障がい者採用目標の達成状況と雇用状況

2025年度の障がい者採用目標について、「達成済み」(34.2%)と「達成見込みである」(30.8%)を合わせると6割を超えていますが、約5社に1社(22.4%)は「目標達成が難しい」と回答しており、法定雇用率引き上げを前に苦戦している企業があることが示されています。

障がい者の採用目標人数達成度

現在雇用している障がい種別を見ると、「身体障がい」(83.2%)が最も多く、「発達障がい」(37.8%)と比較すると約2.2倍の差があります。

実際に雇用している障がい種別 (複数回答)

積極的な採用と障がい種別ごとの課題

現在の採用活動において「最も積極的に採用を進めている障がい種別」として、半数以上の企業が「身体障がい」(51.0%)を挙げています。これに対し、「精神障がい」(11.2%)、「発達障がい」(8.4%)、「知的障がい」(9.1%)は各1割前後にとどまっています。

最も積極的に採用を進めている障がい種別

身体障がい者を積極的に採用する理由としては、「コミュニケーション面の不安が比較的少ないため」(45.2%)が最も多く、次いで「業務の切り出し・役割設計がしやすいと感じるため」(38.4%)、「過去に雇用実績があり、受け入れイメージが持ちやすいため」(38.4%)が挙げられています。これは、身体障がい以外の障がい種別に対する受け入れノウハウの不足を示唆している可能性があります。

身体障がい者を積極的に採用している理由 (最大3つまで)

障がい種別ごとの採用・定着の難易度については、「精神障がい」が70.7%と最も高く、「身体障がい」(42.0%)と比較して約30ポイントの差が見られました。知的障がいや発達障がいも6割以上の企業が「難しい」と感じています。

【障がい種別】採用や定着に難しさを感じるか

難しいと感じる理由として、身体障がいでは「応募が少ない」(45.0%)が最大の課題である一方、精神・発達・知的障がいでは「適した業務が見つけにくい」が最多となっています。これは、身体障がいでは採用前の母集団形成が、その他の障がい種別では採用後の役割設計がそれぞれ課題となっていることを示唆しています。

【障がい種別】採用や定着において難しいと感じる理由 (最大3つまで)

今後の採用予定と課題解決への鍵

今後の障がい者の採用数については、「増加する予定」(33.6%)と「変化なし」(65.0%)を合わせると9割以上が維持・拡大の意向を示しています。

障がい者の採用数の増減予定

今後より積極的に採用を進めていきたい障がい種別としては、依然として「身体障がい」(44.1%)が最多ですが、「精神障がい」(14.7%)、「発達障がい」(11.2%)も1割を超えており、従来の採用・受け入れ方法だけでは対応が難しいと感じ、体制や業務設計の見直しに取り組む企業が増えている可能性があります。

今後より積極的に採用を進めていきたい障がい種別

多様な人材を採用する上での課題としては、「業務の切り出しや適切な役割設定を行うノウハウの不足」(40.2%)、「現場の社員が障がい特性への理解を深める機会の不足」(37.4%)が上位に挙がりました。個々の特性に合わせた役割の創出や、必要な配慮のための理解を深める機会の必要性が示されています。

障がい種別を問わずに、より多様な人材を採用するうえでの課題 (最大3つまで)



専門家からの視点:ニューロダイバーシティの重要性

ワークリア事業部責任者の津留有希子氏は、今回の調査結果について、障がい種別ごとに雇用に対するハードルに差があることを指摘しています。身体障がい者の雇用では「母集団形成」が課題となる一方、精神・発達・知的障がいを持つ方の雇用では「役割設計」に課題を感じる企業が多いことが、特定の種別への採用偏重を招いている原因であると分析しています。

ワークリア事業部責任者・津留有希子氏

津留氏は、近年増加傾向にある精神障がい者の雇用数に触れつつ(厚労省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果 p.2」参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001357856.pdf)、雇用経験の少ない障がい種別においては知見不足から課題を感じるケースが多いと述べています。人手不足が深刻化する中で、企業が持続的に成長するためには、障がい種別という枠組みだけでなく、一人ひとりの特性をどのように活かせるかという視点を持つことが重要であると強調しています。

特に、「ニューロダイバーシティ」という考え方、つまり発達障がいなどの特性を強みとして捉え、社会の中で尊重する視点が注目されています。障がいを「特性」として捉え、戦力として活かす発想は、企業にとって大きな可能性を秘めています。これを実現するためには、対話を通じた合理的配慮の提供と、共に働く社員の理解促進が不可欠であると、ワークリアは今後も支援していく方針です。

この調査は、2026年1月12日から16日にかけて、障がい者雇用を実施する企業の採用担当者143名を対象にインターネットで実施されました。詳細については、ワークリアのウェブサイト(https://worklear.jp/)をご参照ください。

レバレジーズ株式会社について

レバレジーズ株式会社は、2005年4月に設立され、自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業など多岐にわたる事業を展開しています。社会の課題を解決し、関係者全員の幸福を追求することをミッションに掲げ、インターネットメディア・人材・システムエンジニアリング・M&Aの領域で問題解決に取り組んでいます。同社の詳細については、ウェブサイト(https://leverages.jp/)をご覧ください。



Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77