札幌で深刻化する住宅困窮・移動困難問題と新たな支援の動き

近年、日本では単身高齢者の増加や生活困窮問題の複雑化が進み、特に賃貸住宅への入居が困難となる「住宅困窮」が深刻な課題となっています。また、高齢や障がいにより公共交通機関の利用が難しい方々にとって、病院への通院や日用品の買い物といった日常生活の「移動の足」の確保も切実な問題です。

このような背景を受け、北海道札幌市すすきのを拠点に活動するNPO法人トラブル相談センターは、住宅確保要配慮者(高齢者、障がい者、DV被害者、生活困窮者など)が安心して暮らせるよう、住まいと移動を一体的にサポートする新たな取り組みを開始しました。

この記事で分かること

  • NPO法人トラブル相談センターが札幌市で開始する新たな支援サービスの内容

  • 「福祉有償運送」と「移動支援」の具体的なサービス概要

  • 「居住支援事業」による住まい探しから入居後の見守りまでのサポート体制

  • 支援の対象となる方々や利用地域

NPO法人トラブル相談センターが提供するワンストップ支援とは?

NPO法人トラブル相談センターは、これまで培ってきた累計100件以上の相談支援実績を活かし、「住まいの確保(居住支援)」と「外出・移動の保障(福祉有償運送・移動支援)」を組み合わせることで、地域住民がより安心して暮らし続けられる環境づくりを目指しています。

この取り組みの一環として、札幌市にて「福祉有償運送」の事業を2026年10月1日より開始します。さらに、「移動支援」の指定も申請中であり、2026年11月1日には登録が完了する予定です。加えて、北海道にて「住宅確保要配慮者居住支援法人」の指定も申請中であり、住まいと移動の両面からサポートする体制を強化しています。

福祉有償運送事業:移動の「足」を確保するサービス

福祉有償運送とは、NPO法人などが、要介護者や障がい者で、公共交通機関の利用が困難な方を対象に、有償で行う送迎サービスのことです。NPO法人トラブル相談センターが提供する福祉有償運送事業(対象:札幌市内)では、以下のサービスが提供されます。

  • 移送サービス: 自力での公共交通機関利用が困難な高齢者や障がい者などを対象に、専用車両や福祉車両による移送を実施します。

  • 移動を通じた見守り: 乗降支援や移動中の対話を通じて、利用者の体調変化や生活上の困りごとを早期に発見し、必要な支援へとつなげる「動く見守り」を展開します。

料金については、詳細が提供されています。サービスの利用を検討される方は、公式ウェブサイトをご確認ください。

移動支援事業:外出をサポートする福祉サービス

移動支援事業(対象:札幌市内、2026年11月1日登録完了予定)は、単独での外出が困難な障がいのある方に対して、ヘルパー(ガイドヘルパー)が外出に同行し、移動のサポートを行う福祉サービスです。具体的なサポート内容は以下の通りです。

  • 社会生活上必要な外出: 病院への通院、銀行や役所での手続き、日用品の買い物など。

  • 余暇活動・社会参加: 映画鑑賞、コンサート、スポーツ、趣味のサークル活動など。

居住支援事業:安心して住み続けられる環境づくり

居住支援事業(対象:札幌市内・旭川市内、事業者登録審査中)は、住宅確保要配慮者が安心して住み続けられるよう、多角的なサポートを提供するものです。

  • 入居サポート: 住宅確保要配慮者に対する賃貸物件情報の提供、同行訪問、契約手続きの支援を行います。

  • 生活・見守り支援: 入居後の定期訪問や電話による状況確認、緊急時の対応支援を実施します。

  • 不動産オーナーへの安心提供: 孤独死リスクや家賃滞納などの不安を軽減するため、各種見守り・サポート体制を構築し、不動産オーナーにも安心を提供します。

NPO法人トラブル相談センターのこれまでの実績と今後の展望

NPO法人トラブル相談センターは、これまでに犯罪被害者支援や各種トラブル相談、生活支援活動など、多岐にわたる活動を展開してきました。北海道警察自主防犯パトロール登録団体や札幌市オレンジリボン地域協力団体としても活動しており、地域に根ざした支援を行っています。

同センターの理事長である岸本和幸氏は、住まいを失う不安と外に出られない不便は、人々の尊厳ある暮らしを脅かす重大な課題であると述べています。居住支援と福祉有償運送の両方を担うことで、住まいの確保から日々の移動まで、途切れることのない温かなサポートを提供していく考えです。すすきのを拠点に培った経験を基に、行政や医療・福祉機関、地域の協力者と連携し、誰もが安心して暮らせる街づくりに貢献していくことが期待されます。

読者からのよくある質問(Q&A)

Q1: どのような人が支援の対象になりますか?

A1: 主に高齢者、障がい者、DV被害者、生活困窮者など、住宅の確保や日常生活の移動に困難を抱える「住宅確保要配慮者」が対象となります。具体的な状況については、NPO法人トラブル相談センターへご相談ください。

Q2: サービス利用の料金はどのくらいですか?

A2: サービス内容によって料金は異なります。福祉有償運送事業の料金表は公式ウェブサイトに掲載されていますので、そちらで詳細をご確認いただくか、直接お問い合わせください。

Q3: 札幌市外でも利用できますか?

A3: 福祉有償運送事業と移動支援事業は札幌市内が対象です。居住支援事業については、札幌市内と旭川市内が対象となっています。その他の地域での支援については、NPO法人トラブル相談センターへ直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

まとめ:住まいと移動の二重の壁を解消するNPOの挑戦

NPO法人トラブル相談センターによる「福祉有償運送」と「移動支援」のダブル指定取得、そして「居住支援指定法人」の申請は、札幌および旭川地域における住宅困窮者や移動困難者の支援体制を大きく強化するものです。住まいと移動という生活の基盤をワンストップでサポートすることで、これまで制度の隙間にあった課題を解消し、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に貢献することが期待されます。

この新たな取り組みは、地域社会のセーフティネットをより強固なものとし、多様な人々が共生できる社会の実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。

関連情報

  • 団体名: NPO法人トラブル相談センター

  • 所在地: 〒064-0808 北海道札幌市中央区南8条西4丁目422番地41

  • 理事長: 岸本和幸

  • 活動内容: 犯罪被害者支援・トラブル相談・いじめ相談・虐待被害相談・DV被害相談・ストーカー被害相談・悪質ホスト問題・盗聴器発見探査・盗撮カメラ発見探査・防犯パトロール活動・身元保証・各種生活支援活動・福祉有償運送・移動支援・居住支援指定法人

  • 公式HP: https://kakekomidera-npo.com/

  • 本件に関するお問い合わせ先:

    • 担当:岸本和幸

    • TEL:011-200-9924

    • E-mail:susukinoshelter@gmail.com

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77