SOGI理解増進法に基づく基本計画が閣議決定!ReBitが自治体向けLGBTQ/SOGIE施策の好事例集を無償公開

2026年6月16日、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(通称:SOGI理解増進法)に基づく基本計画が閣議決定されました。これにより、地方公共団体におけるLGBTQ/SOGIE施策の推進は、これまで以上に重要な課題として位置づけられています。

こうした背景を受け、認定NPO法人ReBit(リビット)は、80の省庁・自治体、6の自治体関連施設、16の法人・団体等による計102事例を掲載した「自治体LGBTQ/SOGIEできることハンドブック(第二版)」を無償で公開しました。このハンドブックは、自治体がLGBTQ/SOGIEに関する取り組みを進める上での具体的なヒントや好事例を提供し、多様な人々が安心して暮らせる地域づくりを後押しすることを目指しています。

SOGI理解増進法とは?基本計画閣議決定の背景と自治体の役割

SOGI理解増進法は、性的指向(Sexual Orientation)及びジェンダーアイデンティティ(Gender Identity)の多様性への理解を深め、誰もが寛容な社会を実現することを目的に、2023年6月に制定されました。性的指向とは、人の恋愛や性愛の対象がどの性別に向かうかを示す概念であり、ジェンダーアイデンティティとは、自身がどの性別であると認識しているかを示す概念です。

この法律では、地方公共団体に対し、地域の状況に応じた理解増進施策の策定・実施に努めることが明記されています。そして今回、2026年6月16日に基本計画が閣議決定されたことで、国と地方が連携し、具体的な施策を推進する動きが加速することが期待されます。閣議決定とは、内閣が意思決定を行うことであり、これにより政府としての正式な方針が示されます。

認定NPO法人ReBit、「自治体LGBTQ/SOGIEできることハンドブック(第二版)」を無償公開

ReBitは、2009年の設立以来、200を超える自治体のLGBTQ/SOGIE施策に長年伴走してきた経験を持つ認定NPO法人です。認定NPO法人とは、NPO法人の中でも特に公益性が高く、運営が適正であると認められた法人を指します。

今回公開された「自治体LGBTQ/SOGIEできることハンドブック(第二版)」は、2024年3月に発行された初版の改訂版であり、三菱財団の助成を受けて制作されました。

自治体 LGBTQ/SOGIE できることハンドブック

なぜ今、自治体向けハンドブックが必要なのか?

ReBitの調査によると、LGBTQの人々は様々な困難に直面しています。学齢期にはLGBTQの68%がいじめを経験し、トランスジェンダーの74%が就職活動や転職時にハラスメントを経験している現状が明らかになっています。また、社会的な困難や差別が原因で、精神障害、生活困窮、自死のリスクが高い層であることも指摘されています。

さらに、行政や福祉サービスという本来の安全網を利用する際に、78%もの人々が困難やハラスメントを経験しているというデータもあります。これらの課題は、障害福祉の分野で支援を必要とする人々が直面する状況とも共通する部分が多く、多様な人々が安心して暮らせる地域づくりには、自治体の積極的な取り組みが不可欠です。

ハンドブックの内容と活用方法

本ハンドブックでは、LGBTQ/SOGIE施策を進める上での取り組みを、主に以下の3つの観点から整理しています。

  1. 政策・企画/経営での取り組み
  2. LGBTQ/SOGIE施策の主管課での取り組み
  3. 関係部署ごとの取り組み

自治体 LGBTQ/SOGIE できることハンドブック 内容

各項目では、自治体で実施できること、検討のポイント、具体的な自治体事例が紹介されており、自治体全体の方針づくりから各課での実践まで、幅広く活用できる内容です。また、参考資料として、LGBTQに関連する法律・条例の整理、LGBTQの現状に関するデータや当事者の声、参考となる文献・調査、相談資源なども掲載されており、施策検討だけでなく、LGBTQ/SOGIEに関する理解を深める資料としても役立ちます。

この資料は、地方公共団体の職員だけでなく、まちづくりや地域づくりに携わる方であれば誰でも無料で活用できます。

無料ダウンロードと郵送での提供

本資料は、以下のページから無料でダウンロードが可能です。また、自治体ごとに印刷した冊子を無償で送付するサービスも提供されています。

ReBit代表理事からのメッセージ:LGBTQが安心して暮らせる地域へ

認定NPO法人ReBit代表理事の藥師実芳氏は、LGBTQの人々が直面する困難な現状を指摘し、自治体による取り組みの重要性を強調しています。

 

「LGBTQも安心して学び・働き・暮らすためには、自治体の取り組みが不可欠です」と述べ、SOGI理解増進法の制定と基本計画の閣議決定を受け、自治体の取り組みがさらに広がることを願うコメントを発表しました。ReBitは、精神障害や生活困窮など喫緊の状況にあるLGBTQの人々への生活・就労支援も行っており、LGBTQなど多様性にフレンドリーな就労移行支援事業所(障害福祉サービス)も運営しています。

認定NPO法人ReBitの活動について

ReBitは、「LGBTQもありのままで学び・働き・暮らせる社会」を目指して活動する認定NPO法人です。2009年の設立以来、行政、学校、企業において、LGBTQやダイバーシティに関する授業・研修を2,300回以上、延べ33万人超に提供してきました。

ReBit ロゴ

団体名には「少しずつ(Bit)」を「何度でも(Re)」繰り返すことで社会が前進してほしいという願いが込められています。ReBitの活動は、多様な人々が共生できる社会の実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。

まとめ

SOGI理解増進法に基づく基本計画の閣議決定は、LGBTQ/SOGIEに関する施策推進の大きな節目となります。認定NPO法人ReBitが公開した「自治体LGBTQ/SOGIEできることハンドブック(第二版)」は、自治体が具体的な取り組みを進める上で貴重な情報源となるでしょう。このハンドブックを活用し、LGBTQの人々を含むすべての多様な人々が安心して暮らせる地域づくりが全国で加速することが期待されます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77