2026年10月1日に開所された「エラビバ就労移行 新宿御苑センター」のプレスリリースを基に、障害福祉サービス「就労移行支援」の仕組みや法定雇用率2.7%への引き上げに伴う課題を解説します。サテライトオフィス連携やIPS手法による職場定着の工夫、受給者証などの専門用語解説、利用の流れまで網羅した解説記事です。


📌 この記事で分かること

  1. 就労移行支援の基礎知識(対象年齢・費用・原則2年間の利用ルール・受給者証などの専門用語)
  2. 2026年の障害者法定雇用率2.7%引き上げと「職場定着」における課題
  3. 「エラビバ就労移行 新宿御苑センター」の支援体制(サテライトオフィス連携・IPS手法・就職率92%・定着率95%等の公表データ)
  4. 障害者手帳がない場合の利用条件や相談・見学・体験利用の手順
  5. 就労移行支援に関するよくある質問(Q&A)

近年、障害福祉分野への関心が高まる中で、障害のある方の就職や社会参加を支える制度やサービスへの注目が集まっています。特に、自分に合った職場で長く働き続けるための「就労移行支援」は、利用者やその家族、企業の雇用担当者にとって重要なテーマとなっています。

本記事では、2026年10月1日に株式会社HANDICAP CLOUDが東京都新宿区に開所した就労移行支援事業所「エラビバ就労移行 新宿御苑センター」の事例を題材に、就労移行支援の基本的な仕組みから専門用語の解説、長く働くための「職場定着」に向けた支援のポイントまで、第三者目線で分かりやすく解説します。


障害福祉と就労移行支援の基本構造|制度の仕組みと専門用語を解説

障害福祉の領域にはさまざまな支援制度が存在します。まずは、就労を目指す方が利用する「就労移行支援」の基本的な仕組みと関連する専門用語について解説します。

就労移行支援(障害福祉サービス)とは?利用対象と費用の仕組み

就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つです。一般企業等への就職を希望する18歳以上64歳以下の障害のある方を対象に、働くために必要な知識や能力の向上に向けた訓練、相談、職場体験などの機会を提供しています。

  • 利用期間:原則として通算2年間です。
  • 利用料金:前年の世帯所得に応じて自己負担上限額が決定されます。事業所によっては独自の支援策を実施している場合もあり、例えば「エラビバ就労移行」を運営する企業では、約9割の利用者が自己負担なし(0円)で利用されていると公表されています。

💡 知っておきたい専門用語解説①

  • 受給者証(障害福祉サービス受給者証)
    自治体(市区町村)から発行される福祉サービス利用のための証明書です。障害者手帳とは異なり、福祉サービスを利用する権利や受給限度額などが記載されています。
  • 障害者総合支援法
    正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」です。障害のある方が基本的人権を享受する個人としての尊厳にふさわしい日常生活・社会生活を営めるよう、必要な給付や支援を定めています。

2026年の障害者法定雇用率2.7%引き上げと「職場定着」の課題

2026年7月、民間企業における障害者法定雇用率は2.5%から2.7%に引き上げられました。これにより、多くの企業で障害者採用のニーズが高まっています。

しかし、採用数が拡大する一方で、就職後に職場へ馴染めず早期離職してしまう「職場定着」の難しさが依然として課題となっています。就労移行支援の利用期間は原則通算2年間と定められているため、就職後に退職してしまった場合、再利用が容易ではないケースも存在します。そのため、単に「就職すること(内定を得ること)」をゴールにするのではなく、「自分に合う環境で長く働き続けること」を視野に入れた支援の重要性が増しています。


💡 知っておきたい専門用語解説②

  • 法定雇用率
    「障害者雇用促進法」に基づき、一定規模以上の事業者に対して課される、全従業員に対する障害者の常用雇用割合の基準です。
  • 合理的配慮
    障害のある方が職場で障害のない人と同等の機会を確保できるよう、事業主が個々の特性や状態に応じて行う環境調整や配慮のことです(例:業務手順の視覚化、勤務時間の調整、休憩スペースの確保など)。

「エラビバ就労移行 新宿御苑センター」の特徴と支援スタイルの強み

2026年10月1日に開所した「エラビバ就労移行 新宿御苑センター」は、神奈川県(横浜)、大阪府(大阪)、東京都(西新宿)に続く同ブランド4拠点目(都内2拠点目)の事業所です。アクセスの面では、東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」に加え、「新宿三丁目駅」も徒歩圏内となっており、都内各地からの通いやすさに配慮された立地にあります。

同センターで実施されている支援スタイルには、従来の就労支援における課題に対応するためのいくつかの特徴があります。


特徴1:障害者専用サテライトオフィスとの連携による職場実習

運営母体である株式会社HANDICAP CLOUDでは、障害者向けサテライトオフィス「エラビバ サテライトオフィス」を運営しています。就労移行支援事業所とこのサテライトオフィスが連携することで、利用者は入社前に実際の職場環境や業務内容を体験・確認する実習機会を得られます。

入社前に実際の業務環境を経験しておくことで、就職後の「イメージとのギャップ」を軽減しやすくなります。また、就職後も障害者雇用に精通したスタッフが本人と企業の間に入り、合理的配慮の調整やコミュニケーションの橋渡しを行うサポート体制が整えられています。


💡 知っておきたい専門用語解説③

  • サテライトオフィス型障害者雇用
    企業の本社とは別の場所に設置された専用オフィスにて、障害のあるスタッフが勤務する雇用形態です。専門スタッフが常駐する環境で業務を行うため、体調面や精神面でのサポートを受けやすい環境が特徴です。

特徴2:実践的な段階的カリキュラムとIPS(個別就労支援)の考え方

事業所では、企業の業務切り出し支援で培われた知見を生かし、就職後に実際に求められる実務を想定した訓練カリキュラムが構築されています。

  • 段階的なステップアップ:体調管理 → ビジネススキル → PCスキル・資格取得 → 自己理解 → 模擬就労・職場実習
  • IPS(個別就労支援)アプローチの導入:長期間の事前訓練よりも「働きたい」という本人の希望や適性を優先し、早い段階からの就職活動と就職後の伴走支援を重視する考え方です。

公表されているデータによると、同支援スタイルの実績として就職率92%、定着率95%、平均利用期間5ヶ月という数値が報告されています。


特徴3:多職種有資格スタッフと通所支援制度

安心して訓練を継続できるよう、専門的な知見を持つスタッフが配置されています。

  • 在籍スタッフの資格例:社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、キャリアコンサルタント、ジョブコーチ、看護師など
  • 通所中の支援策:交通費支援、昼食補助、資格取得支援、生産活動の提供など、通所にかかる経済的な負担感を軽減する取組が行われています。

相談から利用開始までの流れと対象者の条件

就労移行支援の利用を検討する際、「手帳を持っていないと申し込めないのか」「どのような手順で始めればよいのか」といった不安を持つ方も少なくありません。

障害者手帳がない場合の利用可能性

就労移行支援は、必ずしも障害者手帳の所持が必須条件とはされていません。手帳をお持ちでない場合であっても、自治体や主治医による医師の診断書や意見書が用意できれば、自治体の判断により福祉サービス受給者証が交付され、利用可能となるケースがあります。

利用開始までのステップ

  1. 問い合わせ・見学申込み
    電話(03-4400-4100 / 受付時間 9:00〜18:00)やウェブサイトの専用フォームから見学や無料相談を申込みます。
  2. 事業所見学・体験利用
    実際の雰囲気やプログラム内容を体験し、自分に合いそうかを確認します。
  3. 受給者証の申請
    お住まいの市区町村の障害福祉課窓口等へサービス利用の申請を行います(申請手続きの進め方について相談・サポートを受けることも可能です)。
  4. 利用契約・訓練開始
    受給者証が交付された後、正式な利用契約を結び、個別の支援計画に沿って訓練を開始します。

株式会社HANDICAP CLOUDサービス

<障害者雇用バンク>

日本最大級の“障害者向け総合求人サイト“

個々の障害や希望に応じた就職活動の情報を提供することにより、自分に合った仕事探しがスマートフォン1つで可能に。障害をお持ちの方のより良い就職活動のサポートをします。

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障害内容や特性を熟知した社会福祉士、精神保健福祉士が常駐。さらに医療従事者によるカウンセリングの実施など、あらゆる障害種別の方でも安心・快適に勤務できる環境を整えています。

・エラビバ サテライトオフィス お問い合わせ
https://syogai-koyo-bank.com/lp/company-3/

<エラビバ 就労移行>

就労に必要な知識・能力向上に向けて訓練・相談等の支援を行う”障害福祉サービス就労支援事業所”

生産活動や職場体験などの機会提供を通じ、就労に必要な知識・能力向上に向けて訓練・相談等の支援サポートをします。就職をゴールにせず、その先の職場定着までを目的とし、エラビバサテライトオフィスと連携した中長期の直接支援を実現します。

・エラビバ 就労移行 お問い合わせ
https://syuroiko.eraviva.jp/

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https://syogai-koyo-bank.com/lp/company-2/#demand

よくある質問(Q&A)

Q1. 就労移行支援は誰でも無料で利用できますか?

A. 利用料金は前年の世帯所得(本人と配偶者の合計所得)に応じて自治体が決定します。収入に応じた自己負担上限額が設けられていますが、「エラビバ就労移行」を運営する企業の実績値としては、利用者の約9割が自己負担なし(0円)で利用されていると案内されています。

Q2. 障害者手帳を持っていなくても相談や見学はできますか?

A. はい、可能です。手帳の有無にかかわらず、見学や無料相談、体験利用が受け付けられています。また、医師の診断書や意見書により受給者証が発行されれば、手帳がなくても利用できる場合があります。

Q3. どのような専門資格を持ったスタッフが支援してくれますか?

A. 「エラビバ就労移行 新宿御苑センター」等の事業所には、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、キャリアコンサルタント、ジョブコーチ、看護師などの有資格者が在籍し、専門的な視点から訓練や定着をサポートしています。

Q4. 就職までにどのくらいの期間がかかりますか?

A. 制度上の利用上限は原則2年間(24ヶ月)ですが、進捗や個人の状況によって異なります。同支援機関が公表しているデータでは、平均利用期間は5ヶ月となっており、早期の職場復帰や就職を目指すIPS手法を取り入れた支援が行われています。


まとめ|障害福祉の知見を深め、自分に合った働き方・支援を見つけよう

2026年7月の法定雇用率2.7%への引き上げに象徴されるように、障害のある方が企業で活躍する機会は着実に広がっています。一方で、就職後のミスマッチを防ぎ、自分に合った環境で「長く働き続けること(職場定着)」がこれからの障害福祉においてより重要視されています。

今回ご紹介した「エラビバ就労移行 新宿御苑センター」のように、サテライトオフィスとの連携や実践的なカリキュラム、有資格スタッフによる伴走体制を備えた就労支援事業所を活用することは、就職活動における有効な選択肢の一つとなります。

就労移行支援事業所では随時、見学や体験利用、無料相談が実施されています。自分に合う働き方や環境を探している方やご家族の方は、まずは専門の相談窓口へ問い合わせてみてはいかがでしょうか。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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