この記事で分かること

  • CPコスメティクスとヘラルボニーによるコラボレーションの全貌
  • アーティスト・衣笠泰介氏のプロフィールと原画『Blooming Life!』の作品背景
  • 静岡プロダクツセンターで開催された「原画納品・おひろめ会」の概要
  • 障害者アートのIPライセンスを活用した持続可能なビジネスモデル

近年、障害者アートを単なる支援ではなく、企業のブランド価値向上や多様性推進(ダイバーシティ)のシンボルとして活用する動きが広がっています。

今回は、全国に約1,240店のサロンを展開する株式会社CPコスメティクスが、ヘラルボニー契約アーティストである衣笠泰介氏にオリジナル原画を依頼し、自社工場に掲げた事例を取り上げます。


CPコスメティクスとヘラルボニーのコラボレーション概要

ヘラルボニーが目指す障害者アートの持続可能なビジネスモデル

株式会社ヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、障害のイメージ変容と福祉を起点とした新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニーです。

障害のある作家が描く2,000点以上のアート作品を「IPライセンス(知的財産権の利用許可)」として管理し、作家へ正当なロイヤリティを支払う持続可能なビジネスモデルを構築しています。自社ブランド「HERALBONY」の運営に加え、企業との共創や国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催など、多角的な事業を展開しています。

初心者向け用語解説:IPライセンスとは? 「IP」とは知的財産(Intellectual Property)のことです。アーティストが描いた絵画などの作品を、企業のトートバッグや製品パッケージにデザインとして使用する権利を貸し出し、その対価としてロイヤリティ(使用料)を作家に還元する仕組みを指します。

「2026 ホームケアセット」ノベルティから始まった共創

CPコスメティクスは、「ひとりひとりが持つ本来の美しさを引き出し、力へ変えていく。」という想いのもと、2026年9月発売の「2026 ホームケアセット」にてヘラルボニーとのコラボレーションを実施しました。

同セットのプレミアムノベルティトートバッグに、ヘラルボニー契約作家である衣笠泰介氏の作品『ルビーの気持ち』と、松本真由美氏の作品『プール』を起用しています。作家が持つ鮮やかな色彩感覚とアートの力に共鳴したCPコスメティクスは、主要生産拠点である「静岡プロダクツセンター(静岡県)」のロビーを彩るシンボルアートとして、衣笠氏へ新たなオリジナル原画の制作を依頼しました。


衣笠泰介氏によるオリジナル原画『Blooming Life!』とその魅力

作者・衣笠泰介氏の経歴と独特の色彩感覚

作者の衣笠泰介(Taisuke Kinugasa)氏は、京都府在住のアーティストです。

  • スタイル: 家族と世界各地を旅するなかで目にした景色を、光と色彩に溢れた独自の世界観で表現します。
  • 評価: 何百色もの絵の具から瞬時に色を選んで描き上げる感覚は「マジカル」とも評され、国内外で高い評価を受けています。
  • 実績: 京都上御霊神社および京都御所内白雲神社の絵馬所には、衣笠氏の大作絵馬が奉納されています。

原画『Blooming Life!』に込められた温かいCPサロンの日常と想い

今回制作された『Blooming Life!』は、サイズ1303 × 970 mmの大作原画です。

  1. 作品のモチーフ: CPサロンに集うお客様が自分を美しく整える時間を楽しむ光景を描いています。テーブルに並ぶ新製品や記念品バッグ、手のひらに泡フォームを乗せて丁寧に説明するスタッフ、奥のエステコーナーでリラックスするお客様の姿が鮮やかに描かれています。
  2. タイトルの由来: 衣笠氏のお母様のご友人がCPサロンに通われており、「いつもアットホームで温かい雰囲気」と聞いたことから題材が選ばれました。「ここを訪れ、集う時間から、それぞれの人生がまた花開いていく——」という想いを込め、『Blooming Life!』と名付けられました。

静岡プロダクツセンターでの「原画納品・おひろめ会」と企業のCSR的意義

おひろめ会の開催概要と当日の雰囲気

2026年9月2日(水)、株式会社CPコスメティクスの静岡プロダクツセンターロビーにて「原画納品・おひろめ会」が開催されました。

  • 開催日時: 2026年9月2日(水)
  • 場所: 株式会社CPコスメティクス 静岡プロダクツセンター ロビー(静岡県)
  • 参加ゲスト: 衣笠泰介様、衣笠様ご両親、株式会社ヘラルボニー関係者様

当日は、衣笠様のご両親から作品に込められたストーリーや制作時のエピソードが語られ、静岡プロダクツセンターのメンバーとともに作品の完成を祝う温かい式典となりました。

企業の生産拠点に障害者アートをシンボルとして飾る価値

化粧品の製造を行う生産拠点のロビーにシンボルアートを設置することは、訪れる顧客や社員に対して企業の姿勢(「美しさを、力に。」)や多様性を尊重する姿勢を示す大きな効果があります。福祉領域のアートを社内空間に取り入れることで、温かい職場環境の醸成とCSR(企業の社会的責任)の実践に寄与します。


専門用語の解説&仕組み図解ステップ

障害福祉・企業コラボにおける「ヘラルボニーのIPライセンス事業の流れ」を4つのステップで解説します。

【Step 1:アート作品の管理】
障害のある作家が描いたアート作品(2,000点以上)をヘラルボニーがIPライセンスとして管理。
  ▼
【Step 2:企業との共創・コラボレーション】
CPコスメティクスのノベルティバッグやシンボルアートのように、企業がデザインや展示として採用。
  ▼
【Step 3:正当な対価の還元】
ライセンス利用料から、作家へ正当なロイヤリティを支払い持続可能な支援を実現。
  ▼
【Step 4:新たな文化・価値の創出】
企業のブランド価値向上と、障害に対する社会のイメージ変容を推進。

Q&A

Q1:CPコスメティクスとはどのような会社ですか? A1:1979年創業の化粧品メーカーで、「美しさを、力に。」をコーポレートメッセージに掲げています。全国に約1,240店あるCPサロンにて、カウンセリング、60分のフェイシャルエステティック、メイクアップアドバイスなどを提供しています。

Q2:ヘラルボニーの海外展開について教えてください。 A2:ヘラルボニーは2024年7月より、海外初の子会社としてフランス・パリに「HERALBONY EUROPE」を設立し、国際的な展開を進めています。

Q3:原画『Blooming Life!』はどこで見ることができますか? A3:株式会社CPコスメティクスの自社工場である「静岡プロダクツセンター(静岡県)」のロビーに展示され、訪れる方々を迎えるシンボルアートとして活用されています。


コラボレーション企業・団体の比較表

今回取り上げたCPコスメティクスとヘラルボニーの基本情報をまとめた比較表です。

項目株式会社CPコスメティクス株式会社ヘラルボニー
主な事業内容化粧品製造・販売、CPサロン運営アートライセンス事業、ブランディング、企画プロデュース
企業メッセージ/ミッション「美しさを、力に。」「異彩を、放て。」
今回の役割『2026 ホームケアセット』企画・原画依頼作家(衣笠泰介氏等)のIP管理・共創プロデュース
拠点の動き静岡プロダクツセンターロビーに作品展示2024年7月に海外子会社(パリ)設立

まとめ

株式会社CPコスメティクスとヘラルボニー、そしてアーティスト衣笠泰介氏による『Blooming Life!』の共創は、障害福祉アートの可能性と企業ブランディングが融合した素晴らしい事例です。単なる寄付や一時的な支援にとどまらず、プロダクトや空間のシンボルとしてアートを取り入れることで、持続可能な社会的価値が生まれます。

福祉事業でのアート活用や企業のSDGs・CSR施策を検討されている方は、ぜひこうした共創モデルの事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77