障害のある子どもや大人がスポーツに親しみ、日頃の練習成果を発揮できる機会は、障害福祉の増進やインクルーシブ社会の実現において極めて重要な役割を果たしています。愛知県岡崎市では、10年以上にわたり地域で育まれてきた障がい者水泳記録会の志を受け継ぎ、「第1回 岡崎竜城パラスイミングフェス 大森國臣杯」が2026年11月8日(日)に開催されます。
本記事では、障害福祉やパラスポーツに関心のある方、または大会への参加や支援を検討されている方に向けて、本大会の開催背景や特色、競技種目の工夫、創業者・大森國臣氏の理念について詳しく解説します
この記事で分かること
- 「第1回 岡崎竜城パラスイミングフェス 大森國臣杯」の開催概要と歴史的背景
- 水泳初心者や大会初参加のお子様でも安心して参加できる種目と工夫
- パラスイミング(障害者水泳)の基礎知識と専門用語の分かりやすい解説
- 創業者・大森國臣氏の志と、当事者家族・地域コミュニティを支える意義
- 大会参加やプログラムに関する疑問を解消する読者向けQ&A
10年以上の歴史を紡ぐ「岡崎竜城パラスイミングフェス 大森國臣杯」とは?
地域で育まれた「三河地区 障がい者水泳記録会」の志を継承
愛知県岡崎市でスイミングスクールを運営する株式会社岡崎竜城スイミングクラブは、2026年11月8日(日)に「第1回 岡崎竜城パラスイミングフェス 大森國臣杯」を開催します。本大会は、日本スイミングクラブ協会東海支部・三河地区が長年にわたり開催してきた「三河地区 障がい者水泳記録会」の役割と志を継承するものです。
前身となる記録会は、少なくとも2014年には開催されており、10年以上にわたって地域で水泳に取り組む障害のある方々の成果発表と交流の場として親しまれてきました。大会運営体制の変更という節目を契機に、岡崎竜城スイミングクラブが主催を引き継ぐこととなり、地域に根差した温かい挑戦の機会が未来へとつなげられています。
大会名に込められた創業者・大森國臣氏の思いとパラスイミングの歩み
大会名に掲げられている大森國臣(おおもり くにおみ)氏は、岡崎竜城スイミングクラブの創業者であり、長年にわたり知的障害のある子どもたちへの水泳指導や指導者育成に取り組んできた人物です。
大森氏は2011年に日本スイミングクラブ協会で発足した「障害者水泳普及活動推進委員会」(現・障害者水泳委員会)の立ち上げにも携わり、より多くの障害のある子どもたちに水泳の機会を届けるべく指導者の育成をライフワークとしてきました。また、今回継承された記録会の考案者でもあり、従来大会では50mを完泳した参加者に「大森國臣賞」が贈られていました。「大森國臣杯」という名称には、その功績を顕彰するとともに、障害の有無や泳力にかかわらず一人ひとりの挑戦を認め、可能性を広げる志を次の世代へ継承する思いが込められています。
初心者や子どもも安心して参加できる「パラスイミングフェス」の特徴
速さや順位だけではない!「できた」を称える多様な種目と工夫
本大会は、競技経験が豊富な選手だけを対象とするのではなく、水泳を始めて間もない方や一般的な競技会への参加に不安を感じている方も安心して参加できる環境が整えられています。
泳ぐ速さやタイムだけでなく、自分の力で水の中を進むことや最後まで泳ぎ切ることなど、参加者一人ひとりの挑戦と「できた」という体験を大切にたたえる姿勢が示されています。また、すべての種目でスタートを「水中から」行うなど、安全面や心理的な負担軽減に配慮した工夫が施されています。参加者全員への参加賞に加え、各種目を泳ぎ切った方には「完泳メダル」が贈呈される点も、参加者の励みとなっています。
【専門用語解説】パラスイミング・インクルーシブスポーツとは?
障害福祉やスポーツの分野で用いられる用語について分かりやすく解説します。
- パラスイミング(障害者水泳): 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害などのある人が行う水泳のことです。タイムを競う競技スポーツとしての側面だけでなく、リハビリテーションや健康維持、生涯スポーツとしての役割も持っています。
- インクルーシブ(包摂的)なスポーツ環境: 障害の有無や年齢、泳力にかかわらず、誰もが排除されることなく共にスポーツを楽しめる環境のことを指します。本大会のように、初心者でも参加しやすい種目設定やサポート体制を用意することで、多様な参加者を受け入れる取り組みが進められています。
「第1回 岡崎竜城パラスイミングフェス 大森國臣杯」の開催概要と参加方法

日時・場所・対象者・参加費用の一覧
大会の基本情報は以下の通りです。
- 大会名: 第1回 岡崎竜城パラスイミングフェス 大森國臣杯
- 開催日時: 2026年11月8日(日)
- 開催場所: 岡崎竜城スイミングクラブ南校(愛知県岡崎市下和田町字尾之越36番地1)
- 主催: 株式会社岡崎竜城スイミングクラブ
- 対象者: 障害のある子どもを中心としたスイマーとご家族・付き添いの方(障害のある成人の方も参加可能)
- 定員: なし
- 参加費用: 本人と保護者ペア 3,000円 / 兄弟姉妹 2,000円
- 申込締切: 2026年10月8日(木)まで
- 申込方法: 公式サイトより申込書をダウンロードし、メール(info@tatsuki-sc.jp)にて送付
競技プログラムとタイムスケジュール
タイムスケジュールおよび競技種目の概要は以下のようになっています。
【タイムスケジュール】
- 受付時間: 9時00分~9時45分
- 開会式: 10時00分
- 競技開始: 10時20分
- 競技終了予定: 12時00分
【競技種目】
- 自由形(25m / 50m)
- 背泳ぎ(25m / 50m)
- 平泳ぎ(25m / 50m)
- バタフライ(25m / 50m)
- 水中歩行(25m)
- なんでも泳ぎ(25m)
※すべての種目で水中スタートが実施されます。
障害福祉とスポーツの未来|当事者ご家族や地域コミュニティを支える意義
家族や指導者が共に喜びを分かち合うコミュニティの拠点へ
障害のあるお子様やご家族にとって、日頃の努力や「初めて水に顔をつけられた瞬間」などの成長の歩みを温かく見守り、分かち合える場所があることは大きな支えとなります。
主催者である岡崎竜城スイミングクラブの代表取締役・大森久美氏は、単なるスポーツ施設という枠組みを超え、同じ境遇にあるご家族同士が情報や喜びを分かち合えるコミュニティの拠点でありたいという思いを語られています。水泳指導を通じて育まれる家族の絆や地域での温かい関わりが、当事者家族の人生に寄り添うサポーターとしての役割を果たしています。
水泳を通じて広がる新たな可能性と「生涯スポーツ」の実現
水泳は、全身を使った運動であり、自分の身体の動きを知り、できることを一つずつ増やしていく喜びを感じやすいスポーツです。記録の向上や競技会への出場だけを目的とするのではなく、水に親しみ生涯にわたって運動を楽しめる地域環境をつくることが、障害福祉の向上や共生社会の実現につながると期待されています。
よくある質問(Q&A)|障害者水泳・大会参加についての疑問を解決
Q1:水泳を始めたばかりの初心者や、一般的な大会に不安がある子どもでも参加できますか?
A: はい、安心してご参加いただけます。本大会は、競技経験の浅い方や大会への参加が初めての方、一般的な競技会への参加に不安を感じている方を温かく迎える理念のもとで運営されています。25mの「水中歩行」や「なんでも泳ぎ」といった種目も用意されているため、自分のペースに合わせて挑戦することが可能です。
Q2:成人の障害がある人でも参加できますか?
A: はい、ご参加いただけます。本大会は障害のある子どもたちを主な対象としていますが、障害のある成人の方も幅広く参加対象に含まれています。
Q3:完泳できなかった場合やタイムが遅い場合でも表彰や記念品はありますか?
A: 参加者全員に参加賞が用意されているほか、各種目を泳ぎ切った方には「完泳メダル」が贈呈されます。順位やタイムだけにとらわれず、参加することや挑戦したプロセスそのものが尊重される大会設計となっています。
まとめ|水泳を通じた挑戦が育む障害福祉と温かい地域社会
「第1回 岡崎竜城パラスイミングフェス 大森國臣杯」は、10年以上続いてきた地域の障がい者水泳記録会の志を継ぎ、新たな一歩を踏み出す素晴らしい取り組みです。
速さや結果のみを競うのではなく、一人ひとりの挑戦や「できた」という達成感をたたえ合える場を提供することは、障害のある方々の自己効力感を高め、ご家族や地域のつながりを深める重要なきっかけとなります。水泳を通じたこのような運動が広がることで、誰もが自分らしく挑戦し、笑顔で過ごせるインクルーシブな地域社会の実現へ向けて、さらなる広がりが期待されています。

