【この記事で分かること】
- ヘラルボニーとサントリーのコラボキャンペーン『Maker’s Mark THANKS LABEL』の概要と参加方法
- 障害福祉分野で注目を集める「アートIPビジネス」の仕組みと社会的意義
- キャンペーンに起用された4名の障害のある作家とその作品の背景
- 日常の消費行動を通じて障害福祉や多様性(DE&I)を応援する方法
障害福祉や社会貢献に関心があっても、「具体的にどのような形で支援に関われるのか分からない」と感じたことはありませんか?
近年、障害のある作家が描くアート作品をビジネスに活かし、福祉領域に新しい経済圏を生み出す取り組みが注目されています。その代表例が、クリエイティブカンパニー「株式会社ヘラルボニー」です。2026年10月より、ヘラルボニーはサントリー株式会社のクラフトバーボン「メーカーズマーク」とのコラボレーションキャンペーン『Maker’s Mark THANKS LABEL』を開始しました。
本記事では、この注目のコラボレーションの全貌と起用された作家の想いを紹介するとともに、障害福祉における「アート」がもたらす変化について解説します。この記事を読むことで、障害福祉の最前線で行われている持続可能な支援の仕組みが理解でき、日常のギフト選びや消費行動を通じて福祉を応援する新しい視点を得ることができます。
ヘラルボニー×サントリー「Maker’s Mark THANKS LABEL」キャンペーンとは?
2026年10月1日より、サントリー株式会社のクラフトバーボン「メーカーズマーク」と、障害のある作家のアートを活かした事業を展開する株式会社ヘラルボニーによるコラボレーション企画『Maker’s Mark THANKS LABEL』キャンペーンがスタートしました。
キャンペーンの概要と実施期間
本キャンペーンは、大切な人への感謝の気持ちを自分自身の言葉と名前で届ける「メーカーズマーク」専用のオリジナルラベル(サンクスラベル)が抽選で75,000名様に当たる企画です。
応募者は、ヘラルボニー契約作家3名のアートで彩られた特別アートラベル3種およびオリジナルラベル1種の中から選ぶことができます。
- 応募受付期間:2026年10月1日(木)9:00 ~ 2026年11月30日(月)23:59
- 賞品:「メーカーズマーク」700ml瓶専用の名前入りラベルシール 1枚(抽選で計75,000名様)
- 応募資格:日本国内在住の20歳以上の方
- 応募方法:特設サイトの応募フォームから名前(英字19文字以内)を入力し、アンケートに回答して応募
「いい夫婦の日」や「勤労感謝の日」、クリスマスといった季節の贈り物にも適した企画となっています。
「手仕事」と「想い」が共鳴した共創の背景
アメリカ・ケンタッキー州で生まれたクラフトバーボン「メーカーズマーク」は、一本一本手作業で施される赤い封蝋(ハンドディップ)や丁寧なウイスキーづくりを大切にしています。
一方、ヘラルボニーの作家たちも、独自の感性と時間を重ねて唯一無二のアートを形づくっています。
「内にある想いを、かたちにして届ける」という共通の価値観が出会ったことで、このコラボレーションが実現しました。
障害福祉領域で注目される「アートIPビジネス」と持続可能な支援
福祉の現場において、アート活動を通じた支援は以前から行われてきましたが、ヘラルボニーの取り組みは従来の枠組みを大きく超えるものとして注目されています。
【専門用語解説】アートIP・ソーシャルビジネス・DE&Iとは?
記事を読み進めるうえで知っておきたい、障害福祉やビジネス領域の基本用語を整理します。
- アートIP(Intellectual Property=知的財産): 著作権やデザインなどの「権利」としてアート作品を管理・活用する仕組みです。原画を販売するだけでなく、商品のパッケージや壁紙、広告などにデザインとしてライセンス提供(使用許可)を行うことで、継続的なライセンス収入を生み出します。
- ソーシャルビジネス: 社会的課題(障害福祉、環境問題など)の解決を目的としながら、補助金や寄付だけに頼らず、ビジネスとして収益を上げながら持続的に運営する事業形態を指します。
- DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン): 多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂(Inclusion)を意味する概念です。障害の有無や背景に関わらず、すべての人が自分らしく活躍できる社会を目指す考え方として企業教育や福利厚生でも重視されています。
福祉作業所と作家への正当な対価(ロイヤリティ)が生み出す好循環
株式会社ヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、障害のある作家が描く2,000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理しています。作品が採用されると正当なロイヤリティ(ライセンス使用料)を作家に支払うビジネスモデルを構築しています。
福祉施設や作家に対して正当な対価が支払われることで、障害のある方の経済的自立や社会的承認につながり、障害に対する従来のイメージを変容させる好循環が生まれています。
『Maker’s Mark THANKS LABEL』に起用された4名の障害福祉アート作家と作品
本キャンペーンには、「ありがとう」というテーマのもと、4名の作家の作品が起用されています。それぞれの制作背景やエピソードを知ることで、作品に込められた深い想いを感じ取ることができます。
1. 竹内 聖太郎氏《花束》(多夢多夢舎中山工房・宮城県)
決まったモチーフを繰り返し描き、画面を埋め尽くすスタイルが特徴の作家です。日々のスタッフとの会話からモチーフが生まれることもあり、人との出会いや交流が彼の創作の源泉となっています。《花束》は、繰り返し描かれたバラが画面いっぱいに広がり、一つの大きな花束を表現した温かみのある作品です。
2. 鈴木 広大氏《お母さんありがとう》(のぞみの家・東京都)
筆を使わず、手に絵の具をつけて画用紙を叩くように描く独自のスタイルを持ちます。音楽に合わせて手のひらや指を動かし、重ねられた色と身体のリズムがダイレクトに画面に残ります。《お母さんありがとう》は、「お母さんにありがとうを伝える」というテーマの中で生まれた作品です。
3. 衣笠 泰介氏《バラの気持ち》
家族との旅の思い出や景色を、鮮やかな色彩で描き出す作家です。何百色もの絵の具から瞬時に色を選び取ります。作品中に登場するハートのようなモチーフを「気持ち」、ニコちゃんマークを「こんにちは」と呼ぶなど、言葉とは異なるコミュニケーションの形としてアートを生み出しています。
4. 工藤 みどり氏《(無題)》(るんびにい美術館・岩手県)
※HERALBONY CLUB会員限定アートを含む企画にも連動。 点描や短線を思いのままに集積させ、深い没入空間をつくり出す作家です。完成形をあらかじめ目指すのではなく、意識を内側の世界へと沈めながら、たゆたうように制作を重ねる姿勢から幻想的な世界が生み出されています。
私たちが日常の消費で実践できる障害福祉へのアプローチ
障害福祉への支援というと、ボランティア活動や募金を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、こうしたコラボレーション商品の購入やキャンペーン参加も、立派な支援の手段となり得ます。
消費行動を通じて「福祉の応援」に参加する
コラボレーション商品やキャンペーンを利用することで、企業を通じてアートIPの利用が促進され、結果として作家や福祉施設へ正当な対価が還元されます。
日常のお買い物や大切な人へのギフト選びの中に「障害者アート」を取り入れることは、支援を特別なことではなく、生活の一部にする一歩となります。
多様性(DE&I)を身近に感じるきっかけとして
メッセージを添えたアートラベルのボトルを贈る体験は、贈る相手とのコミュニケーションを生み出すだけでなく、受け取った側が障害福祉や多様な才能について知るきっかけにもなります。
【Q&A】

読者の皆様から寄せられやすい疑問について、Q&A形式で解説します。
Q1. ヘラルボニーの取り組みは、従来の障害福祉支援とどのように違うのですか? A1. 従来の福祉支援では、慈善事業や支援金が中心となることが一般的でした。ヘラルボニーの取り組みは、障害のある作家の作品を高品質な「アートIP」として企業にライセンス提供し、ビジネスとして成立させる点に特徴があります。福祉を「支援される対象」から「価値を提供するパートナー」へと再定義している点が大きな違いです。
Q2. 「アートIP」のライセンス料はどのように活用されていますか? A2. 企業等から支払われるライセンス料は、正当なロイヤリティとして作家本人へ支払われます。これにより、作家の経済的な自立を助けるとともに、新たな創作活動の資金として活用されます。
Q3. 障害福祉に関心を持った場合、個人でできることはありますか? A3. 今回のような企業のコラボレーションキャンペーン(『Maker’s Mark THANKS LABEL』など)に参加することや、障害者アートを取り入れた商品を購入することが直接的な応援につながります。また、SNSでの情報拡散や、作品に込められたストーリーを周囲に伝えることも、障害に対する理解を深める大切な一歩となります。
まとめ:アートを通じて深まる障害福祉への関心と支援の輪

サントリーとヘラルボニーが取り組む『Maker’s Mark THANKS LABEL』キャンペーンは、単なるプレゼント企画にとどまらず、障害のある作家たちの唯一無二の感性を社会に届ける貴重な機会となっています。
- アートIPを活用した持続可能な福祉支援の仕組みが浸透しつつあります。
- 4名の作家による温かいアート作品が、日常の中で「ありがとう」の想いを形にする手助けをします。
- 私たちの消費選択やキャンペーンへの参加が、障害福祉や多様性を尊重する社会づくりの後押しとなります。
身近なお酒やギフトを通じて、障害福祉の新しいかたちに触れてみてはいかがでしょうか。大切な人へ感謝を伝えるとともに、アートが紡ぐ多様性の未来に想いを馳せるきっかけとなれば幸いです。

