発達障害や不登校の子どもを育てる親の多くが、「なんとかしなくちゃ」と自分を追い詰めてしまう現実があります。今回出版された新刊『「なんとかしなくちゃ」を手放したら、子どもは自分から動き出す』は、4人の発達障害の子どもを育てた母親が、20年・400回の講演経験を通して見つけた“じゃましない子育て”のヒントをまとめた一冊です。

発達障害・不登校の子育てに向き合う母親が語る「じゃましない子育て」とは

2026年7月、子育て支援団体「ゆるみ☆子育て」代表・堀内裕子さんの新刊『「なんとかしなくちゃ」を手放したら、子どもは自分から動き出す』が出版されました。

堀内さんは、

  • 発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD・学習障害)をもつ4人の子どもの母
  • 全員が不登校を経験
  • 現役の保育士
  • 全国400回以上の講演実績

という背景を持つ支援者です。

「なんとかしなくちゃ」が親を追い詰める

発達障害や不登校の子どもを育てる親は、

  • 早く学校に戻さなきゃ
  • みんなと同じように育てなきゃ
  • うちの子の育て方が悪かったのかもしれない

と自分を責めてしまうことがあります。

堀内さんは、こうした“無言の圧力”が親を孤立させ、子どもの困りごとをさらに複雑にすると指摘しています。

不登校は「特別な問題」ではなく日常に起きている

文部科学省の発表によると、2024年度の不登校児童生徒数は 35万3,970人。 12年連続で過去最多を更新し、 中学校では在籍生徒の約15人に1人が不登校 という状況です。

不登校の背景は一人ひとり異なる

  • 発達特性による学校生活の負担
  • 友人関係のストレス
  • 感覚過敏
  • 学習のつまずき
  • 家庭環境の変化

「怠けている」「甘えている」という単純な問題ではなく、複合的な要因が重なって起こることが多いとされています。

新刊が伝える“じゃましない子育て”の5つの言葉

書籍の中心となるのは、親が抱え込んでいる「なんとかしなくちゃ」を手放すための5つの視点です。

① 説明する

子どもが困っているとき、親が先回りして行動するのではなく、状況を丁寧に言葉で伝えることが大切だと説いています。

② 子どもが選ぶ

「親が決める」から「子どもが選ぶ」へ。 選択肢を提示し、本人が選べる環境を整えることが自己決定感につながります。

③ 親バカになる

子どもの小さな成長を肯定的に受け止める姿勢。 「できないところ」より「できているところ」に目を向ける視点です。

④ ま、いっか

完璧を求めず、力を抜くこと。 親の緊張が子どもに伝わるため、まず親自身がゆるむことが重要とされています。

⑤ でも、あきらめない

手放すことと放置は違う。 子どものペースを尊重しながら、必要な支援は続けるというバランスの視点です。

発達障害の子育てに必要なのは「親の孤立を防ぐこと」

堀内さんは、20年の支援経験から、 親が孤立すると、子どもの困りごとが深刻化しやすい と繰り返し語っています。

孤立を生む要因

  • 周囲に相談できる人がいない
  • 発達障害への理解不足
  • 学校とのコミュニケーションの難しさ
  • 親自身が「自分のせい」と思い込む

こうした状況を変えるために、堀内さんは講演活動や支援活動を続けています。

まとめ|「なんとかしなくちゃ」を手放すことが、子どもの自立につながる

今回の新刊は、

  • 発達障害
  • 不登校
  • 子育ての孤立

に悩む家庭にとって、具体的なヒントが詰まった一冊です。

親が“力を抜く”ことで、子どもが自分のペースで動き出す。 そのプロセスを丁寧に描いた内容は、障害福祉の支援者にとっても学びが多いテーマです。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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