障害者芸術を応援する「矢倉孝一 メモリアル基金」が公募開始!

2026年6月15日、障害のある方の芸術活動を支援する「矢倉孝一 メモリアル基金」が公募を開始しました。この基金は、NPOなどの非営利団体を対象に、総額200万円の資金支援を実施するものです。障害がある方の個性を尊重し、芸術を通じて社会とのつながりを深めることを目的としています。

矢倉孝一 メモリアル基金設立の背景と込められた想い

この基金は、矢倉健次氏のご寄付により、公益財団法人パブリックリソース財団内に「オリジナル基金®」として2024年度に創設されました。「オリジナル基金®」とは、寄付者の想いを反映したテーマで設定される基金を指します。

矢倉健次氏は、重度の知的障害がある兄と、その兄を支える両親のもとで育ちました。父親である矢倉孝一氏は、2022年に90歳で逝去されるまで、常に兄の生活を案じていたといいます。兄自身も折り鶴や編み物などの創作活動に取り組んでいました。

矢倉健次氏は、亡き父の「知的障害がある方が、生まれてから老いるまで肩身の狭い思いをすることなく、社会でより良く共生し、幸せに人生を全うできる世界」という遺志を受け継いでいます。取材を通じて、芸術活動が障害の有無にかかわらず個性を生かし、人格を認められる生き方として注目されていることから、この基金の創設に至りました。

障害者芸術活動支援の現状と助成プログラムの目的

過去約30年間、障害のある方による芸術活動への関心は高まり続けています。全国各地で個人の表現活動を支える団体が誕生し、創作の場の提供、社会への発信、作品を基にしたプロダクト開発など、多岐にわたる活動が展開されてきました。文化庁による推進事業も進み、創作環境の充実や鑑賞機会の拡大も進展しています。

本助成プログラムは、これまでの30年の歩みを振り返りつつ、現在の支援活動が抱える課題を見つめ直すことを目的としています。障害のある方が芸術を通して社会とつながる未来へ向けて、その活動をさらに充実させるための支援を目指します。

助成プログラムの公募概要と支援対象

「矢倉孝一 メモリアル基金」の助成プログラムは、以下の概要で公募されます。

支援対象となる事業活動

以下のいずれかに該当する事業活動が対象です。特に新規性や野心的なプロジェクトが重視されます。

  • より多くの知的障害がある方がアートに取り組む、またはアクセスできる仕組みづくり

  • 障害のある方の芸術活動や作品の価値を高め、社会や世界とつなげる方策

支援内容と団体数

1件あたり年間100万円を上限とする助成金支援(単年度助成)で、2団体程度の支援が予定されています。

助成対象期間と公募期間

  • 助成対象期間: 2026年9月~2027年8月

  • 公募期間: 2026年6月15日(月)~2026年7月30日(木)17時まで

詳細情報と応募方法

公募内容や応募要件などの詳細は、以下の特設サイトおよび募集要項で確認できます。

公益財団法人パブリックリソース財団について

本基金を運営する公益財団法人パブリックリソース財団は、2000年にNPO法人として発足しました。非営利事業体のマネジメント強化、企業の社会的責任(CSR)推進支援、寄付推進事業などを展開しています。2013年からは「意志ある寄付で社会を変える」をミッションに掲げ、個人や企業の寄付を社会的事業へつなぐ専門組織として活動しています。テーマ基金やオリジナル基金、遺贈など、多様な寄付の方法を提供し、社会貢献を目指す寄付の仕組みづくりに取り組んでいます。

障害者芸術が社会にもたらす価値

「矢倉孝一 メモリアル基金」は、障害のある方が芸術を通じて自己表現し、社会とつながる機会を創出することを目指しています。このような支援は、個人の豊かな人生に貢献するだけでなく、多様性を尊重する社会の実現にも寄与するでしょう。障害のある方の芸術活動がさらに発展し、多くの人々にその価値が認識される未来が期待されます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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