【難病支援】オスラー病患者の鼻出血ケアに朗報!止血材「サージセル」が保険適用、在宅での使用が可能に
指定難病227「オスラー病」による鼻出血に悩む患者さんにとって、朗報が届きました。高頻度鼻出血止血材「サージセル」が、2026年9月1日より特定保険医療材料として保険適用され、医師の指導のもと在宅での自己止血が可能になります。
この進展は、オスラー病患者さんの日常生活における負担を軽減し、生活の質(QOL)を向上させる上で大きな一歩となります。日本オスラー病患者会は、この保険適用に伴い、医療・薬局・救急関係者などを対象としたオンライン説明会を定期開催し、適切な情報提供と地域での連携強化を目指しています。

オスラー病とは?指定難病の理解を深める
指定難病227「オスラー病(HHT)」の基礎知識
オスラー病(遺伝性出血性毛細血管拡張症:HHT)は、全身の血管に異常が生じる遺伝性の血管疾患です。患者さんの90%以上が「くり返す鼻出血」を経験し、これが病気のサインとなることがあります。しかし、一般的な鼻血とは異なり、鼻腔内に多発する毛細血管拡張や血管奇形からの出血であるため、強く圧迫したり、無理に止血材料を挿入・抜去したりすると、かえって血管病変を傷つけ、再出血につながる可能性があります。
この病気は鼻出血だけでなく、肺、脳、肝臓、消化管などに血管奇形を生じることがあり、重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。そのため、早期にスクリーニング検査や遺伝子検査を行い、適切な治療につなげることが、患者さんの生活の質を大きく改善するために非常に重要です。

早期発見と適切な治療で未来を変える
オスラー病は難治性の難病ですが、適切なスクリーニング検査や遺伝子検査を経て早期に治療へつなげることで、重篤な合併症を予防し、患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)を大きく改善できる可能性があります。早期発見と適切な治療が、患者さんの未来に希望をもたらす鍵となります。

在宅での鼻出血ケアを支援する「サージセル」の保険適用
特定保険医療材料「サージセル」とは
「サージセル」は医薬品ではなく、酸化再生セルロースを使用した医療機器です。これまでオスラー病の鼻出血に対する在宅での有効な止血材の選択肢は限られていましたが、2026年5月13日に効能追加が承認され、同年8月5日の中央社会保険医療協議会(医療保険制度における診療報酬や薬価などを審議する厚生労働大臣の諮問機関)において保険適用が了承されました。これにより、9月1日から医師の指導のもと、在宅で自己止血に使用できる特定保険医療材料(保険診療で費用が償還される医療機器や材料)として取り扱われることになります。
この保険適用は、患者さんが繰り返す鼻出血に自宅で対応できるようになることを意味し、身体的・精神的負担の軽減、夜間・休日の救急受診の減少、そして輸血を必要とする重症化のリスク低減につながることが期待されます。
地域連携が鍵!患者が安心してサージセルを利用できる体制づくり
保険適用後の課題と日本オスラー病患者会の取り組み
サージセルが制度上使用可能になったとしても、全国各地の患者さんが実際に処方を受け、地域の薬局から円滑に受け取れるようになるためには、多職種間の連携が不可欠です。日本オスラー病患者会は、保険適用を「ゴール」とするのではなく、患者さんが居住地域にかかわらず、必要なときに適切な止血材料を使用できる体制を整えることが重要だと考えています。
具体的には、以下の関係者間の連携が必要とされています。
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医師による適切な診察、処方、および使用指導
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薬局における製品情報、発注・在庫、供給方法の把握・使用方法の説明
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看護師、訪問看護師によるオスラー病の認知や使用支援
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大量出血時に対応する救急隊・救急医療機関の理解
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地域の医療機関、薬局、患者さんとの情報共有
患者会は、これまでも患者さんの実態と要望を関係機関へ伝え、「オスラー病鼻血止血・基礎編ガイド」などの資料作成を通じて、在宅での止血方法の情報提供に努めてきました。今後は、サージセルの供給と使用方法だけでなく、滅菌綿球、滅菌ガーゼ、医療用手袋、廃棄袋など、衛生的な在宅自己止血に必要な関連資材の取り扱いについても、関係機関へ明確化を求めていく方針です。

医療関係者向けオンライン説明会で詳細情報を入手
日本オスラー病患者会は、サージセルの保険適用と地域における運用について理解を深めることを目的として、オンライン説明会を定期開催します。
オンライン説明会の主な内容
本説明会では、オスラー病の基礎知識からサージセルの承認・保険適用までの経緯、医療機関での処方と使用指導、薬局での取り扱い、在宅での自己止血方法、救急・在宅医療における対応、関連する衛生材料の現状と課題まで、多岐にわたる内容が予定されています。参加者からの質疑応答の時間も設けられています。
開催概要
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イベント名: オスラー病鼻出血止血材「サージセル」オンライン説明会
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開催日時: 2026年9月5日(土)
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第1部 15時00分~16時00分:理事長によるサージセルによる鼻血止血講演とオスラー病概要
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第2部 18時00分~19時30分:オスラー病を長年研究されている小宮山雅樹医師による講演、理事長によるサージセルによる鼻血止血講演
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開催方法: Zoomによるオンライン開催
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対象: 医師、薬剤師、薬局関係者、看護師、訪問看護師、救急隊員、救急医療関係者、在宅医療関係者、医療ソーシャルワーカー、保健師、難病相談支援関係者、行政関係者、その他本テーマに関心のある医療関係者
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参加費: 無料(患者会の会費で運営されているため、可能であれば寄付をお願いします)
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定員: 80名
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申込期限: 2026年9月4日(金)

日本オスラー病患者会の取り組みと今後の展望
患者会からのメッセージ
日本オスラー病患者会 代表理事の村上匡寛氏は、「サージセルの効能追加と保険適用は、繰り返す鼻出血に苦しむオスラー病患者にとって大きな前進です。しかし、制度が整っても、医療機関や薬局に情報が届かなければ、患者が地域で実際に使用することはできません。診断率10%と非常に低く放置されている患者は相当数存在します。医師、薬剤師、看護師、救急隊員をはじめとする地域医療の皆様に、オスラー病の鼻出血の特徴とサージセルの取扱いを知っていただくことが必要です。患者が大量出血に至る前に、自宅で安全かつ適切に止血できる環境を全国に広げるため、患者会として医療関係者への情報提供と連携に取り組んでまいります」とコメントしています。
患者会の概要
特定非営利活動法人 日本オスラー病患者会は、オスラー病(HHT)の患者さんやその家族を支援する団体です。オスラー病の認知度向上、早期診断、適切な検査・治療、鼻出血ケアの改善、多診療科による連携診療の普及などを目的として、患者交流会、医療講演会、情報提供、相談支援、行政・関係機関への要望活動など、多岐にわたる活動を展開しています。
- ホームページ: https://www.hht.jpn.com/

まとめ
オスラー病患者さんにとって、高頻度鼻出血止血材「サージセル」の保険適用は、在宅での鼻出血ケアを可能にし、日常生活の質を大きく改善する可能性を秘めた重要なニュースです。この新たな医療環境が全国の患者さんに届くよう、医療関係者間の連携と情報共有がますます重要になります。

