特別支援学校の校外学習・修学旅行が変わる!SMALL WORLDSとカムカムスワローが「食のバリアフリー」推進で連携

2026年7月、医療法人社団登豊会近石病院が運営するカムカムスワローと株式会社SMALL WORLDSは、特別支援学校などの校外学習・修学旅行における嚥下調整食(えんげちょうせいしょく)の提供と、インクルーシブな食環境の整備を目的とした連携協定を締結しました。

この連携により、SMALL WORLDSを訪れる特別支援学校の児童・生徒は、カムカムスワローが提供する嚥下調整食を友人と共に楽しむことができるようになります。本取り組みはすでに開始されており、現在、学校からの利用相談を受け付けています。

シェフが料理を仕上げている様子

嚥下調整食(えんげちょうせいしょく)とは?

嚥下調整食とは、飲み込みが難しい方(嚥下障害を持つ方)のために、食べ物の形態やとろみ、やわらかさを調整した食事のことです。誤嚥(ごえん)のリスクを減らし、安全に食事を楽しめるように工夫されています。

校外学習・修学旅行における「食」の課題と新たな解決策

校外学習や修学旅行は、子どもたちにとって貴重な学びと体験の機会です。しかし、嚥下調整食やアレルギー配慮食など、特別な配慮が必要な児童・生徒にとっては、外出先で適切な食事を確保することが難しいという課題がありました。これにより、食事への不安が校外活動への参加をためらう要因となることもあったようです。

受け入れ施設側も、個別の食形態やアレルギー情報を事前に把握し、安全に食事を提供するための体制を整えることに課題を感じていました。

このような背景を受け、カムカムスワローとSMALL WORLDSは、医療・栄養の専門職が関わる嚥下調整食の提供と受け入れ体制の整備を通じて、食形態に配慮が必要な児童・生徒が友人と同じ空間で食事を楽しめる環境づくりを進めます。

連携による具体的な支援フロー

今回の連携では、カムカムスワローが学校側と事前にヒアリングを行い、児童・生徒に必要な食形態、アレルギー、提供時の配慮事項などを確認します。この情報に基づき、歯科医師監修のもと、管理栄養士が開発した嚥下調整食を調理し、SMALL WORLDSへ配送します。

SMALL WORLDSでは、共有された手順に沿って再加熱や盛り付けを行い、児童・生徒が安心して食事を楽しめる環境を提供します。

カムカムスワローのサービス利用の流れを示す図

連携のポイント:一体的なサポート体制

この取り組みの大きな特徴は、単に食事を提供するだけでなく、学校とSMALL WORLDSの間にカムカムスワローが入り、事前確認から提供手順の整理までを一体的にサポートする点です。これにより、SMALL WORLDS側の負担が軽減され、食形態に配慮が必要な児童・生徒が、より多くの機会で仲間と一緒に食事を楽しめるようになります。

みんなで「一緒に食べられる」喜びを!嚥下調整食の提供

カムカムスワローは、嚥下調整食やソフト食、アレルギー配慮食の提供、栄養相談などに取り組んできた病院併設のインクルーシブカフェです。これまでに、30件以上の特別支援学校や障害児支援施設の団体利用に対応し、延べ80名以上に嚥下食を提供した実績があります。

カムカムスワローは、「食べられる」だけでなく、「一緒に食べられる」ことを大切にしています。今回の連携を通じて、食事への不安を理由に校外学習や修学旅行への参加を諦めることがないよう、子どもたちの“食の体験”を支えていく方針です。

ピューレ状に盛り付けられた色とりどりのやわらかい食事

濃厚なソースがかかった肉料理とマッシュ野菜が盛り付けられた洋食

※ソフト食は、舌でつぶせる程度のやわらかさに調整されています。実際のやわらかさについては、以下の動画で確認できます。
https://youtube.com/shorts/gMvBgzFplPc?si=YBDxjs-2PMTp3F_N

関係者の声:食のバリアフリーへの熱い想い

今回の連携にあたり、関係者からは食のバリアフリー推進への強い想いが寄せられています。

カムカムスワロー 代表 近石 壮登 氏

「『食べたいものを、みんなと一緒に食べる』という願いは、嚥下障害や食物アレルギーなどにより、まだ多くの方にとって実現が難しい現状があります。医療現場で培った知識や技術を生かし、誰もが安心して同じ食卓を囲み、同じ体験を共有できる社会の実現を目指してきました。今回の連携は、テーマパークという多くの人が笑顔で集う場所から、『食のバリアフリー』と『インクルーシブな食環境』を全国へ発信する大きな一歩になると考えています。今後もSMALL WORLDS様とともに、医療、福祉、教育、観光の垣根を越え、障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが安心して外出し、食事を楽しめる新たな社会モデルを創り、日本全国へ広げてまいります。」

カムカムスワロー 調理師 仙石 浩之 氏

「人生を楽しむうえで、食事は大切な要素の一つです。食事を楽しむことは、すべての人にある大切な権利だと考えています。病気や障害、加齢などによって、その楽しみが失われてしまった方々を、調理師として支えていきたいと思っています。誰と、どこで、何を食べるのか。医療・福祉・教育など、それぞれの専門職の方々と力を合わせ、一人ひとりが思い描く食事の楽しみを実現していきたいです。そしていつの日か、嚥下食や介護食が特別なものではなく、誰もが自然に選べる、ごく普通の食事の一つになることを願っています。」

株式会社SMALL WORLDS 教育/団体ユニット Director 竹村 真紀子 氏

「多様な特性がある方にも、少しでも美味しいものを食べてもらいたい。できることには限りがありますが、SMALL WORLDSは食の感動に対して妥協をしたくありませんでした。そこで出会ったのがカムカムスワロー様です。『どうしたら仲間と食事を楽しみ、安全に食べてもらえるか』を追求される姿は、まさに私たちの想いと重なります。安全性はもちろん、『見た目の美しさや美味しさ』にもこだわり抜いたペースト食は、私たちが思い描いていた理想の食体験です。パートナーとしてご協力いただけることに感謝し、ともにパークでの思い出をより豊かにしてまいります。」

カムカムスワローとSMALL WORLDSとは

カムカムスワローについて

カムカムスワローは、岐阜市にある病院併設のコミュニティスペースです。「地域と医療をつなぐ場」をコンセプトに、飲み込みやすさに配慮したメニューの提供や栄養相談、地域イベントなどに取り組んでいます。誰もが安心して食を楽しめる場づくりを通じて、地域におけるインクルーシブ(包容的、排除しない)な食環境の推進を目指しています。

公式サイト:https://comeswa.jp

株式会社SMALL WORLDSについて

スモールワールズ TOKYOの入口前にあるエヴァンゲリオン初号機の巨大な像

株式会社SMALL WORLDSは、東京・有明にあるミニチュアミュージアム「スモールワールズ」を運営しています。精巧なミニチュアの世界を通じて、子どもから大人まで楽しめる体験の場を提供。学校団体向けプログラムも展開しており、校外学習や修学旅行などにおける学びと体験の場として活用されています。

公式サイト:https://smallworlds.jp

まとめ:インクルーシブな社会の実現へ

今回のカムカムスワローとSMALL WORLDSの連携は、特別支援学校の児童・生徒が校外学習や修学旅行で「みんなと一緒に食べたい」という願いを叶える、重要な一歩となります。食のバリアフリーを推進し、誰もが安心して外出や食事を楽しめるインクルーシブな社会の実現に向けた、今後の展開にも期待が寄せられます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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