岡山県美咲町が拓く「重層的支援体制」とは?DXで変わる地域福祉の未来

岡山県の中央部に位置する美咲町では、子育てと親の介護が同時に発生する「ダブルケア」や、80代の親が50代の子の生活を支える「8050問題」など、複雑で複合的な課題を抱える住民が増加しています。これまでの分野別の支援体制だけでは対応が難しいこれらの課題に対し、美咲町は「重層的支援体制整備事業」に取り組んでいます。

この事業は、「属性を問わない相談支援」「社会参加が困難な方の支援」「地域づくりに向けた支援」の3つの柱で構成されており、行政と社会福祉関係団体などが一体となって支援を行います。しかし、この取り組みを進める上で、組織の枠組みを超えた連携や、行政内の組織間、支援者間での効率的な情報共有が課題となっていました。

岡山県初!「IIJ電子@連絡帳サービス」が多職種連携を強力にサポート

美咲町がこれらの課題解決のために導入したのが、「IIJ電子@連絡帳サービス」です。このサービスは、医療・福祉・介護・行政など、地域の暮らしを支える多様な専門職をつなぐ「多職種連携プラットフォーム」として機能します。

美咲町における包括的かつ重層的な支援体制の図

2017年4月にサービス提供を開始して以来、医師、看護師、薬剤師、介護ヘルパー、ケアマネジャーなどが、在宅医療を受ける高齢者や子どもの患者情報を共有するためのICTプラットフォームとして、全国76市区町村で導入され、27,000人以上が利用しています。美咲町での導入は、岡山県内初の事例となります。

支援者の負担を軽減し、住民へきめ細やかなサポートを実現

これまでの情報連携には、「どの世帯に誰がアクションしているのかわからない」「特定の支援者に課題が集中してしまう」といった課題がありました。

地域における支援活動の課題を示すイラスト

「IIJ電子@連絡帳サービス」の導入により、これらの課題が情報連携によって解決されることが期待されています。支援者間のスムーズな情報共有が可能となり、支援の方向性や役割を整理・確認しやすくなることで、住民一人ひとりの気持ちや考えに寄り添った、より丁寧な支援が実現されることでしょう。また、町内DXを推進するツールとしても、今後の活用が期待されています。

美咲町が語る「電子@連絡帳」への期待と今後の展望

美咲町重層支援センターからは、この新しい取り組みに対する期待のコメントが寄せられています。「美咲町 電子@連絡帳」は、支援関係者や関係機関が、本人の想いや支援内容、経過などの情報を共有し、本人の気持ちや考えにより沿った支援を行うために活用されています。言葉での情報共有に加え、電子@連絡帳によるスムーズな情報共有は、速やかな支援者同士の連携を図る上で効果的であると評価されています。

今後も活用を推進し、美咲町の「重層的支援体制整備事業」をさらに発展させていく方針です。

あなたの地域でも?「IIJ電子@連絡帳サービス」が描く地域共生社会

美咲町の取り組みは、複雑化する地域の課題に対応するための新たなモデルとして、他の自治体にも大きな示唆を与えるものです。

「IIJ電子@連絡帳サービス」の詳細については、以下のサイトをご覧ください。

IIJでは、今後も地域の暮らしを支える専門職をつなぐプラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」の提供を通じて、さまざまな地域課題の解決を支援していくとのことです。美咲町の事例が、全国の地域共生社会実現に向けた動きを加速させるきっかけとなることに期待が寄せられます。


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菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77