江戸川区に新たな障害児支援の拠点誕生!医療的ケア児も受け入れる認可保育所が2027年春開設へ
2027年4月、東京都江戸川区に認定NPO法人おれんじハウスが運営する「(仮称)おれんじハウス東葛西保育園」が開設されることが決定しました。本園は、医療的ケア児や発達支援を必要とする子どもたちを受け入れる認可保育所として、保育を入口に地域全体の支援をつなぐ新たなモデルの構築を目指します。
江戸川区で始動する「医療的ケア児」を支える地域支援モデルとは?
待機児童ゼロの先へ:多様な保育ニーズと「支援の分断」という課題
江戸川区では保育環境の整備が進み、待機児童問題の解消が進む一方で、医療的ケア児や障害のある子どもたち、個別の支援を必要とする子どもたちの受け皿確保が依然として重要な地域課題となっています。
医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろうなどの医療機器を必要とする子どもたちのことを指します。近年、こうした医療的ケア児や発達支援を必要とする子どもと家族への支援体制の整備が全国的に進められていますが、単に保育の受け皿を増やすだけでは解決できない問題が存在します。
現状では、保育、医療、療育、福祉、教育、相談支援といった支援がそれぞれ分断されているため、「どこに相談すればよいかわからない」「保育と医療の連携が難しい」「成長や制度の区切りで支援が途切れてしまう」といった状況が生まれています。また、医療的ケアには至らないものの、継続的な見守りや発達面での支援を必要とする子どもたちもおり、彼らと家族が早期に相談でき、必要な支援につながる入口を地域の中に増やすことが求められています。
認定NPO法人おれんじハウスは、この課題を「支援の不足」だけでなく、「支援の分断」の問題として捉え、葛西地区で小規模認可保育園や児童発達支援事業を運営する中で、これらの地域課題と向き合ってきました。
横浜での実績を活かす「そだちとケアベース」とは?
認定NPO法人おれんじハウスは、2026年4月に横浜市内で「おれんじハウスそだちとケアベース二俣川」および「おれんじハウスそだちとケアベース戸塚」を開設し、運営しています。
「そだちとケアベース」は、保育・医療・発達支援・放課後支援・相談支援を一体的に捉え、子どもと家族の暮らしを地域の中で切れ目なく支えることを目指す拠点です。医療的ケアの有無や発達特性にかかわらず、子どもたちが同じ地域の中で育ち合い、家族が孤立せずに必要な支援につながれる環境づくりを進めています。

今回開設される「(仮称)おれんじハウス東葛西保育園」でも、この横浜市内2拠点での実践を踏まえ、葛西地区の地域課題解決に取り組んでいく予定です。葛西地区でこれまで運営してきた保育・発達支援の事業に、新たに医療的ケア児等を受け入れる認可保育所を加えることで、地域の支援体制をさらに広げていきます。
保育園を核とした「切れ目のない支援」を目指す4つの柱
(仮称)おれんじハウス東葛西保育園が担う役割
「(仮称)おれんじハウス東葛西保育園」は、単なる保育施設にとどまりません。子どもと家族にとって最初の相談先となる「入口」、必要な支援へつなぐ「つなぎ役」、そして地域で支援を実践する「実践の場」としての役割を担います。

認定NPO法人おれんじハウスが葛西地区で運営してきた既存事業との連携に加え、地域の保育施設、医療機関、訪問看護事業所、児童発達支援事業所、相談支援事業所、学校・教育機関、行政機関など、多岐にわたる機関と連携しながら、地域全体で子どもと家族を支える仕組みづくりを進めます。
また、新園開設とあわせて、子ども専門訪問看護ステーションの開設も予定されています。将来的には相談支援事業所の設置も視野に入れ、保育・医療・発達支援・相談支援がより連続して機能する体制づくりを目指しているとのことです。
葛西地区で実現する地域支援モデルの具体的な方針
本構想では、次の4つの支援方針を掲げています。
- 子どもに合わせて支援を組み替える: 「制度に暮らしを合わせる」のではなく、「暮らしに合わせて制度や支援を組み合わせる」という考え方に基づき、子どもと家族が望む暮らしを実現できる地域の仕組みづくりを目指します。
- 保育・医療・福祉を切り分けない: 地域の保育所、医療機関、支援機関と一体となり、子どもと家族の暮らしを切れ目なく包括的に支援します。
- 制度の枠を越えて、できることを考える: 日常的な関わりを窓口として、まずは困りごとを受け止め、地域の関係機関とともに、その子どもと家族に必要な支援の可能性を探ります。
- 「どこに相談すればいい?」をなくす入口に: 支援を必要とする家族が迷うことなく相談でき、必要な支援につながる最初の入口となることを目指します。
認定NPO法人おれんじハウス 理事長が語る支援への想い
認定NPO法人おれんじハウス理事長の中陳亮太氏は、今回の取り組みについて以下のように述べています。
「医療的ケアが必要な子どもの親として、多くの支援に助けられる一方で、『制度はあるのに、どこに相談すればよいかわからない』という難しさも感じてきました。今回の取り組みは、医療的ケア児等を受け入れる保育園をつくるだけではありません。保育を入口に、地域の保育・医療・福祉・教育をつなぎ、子どもと家族が迷わず必要な支援に出会える仕組みを、葛西で実装していきます。横浜で始まった実践も活かしながら、葛西の実情に合う形で、日常の保育の中から支援につながる地域モデルを、地域の皆さまとともに育てていきます。」
このコメントからは、中陳氏自身の経験が、今回の地域支援モデル構築への強い動機となっていることがうかがえます。
「(仮称)おれんじハウス東葛西保育園」施設概要
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施設名: (仮称)おれんじハウス東葛西保育園
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所在地: 東京都江戸川区東葛西
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開設予定: 2027年4月
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施設種別: 認可保育所
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定員: 63名(通常定員60名、医療的ケア児等3名)
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運営法人: 認定NPO法人おれんじハウス
認定NPO法人おれんじハウスとは
認定NPO法人おれんじハウスは、「すべての家族に子育てのよろこびを すべてのこどもに“その子らしさ”を」をビジョンに掲げ、保育、発達支援、看護・医療などを通じて、子どもと家族を支援している団体です。年齢や特性にかかわらず、一人ひとりの育ちを地域全体で支えることを目指し、医療的ケア児の居場所づくりや、保育・医療・福祉の枠を越えた支援に取り組んでいます。
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団体名: 認定NPO法人おれんじハウス
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所在地: 〒221-0052 神奈川県横浜市神奈川区栄町1-19 グレイス横浜ポートシティ1階
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代表者: 理事長 中陳亮太
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設立: 2013年4月1日
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活動内容: 保育、児童発達支援、放課後等デイサービス、医療的ケア児支援、訪問看護、診療、相談支援、地域子育て支援など
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公式サイト: https://orangebaby.org/
まとめ:障害福祉の未来を拓く地域連携の可能性
認定NPO法人おれんじハウスが江戸川区で取り組む地域支援モデルは、医療的ケア児や発達支援を必要とする子どもたちとその家族が、地域の中で孤立せず、必要な支援にスムーズにつながれる社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。保育所を核として、医療、療育、福祉、教育、相談支援が連携するこの新しい試みは、今後の障害福祉分野における地域支援のあり方に大きな示唆を与えることが期待されます。

