福島県の障害福祉施設と「TenF」が織りなすエシカルファッションの魅力

「TenF」は、福島県授産事業振興会、合同会社アレコレ、TULIP EN MENSENが共同で2026年に立ち上げたブランドです。福島県内の障害福祉施設と連携し、地域の伝統工芸である会津木綿に、作り手が描画を施したオリジナルのテキスタイルで巾着を製作しています。

このプロジェクトの根底にあるのは「エシカルファッション」の考え方です。エシカルファッションとは、環境や社会、人に配慮した倫理的なファッションを指します。「TenF」の取り組みは、福祉施設で働く人々の就労支援と所得向上に貢献し、持続可能な社会を目指すエシカルな消費を促します。

会津木綿は、約400年の歴史を持つ福島県会津地方の伝統織物です。100年以上前の古い織機でゆっくりと時間をかけて織り上げられるため、非常に希少価値が高いとされています。TenFではこの貴重な会津木綿を無駄なく活用するため、生地幅を活かした設計にこだわっています。

作り手の視点から生まれたユニークなデザインと生産体制

TenFの巾着は、多くの人が製作に関われるよう、「作り手視点」でのものづくりを徹底しています。描画は単純な「線」で構成され、生地は「直線」に裁断、縫製も「直線」縫いで完成する仕様です。これにより、複雑な工程を減らし、より多くの人々が製作に携われる機会を創出しています。

白い布にストライプを描く作業風景

今年の描画は、ハンドペイントで黒い縞を描いたテキスタイルが特徴です。福島県の福祉施設で一本一本描かれた線は、どれ一つとして同じものがなく、完成する巾着にも唯一無二の個性が生まれています。購入者にとっても、それぞれ異なる表情を持つ一点ものを選ぶ楽しみがあるでしょう。

手書きストライプの巾着

また、TenFは年間の生産数量を限定し、一年で完売を目指すというビジネスモデルを採用しています。これにより、作り手は「売れる喜び」や「達成感」を共有でき、単に作って終わりではない、継続的なモチベーションにつながる取り組みを目指しています。

会津木綿巾着「TenF」のラインナップと販売情報

第一弾として発売される巾着は、サイズに合わせて「MOBILE」「BENTO」「TESSHU」というユニークな名前がつけられています。日常に寄り添う道具として、使い手にとっても特別な一点となることでしょう。

TenFの巾着(吊り下げ)

サイズ 名称 寸法 縦✖横 生産数量 販売価格(税込)
S MOBILE 18cm × 12cm 80個 2,750円
M BENTO 18cm × 27cm 40個 3,300円
L TESSHU 18cm × 37cm 30個 3,960円

初のポップアップストアとオンライン販売

今回の新潟県立万代島美術館でのポップアップは、TenFが一般に初めてお披露目される機会となります。限定生産品のため、気になる方は早めにチェックすることをおすすめします。

《TenF》 1st POP UP 概要

  • 開催日時: 2026年7月11日(土)~7月26日(日) ※13日(月)休み 10:00~17:45
  • 場所: 新潟県立万代島美術館 ミュージアムショップ
    〒950-0078 新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5階

ポップアップと同時に、2026年7月11日12:00より「TULIP EN MENSENオンラインストア」でも販売が開始されています。

また、作り手が暮らす福島県でのポップアップは、2026年秋ごろの開催が予定されています。

「TenF」プロジェクトを支える関係機関

このエシカルな取り組みは、以下の団体によって企画・プロデュース・デザインされています。

<参加事業所(作り手)>

  • NPO法人銀河の森福祉会 銀河工房(福島県田村市)
  • 特定非営利活動法人福島市聴覚障害者福祉会 就労継続支援B型事業所なのはなの家(福島県福島市)
  • 社会福祉法人 心愛会 コパン・クラージュ(福島県会津若松市)

<企画元>

  • 福島県授産事業振興会 会長:三浦正一
    事業内容:障がい福祉事業所の販路開拓や商品開発支援等を通じ、工賃向上と事業所運営の支援を行っています。

<プロデュース>

  • 合同会社アレコレ 代表:迫一成
    事業内容:デザイン制作、店舗運営、グッズ作成、地元企業との商品開発などを手掛けています。

<デザイン>

  • TULIP EN MENSEN(チューリップエンメンセン) 代表:横山英也
    事業内容:TULIP EN MENSENブランド運営、セレクト商品の販売、OEM事業など。

障害福祉分野における新たな就労支援と地域活性化の可能性

「TenF」の取り組みは、障害福祉分野における新たな就労支援の形を示しています。福祉施設で働く人々が伝統工芸に携わり、高品質な商品を生み出すことで、経済的な自立と社会参加を促進する機会を提供します。これは「授産事業」と呼ばれる、障害者が就労に必要な知識や能力の向上を図るための訓練を行う事業所における、工賃向上と働く喜びにつながる重要な一歩と言えるでしょう。

また、会津木綿という地域の伝統工芸を現代のファッションに取り入れることで、地域経済の活性化にも寄与しています。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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