障害のある方の「お金の不安」実態調査:LITALICO仕事ナビがレポート公開

働くことに障害のある方の就職情報サイト「LITALICO仕事ナビ」は、会員登録している障害や難病のある方を対象に「離職中のお金に関する実態調査」を実施しました。101名から得られた回答からは、精神的な不調などにより離職を余儀なくされた際に、9割以上の方が生活費の工面に不安を感じ、公的支援の申請にも困難があることが示されています。

休職・退職中の9割が「お金に不安」、家計の約7割が「赤字」に直面

調査結果によると、休職・退職中(または検討中)の生活費など「お金に対する不安」を感じている方は、93.6%に上ります。「非常に不安を感じる」が72.3%、「やや不安を感じる」が21.3%という結果です。体調が優れない中で収入が減少することは、多くの人にとって大きな心理的負担となることが浮き彫りになりました。

お金に対する不安の円グラフ

また、休職・退職中の家計状況については、約7割(68.1%)が「支出が収入を上回る(赤字)」と回答しています。収入の減少が家計を圧迫し、多くの人が自身の貯蓄や家族からのサポートによって生活を維持している実態がうかがえます。

家計の状況の円グラフ

公的支援制度の利用に壁:情報不足と手続きの複雑さが課題

調査では、離職前に公的支援制度を正しく理解していた方は約3割にとどまることも判明しました。「手続きの手間」や「仕組みの複雑さ」が情報不足の主な課題として挙げられています。

休職や退職という状況下でも、医療費や日々の生活費は継続して発生するため、家計は厳しくなりがちです。このような状況を乗り切るために活用できる公的制度には、以下のようなものがあります。

  • 自立支援医療:精神通院医療、更生医療、育成医療の3種類があり、医療費の自己負担を軽減する制度です。

  • 障害年金:病気やけがによって生活や仕事に支障がある場合に、国から支給される公的年金です。

  • 失業保険(求職者給付):雇用保険の被保険者が失業した際に、生活の安定と再就職を支援するために支給される手当です。

  • 障害者手帳を活用した割引・サービス制度:公共交通機関の運賃割引や、公共施設の利用料割引など、様々なサービスが受けられます。

これらの制度を適切に利用することが、経済的な負担を軽減し、安心して療養に専念するための重要な鍵となります。

経済的な不安を乗り越えるための情報提供と今後の展望

LITALICO仕事ナビでは、今回の調査結果を踏まえ、当事者のリアルな声や家計の工夫、公的支援制度に関する詳細な情報を公開しています。経済的な不安を抱える方々が、適切な情報を得て次の一歩を踏み出せるよう、具体的な支援策や節約術についても解説しています。

LITALICO仕事ナビの取り組みと「障害のない社会をつくる」ビジョン

LITALICOは「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、障害のある方が自分に合った環境を見つけ、主体的に活躍できる社会を目指して活動しています。LITALICO仕事ナビもその一環として、障害者雇用に特化した求人情報や就職活動に役立つ記事、福祉事業所の情報などを提供し、障害のある方の就職・転職活動を強力にサポートしています。

今後も、このような情報発信を通じて、社会全体で誰もが安心して過ごしやすい環境づくりに貢献していくことが期待されます。

LITALICO仕事ナビのウェブサイト

調査概要

  • 調査名:離職中のお金に関する実態調査

  • 調査期間:2026年6月21日~2026年7月2日

  • 調査対象:LITALICO仕事ナビに会員登録している障害や難病のある方

  • 有効回答数:101名

  • 調査方法:インターネット調査

LITALICO仕事ナビのロゴ

出典元:LITALICO仕事ナビ調べ https://snabi.jp/article/1015

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77