障害福祉を支えるリハビリ専門職の新たな挑戦:『セラピストナビ』とは?

超高齢社会の日本において、住み慣れた地域で自分らしい生活を送るための「地域包括ケアシステム」の重要性が高まっています。この中で、身体機能の維持・回復を担う理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といったリハビリテーション専門職の役割は、障害福祉の観点からも非常に重要です。しかし、専門職が持つ高度な知識や技術、そして日々の研鑽によって培われた「臨床の事実」が、これまでは法律の壁によって地域社会に十分に伝わらないという課題がありました。

2026年4月1日、株式会社ORTIAは、この課題を解決するため、地域医療支援プラットフォーム『セラピストナビ』を正式にリリースしました。このプラットフォームは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が保有する専門資格や得意分野を、医療広告ガイドラインに完全準拠した形で可視化・検索できる業界初のサービス(株式会社ORTIAの調査による)です。障害を持つ方々やそのご家族が、本当に必要としている専門性を持ったセラピストに出会える機会を創出し、地域社会全体のリハビリテーション支援を強化することを目指しています。

セラピストナビのロゴ

医療広告ガイドラインの壁を乗り越え、リハビリ専門職の専門性を可視化する

多くのリハビリ専門職は、休日の勉強会や高額な専門研修に自費で参加し、自己研鑽に励んでいます。しかし、彼らが直面する大きな壁が「医療広告ガイドライン」の厳格な規制です。現在の法律では、集客を目的としたウェブサイトやSNS等において、国が明確に「広告可能事項」として認めているのは、厚生労働大臣に届け出がなされた団体の認定資格のみです。残念ながら、理学療法士等に関する認定資格でこれに該当するものは一つもありません。

このため、たとえ「〇〇学会認定 〇〇認定理学療法士」のような専門資格を取得しても、施設がそれを「当院の強み」として公式に発信することは、法違反となるリスクが極めて高いのが実情です。この状況は、以下のような現場での弊害を生み出していました。

  • 情報発信の萎縮:真面目にコンプライアンスを守ろうとする施設ほど、ペナルティを恐れて専門性を発信できず、地域の患者様やケアマネジャーに実態が伝わらない。
  • リハビリ支援のミスマッチ:急性期病院が患者様の退院先を探す際、近隣施設の「リハビリの専門性」が見えず、最適な逆紹介先を見つけるのに多大な労力がかかる。
  • セラピストのモチベーション低下と離職:努力して専門性を高めても、組織の看板として正当に評価・発信されないことでモチベーションが低下し、優秀な人材の離職に繋がる。

株式会社ORTIAの代表である溝口氏も、現役の理学療法士としてこの「法律の壁によるジレンマ」を痛感してきたとのことです。努力するセラピストが報われ、患者様が最適なリハビリに出会える社会を作るため、「法律を遵守しながら専門性を見える化できる、全く新しい仕組み」として『セラピストナビ』の開発に至りました。

セラピストのプロフィール例

安心・安全な情報連携を実現する2つの独自技術

『セラピストナビ』は、単なる施設検索サイトではありません。「医療法務の遵守」と「組織ガバナンスの保護」をシステムエンジニアリングで解決した点に、その最大の特長があります。

資格・免許の一覧

医療広告ガイドライン「限定解除」要件のシステム化

原則として広告が禁止されている事項であっても、費用、リスク、問い合わせ先の明示など、一定の要件(限定解除要件)を満たすことで、適切な情報提供が可能となります。『セラピストナビ』は、この複雑な要件をプラットフォームのUI/UXに組み込んでいます。これにより、施設やセラピストが案内に従って入力するだけで、自動的に法的にクリーンな情報ページが生成される設計となっています。

【特許出願中】プライバシーと組織ガバナンスを守る「連絡先自動切替システム」

ガイドラインの限定解除要件を満たすためには「容易に照会ができる問い合わせ先の明示」が必須です。しかし、病院や施設に所属するスタッフ個人の連絡先をウェブ上に公開することは、プライバシーの観点や組織ガバナンスの逸脱を招く恐れがあり、大きなハードルでした。

この課題を解決するため、株式会社ORTIAは「セラピストの登録形態(施設登録か、個人登録か)に応じて、表示される連絡先を強制的に切り替えるシステム」を開発し、現在特許を出願中です。

  • 施設登録のセラピスト:問い合わせ先として、必ず「所属施設の代表連絡先(または指定窓口)」が強制表示されます。これにより、スタッフ個人のプライバシーが完全に守られると同時に、外部からの連絡はすべて施設の管理下に入るため、大病院でも安心してスタッフを登録させることができます。
  • 個人登録(自費リハビリ等)のセラピスト:個人事業主として活動するセラピストの場合は、個人のビジネス用連絡先が表示され、ダイレクトな集客・連携が可能です。

この特許出願中の独自機能により、保守的な医療機関の「労務・ガバナンス上の懸念」を払拭し、業界全体での安全な情報連携を可能にしました。

『セラピストナビ』がもたらす障害福祉・地域医療への貢献

『セラピストナビ』は、地域医療のエコシステムを構成するすべてのステークホルダーに強力なメリットを提供し、障害福祉の向上にも寄与します。

大病院・地域医療支援病院:最適なリハビリ支援ネットワークの構築

地域医療連携室のソーシャルワーカーや退院支援看護師は、『セラピストナビ』を通じて近隣の訪問看護ステーションやクリニックに所属するセラピストの「専門分野」を詳細かつ適法に検索できます。例えば「歩行・移動の練習・介助指導に強い訪問看護ステーション」や「飲み込みの練習・トレーニングに対応できるクリニック」などをピンポイントで探し出すことができ、患者様の実際の生活課題に合わせた最適な逆紹介先の選定が劇的にスムーズになります。

ユーザーの検索画面

検索結果一覧画面

訪問看護・クリニック等:法務リスクなく専門性をアピール

地域の事業所は、これまで自社サイトでは表現しきれなかったスタッフの学会認定資格や、自費リハビリ(自由診療)のメニューなどを、ガイドライン違反の恐怖に怯えることなく堂々と公開できます。ケアマネジャーや病院からの信頼を獲得し、事業所の「選ばれる理由」を創出します。

セラピスト詳細画面

専門分野選択画面

経営者・人事担当者:採用力強化と人材定着

スタッフの自己研鑽を「法的にクリーンな形で施設全体の強みとして社会に発信する」という姿勢は、スタッフに対する最高の評価となります。承認欲求を満たしモチベーションを向上させることで離職を防ぐとともに、「専門性を大切にしてくれる施設」として、成長意欲の高い優秀な人材の採用において圧倒的なブランディング効果を発揮します。

患者様・ご家族:本当に必要な専門家との出会い

「自分(家族)の病気や症状に、詳しいセラピストに診てもらいたい」という患者様の切実な願いに対し、正確で信頼できる情報を提供します。障害を持つ方々が、自身の症状やニーズに合った専門的なリハビリテーションを受けられるよう、情報格差の解消に貢献します。

株式会社ORTIA代表からのメッセージ:地域社会の共通資産へ

株式会社ORTIA代表取締役の溝口氏からは、次のようなメッセージが寄せられています。

「私自身、理学療法士として長年臨床現場に立ち、数多くの患者様のリハビリテーションに関わってまいりました。その中で、休日を返上して技術を磨き続ける素晴らしいセラピストたちを数え切れないほど見てきました。しかし、その情熱と努力の結晶が、法律の壁によって地域社会に正しく認知されていない現状に、強い課題感を感じていました。」

「2026年4月1日、私たちは株式会社ORTIAとして新たなスタートを切りました。『ORTIA(オルティア)』という社名には、地域医療の根幹を支える確かなインフラを構築するという決意が込められています。」

「私たちが提供する『セラピストナビ』は、単なるマッチングサイトではありません。医療広告ガイドラインの限定解除要件をシステム側に肩代わりさせることで、現場のセラピストから『法律違反の恐怖』を取り除き、彼らの積み上げてきた臨床の事実を、地域社会が安全に活用できる『共通の資産』へと昇華させるための挑戦です。」

まずは拠点エリアを中心に、地域医療を支える病院・施設との対話と登録ネットワークの拡大を進め、将来的には日本全国の医療・介護施設をつなぐ架け橋となることを目指しているとのことです。セラピストの努力が報われ、患者様が最良のリハビリテーションにアクセスできる社会の実現に向け、株式会社ORTIAは歩みを進めてまいります。

サービス概要と今後の展望

『セラピストナビ』は、リハビリテーション専門職とそれを必要とする人々を結びつける、画期的なプラットフォームです。

セラピストナビのロゴ

  • サービス名:セラピストナビ
  • サービス提供開始日:2026年5月(予定)※現在事前登録および各医療機関への案内中
  • 対象職種:理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)
  • 対象施設:地域医療支援病院、一般病院、クリニック、訪問看護ステーション、介護事業所 等
  • 公式サイトhttps://therapistnavi.com
  • 公式Instagramhttps://www.instagram.com/therapistnavi?igsh=bHNyNGUweTEwdGYx&utm_source=qr

よくあるご質問

メディア関係者様、ならびに施設導入をご検討の皆様から寄せられる代表的なご質問です。

  • Q. 柔道整復師や鍼灸師などの登録は可能ですか?
    • A. いいえ、登録できません。本プラットフォームは、より厳密な法務管理とリハビリテーションの専門性に特化するため、対象職種を「理学療法士(PT)」「作業療法士(OT)」「言語聴覚士(ST)」の国家資格保有者のみに厳定しております。
  • Q. 病院側が、近隣の訪問看護ステーションを検索して利用する場合、費用はかかりますか?
    • A. 「検索・閲覧」するご利用については、無料でご提供します。
  • Q. 限定解除の要件を満たしているか、自院で確認する必要はありますか?
    • A. 本システムは入力フォーマット自体が限定解除要件(費用、リスク、問い合わせ先などの明記)を満たすよう設計されているため、案内に従ってご入力いただくだけで自動的に法的に適切な情報ページが生成されます。

運営会社情報

株式会社ORTIAのロゴ

  • 会社名:株式会社ORTIA(オルティア)
  • 代表者:代表取締役 溝口 貴大
  • 所在地:〒660-0858 兵庫県尼崎市築地5-8-12
  • 設立年月日:2026年4月1日
  • 事業内容:医療・介護分野におけるWebプラットフォームの企画・開発・運営、リハビリテーションに関するコンサルティング業務等
  • 連絡先:TEL 080-5339-0440 / FAX 050-3093-5974
  • メールアドレス:info@therapistnavi.com

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77