事業所などで得られる工賃が月2〜3万円程度にとどまることが多く、経済的な自立には課題が残されています。NPO法人しえるの会には、このような「親亡き後、子どもがどう生きていくのか」という切実な相談が年々増加しているといいます。

障がい者の経済的自立と地域社会の課題

宗像市をはじめとする地域社会では、障がい者の経済的自立の課題に加え、不登校・ひきこもり傾向の若者の居場所不足、孤食の子どもたちへの支援の必要性など、子どもを取り巻く様々な課題が顕在化しています。

NPO法人しえるの会は、これらの課題を個別に解決するのではなく、一つの拠点で複合的に支援することで、持続可能な地域共生モデルを構築できると考え、今回の新拠点建設に至りました。

クラウドファンディング告知画像

4つの機能で地域共生モデルを構築する新拠点「チャレンジドアートのアトリエ&こども食堂」

2026年10月のオープンを目指す新拠点は、以下の4つの機能を兼ね備えています。

「描く力」を収入へ:チャレンジドアートアトリエ

障がいのある方が描いた絵をグッズ化・商品化し、その売上を本人に還元する仕組みです。「描く力」を経済的収入につなげ、障がい者の経済的自立を支援します。

温かい食事と居場所を提供:こども食堂

経済的に厳しい家庭の子どもや、一人で食事をする「孤食」の子どもたちに、温かい食事と安心して過ごせる居場所を提供します。同時に学習支援も行い、子どもの健全な成長をサポートします。

安心して過ごせる場所:不登校・ひきこもり支援スペース

学校に通えない子どもや、社会との交流を避ける「ひきこもり」傾向の若者が、安心して過ごせる場を提供します。孤立を防ぎ、社会とのつながりを育むための支援を行います。

福祉サービスへの架け橋:相談支援事業所

「相談支援センターこころ」として、障がい児・者が必要な障害福祉サービスを受けられるよう、計画相談事業を行います。適切なサービスへの橋渡し役を担います。

NPO法人しえるの会の活動風景

新拠点の外観イメージ

これまでの実績と未来への展望

NPO法人しえるの会は、これまでに障がい児・者支援と地域共生のための様々な活動を展開してきました。

障がい児・者支援の実績

2024年度から2025年度にかけて、4人のチャレンジドアーティストが誕生し、アート作品の売上として合計22万円が本人に還元されました。また、「むなかた福祉マルシェ」では毎回1,300名以上の来場者を集め、地域住民との交流を深めています。

その他にも、「相談支援センターこころ」の運営、発達障がいに関する講演会の開催(年3〜4回)、親子農園作業やワークショップ、保護者支援のための茶話会など、多岐にわたる活動を行っています。

既存活動の延長線上に安定拠点を

これらの既存活動の延長線上に、安定的な活動拠点を持つことで、チャレンジドアーティストの育成や地域共生の取り組みをさらに発展させ、次のフェーズへと進めていく考えです。

クラウドファンディングで支援を募集中:リターンも充実

新拠点開設に向けたクラウドファンディングは、2026年6月14日(土)から7月31日(木)まで実施されます。目標金額は300万円で、CAMPFIREにて支援を募集中です。

支援を通して「チャレンジド・アート」に触れる

支援者には、チャレンジド・アーティストの作品をデザインしたオリジナルクリアファイルやエコバッグ、トートバッグワークショップへの参加、原画複製パネルなど、多様なリターンが用意されています。支援を通じて、NPO法人しえるの会の活動やチャレンジド・アートの世界に触れる機会が得られます。

クラウドファンディングの詳細はこちら:

理事長メッセージ:子どもたちの未来のために

NPO法人しえるの会 理事長の早川ゆかり氏は、「私たちは『子どもたちの未来のためにできることを』という想いで活動を続けてきました。障がいがあっても『描く力』があれば収入を得られる。そして、こどもたちには『ここに来れば誰かが待っていてくれる』場所が必要です。新しい拠点は、その両方をかなえる場所にしたいと考えています。ぜひ皆さまの応援をお願いいたします。」とコメントしています。

プロジェクト概要とNPO法人しえるの会について

プロジェクト詳細

項目 内容
プロジェクト名 【福岡】チャレンジド・アートのアトリエ&こども食堂を建設したい
実行者 NPO法人しえるの会(理事長:早川ゆかり)
目標金額 3,000,000円(All-or-Nothing方式)
期間 2026年6月14日(日)〜7月31日(木)
拠点オープン予定 2026年10月

※「All-or-Nothing方式」とは、目標金額に達成した場合のみ資金が実行者に渡され、未達成の場合は支援者に返金されるクラウドファンディングの方式です。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77