総務省が推進する「情報アクセシビリティ好事例2025」とは

「情報アクセシビリティ好事例2025」は、総務省がICT機器やサービスの情報アクセシビリティ向上を目指し、優れた製品や取り組みを募集・審査し、選定・公表するものです。この取り組みは、国民への周知と企業による情報アクセシビリティ向上への促進を通じて、誰もがデジタルの利便性を享受できる社会の実現を目的としています。

今回選定された17件の中には、「ロジャー タッチスクリーン マイク3」のように、高齢者や難聴のある方々の情報アクセスを強力にサポートする製品が含まれています。

難聴者の「第3の耳」となる「ロジャー」の評価ポイントと特長

「ロジャー タッチスクリーン マイク3」は、補聴器や人工内耳の利用者にとって課題となりがちな騒音環境や距離による聞き取りにくさに対し、必要な音声を明瞭に届ける技術と、直感的に使える操作性を両立している点が特に評価されました。

「ロジャー」の主な特長

  1. 騒音・距離の影響を受けにくい音声伝送: 発話者の声を直接補聴器や人工内耳へ届けることで、騒がしい環境や距離がある場面でも聞き取りやすさを向上させます。
  2. 直感的な操作性: 本体を傾けるだけでモード変更が可能なシンプルな操作性や、自動設定により、誰でも簡単に使用できる設計です。
  3. 教育現場などでの豊富な利用実績: 小学生から大学生まで幅広い年代で活用されており、日常生活や学習環境においてその実用性が確認されています。
  4. 多様なニーズに対応する設計: さまざまな他デバイスとの連携など、多様な利用者に配慮した設計がなされています。

受信機接続の制限が撤廃されたことによる利便性の向上や、教育機関を中心に幅広い導入実績があることから、安定したワイヤレス補聴システムとしての信頼性も評価のポイントです。また、当事者や学生を巻き込んだ開発、大学などの外部機関との連携による調査研究・普及活動への取り組みも高く評価されています。

詳細については、総務省の「情報アクセシビリティ好事例2025」の39~43ページで確認できます。

実際の利用者の声から見る「ロジャー」の価値

実際に「ロジャー タッチスクリーン マイク3」を利用している方々からは、その効果を実感する声が寄せられています。

男性教師がワイヤレスマイクを下げて授業をしている様子

  • 「少し離れた場所で喋られても、指向性の高いマイクで良く聞き取れるようになりました。ロジャーは広い場所での会議や、広い教室での講義などで活躍しています。」(教職員 / 重度難聴)

  • 「使い方がシンプルなので相手に分かりやすいです。ロジャーを使って話してもらうことで、とても聞きやすくなりました。学校の先生だけではなく、クラスの友達も発表などで使ってくれます。」(10代 / 重度難聴)

これらの声は、「ロジャー」が難聴者の日常生活や学習において、いかに大きなサポートとなっているかを示しています。

難聴者の社会参加を支援する「フォナック」の取り組み

「ロジャー」を提供するフォナックは、スイス・シュテファに拠点を置くソノヴァグループの一部門として、1947年に設立されて以来、補聴器やワイヤレス機器の開発を続けています。

PHONAKブランドロゴ

「聴こえる 彩りのある人生が。」をスローガンに掲げ、身体的、社会的、感情的に人々の人生を豊かにすることを目指し、世界100カ国以上で製品が愛用されています。75年以上にわたり、聴覚に特化した専門技術と聴覚ケア専門家との協力関係のもと、難聴者の豊かな聞こえをサポートしてきました。これからも聴覚分野のリーディングカンパニーとして、難聴者のより豊かな聞こえ、幸せな人生の実現のためにイノベーションを続けると期待されています。

ソノヴァ・ジャパン株式会社の詳細は、以下のリンクからご覧いただけます。

まとめ:情報格差をなくし、誰もが活躍できる社会へ

「ロジャー タッチスクリーン マイク3」の「情報アクセシビリティ好事例2025」選定は、難聴のある方々の情報アクセスを向上させ、より豊かな社会参加を可能にする重要な一歩です。

この製品は、LiD/APD(聞き取り困難症/聴覚情報処理障害)への対応に向けた調査・研究にも活用されており、聞こえに関する課題の理解促進や支援のあり方の検討にも貢献しています。このような革新的な技術と、それを支える企業や総務省の取り組みによって、誰もが情報にアクセスし、社会で活躍できるインクルーシブな社会の実現がさらに加速することが期待されます。私たちは、このような取り組みが広がり、多くの人々にとってより良い未来が築かれることを願っています。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77