絆ホールディングスが会社更生法を申請し実質倒産へ

障害報酬不正受給の全容とA型事業所閉鎖の影響、利用者の失業リスク

2026年6月22日、障害福祉サービス大手の株式会社絆ホールディングスが大阪地裁に会社更生法の適用を申請し、実質的に倒産したことが報じられました。 負債総額は約289億円に及ぶ模様です。

本記事では、これまで報道された絆ホールディングスの「障害報酬不正受給の経緯」 と今回の倒産報道、そして利用者の失業リスク・通所先喪失の問題 も併せてお伝えします。

絆ホールディングスとは

大阪市中央区に本社を置き、就労継続支援A型・児童発達支援・放課後等デイサービスなどを展開してきた福祉企業です。

理念は「障害者が戦力として活躍できる社会の実現」。 しかし2026年3月、大阪市の監査により 大規模な不正受給 が発覚しました。

明らかになった絆ホールディングスの「不正受給の構造」

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👉 株式会社絆ホールディングスの障害報酬不正受給とは?

不正の中心:就労移行支援体制加算の水増し

本来は「一般企業に就職し6カ月定着した利用者」に対して支払われる加算金。 絆HDはこれを “ローテーション雇用” によって繰り返し請求していたとされています。

ローテーション雇用の仕組み(要点)

  • 利用者をA型事業所のスタッフとして6カ月雇用
  • 6カ月後に利用者に戻す
  • 再びスタッフとして雇用
  • これを繰り返し、同一人物で加算を何度も請求

制度の穴を突いた悪質な手法であり、 利用者のキャリア形成を阻害する重大な問題です。

行政処分とA型事業所の閉鎖

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2026年3月、大阪市は絆HD傘下のA型事業所4カ所に対し指定取消処分を発表。 4月末にはグループ全A型事業所が閉鎖され、 1000人以上の障害者が影響を受ける事態となりました。

利用者からは以下の声も寄せられています。

  • 「次の進路を案内されていない」
  • 「在宅利用ばかりで実質的な支援がなかった」
  • 「就労支援というより労働力扱いだった」

会社更生法の申請へ

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報道によると、絆ホールディングスと関連会社3社は 2026年6月22日、大阪地裁に会社更生法を申請

関連NPO法人リアンは破産申請を行いました。

負債総額:約289億円

  • 不正受給による返還請求:約110億円
  • 事業停止に伴う損失
  • 取引先への未払い

経営継続は困難となり、実質的な倒産となりました。

倒産によって何が起きるのか

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今回の倒産は、単なる企業の破綻ではありません。 利用者の生活・雇用・福祉サービスの継続に直結する重大な問題です。

ローテーション雇用されていた利用者は「失業」の可能性が高い

ローテーション雇用とは、 「加算を得るためだけに短期雇用を繰り返す仕組み」でした。

そのため、今回の倒産により、

■ 実質的に“雇用契約の受け皿”が消滅

  • A型事業所の閉鎖
  • グループ会社の事業停止
  • 新たな雇用先の確保が困難

■ 利用者の多くが「突然の失業状態」に

  • 雇用契約が終了
  • 工賃・給与が途絶える
  • 生活が不安定化

■ 特に影響が大きい層

  • 一般就労が難しい障害特性のある人
  • 長期的な支援を必要とする人
  • 生活保護や家族支援に頼れない人

ローテーション雇用は本来の就労支援ではなく、 “加算のための雇用”だったため、 倒産後のセーフティネットが極めて弱いという深刻な問題があります。

通所していた利用者は「他の福祉事業所へ移らざるを得ない」

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絆HDの事業所に通っていた利用者は、 強制的に他の事業所へ移行する必要が出ています。

■ 利用者が直面する課題

  • 新しい事業所探しの負担
  • 空き枠が少なく、すぐに受け入れられない
  • 支援内容が変わり、生活リズムが崩れる
  • 職員との信頼関係がゼロからスタート

■ 家族の負担も増大

  • 手続きの多さ
  • 移行先の見学・調整
  • 通所時間や送迎の変更

特にA型事業所は「雇用契約」が前提のため、 A型 → B型への移行を余儀なくされるケースも多く、 工賃が大幅に下がる可能性があります。

今後の焦点:利用者の受け皿と制度の見直し

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■ 利用者の行き場確保

大阪市や民間事業者が連携し、A型事業所閉鎖で行き場を失った利用者の受け入れを進めています。

■ 制度の脆弱性

今回の事件は、 「同一利用者で加算を繰り返し請求できてしまう」 という制度上の欠陥を突いたもの。

厚労省は2024年から以下のルールを導入しています。

  • 同一利用者の加算は3年間算定不可
  • 1事業所あたりの算定人数に上限
  • 監査の強化

しかし、今回の事件を受け、さらなる制度改正が求められています。

利用者・家族が今すぐできる対策

① 事業所の「運営実態」を確認する

  • 職員配置
  • 工賃の支払い状況
  • 就労実績
  • 利用者の声

② 第三者機関の情報をチェック

  • 行政処分履歴
  • 監査結果
  • 評価シート

③ 代替事業所の早期検討

A型・B型・就労移行など、選択肢は複数あります。

FAQ

{ “@context”: “https://schema.org”, “@type”: “FAQPage”, “mainEntity”: [ { “@type”: “Question”, “name”: “絆ホールディングスはなぜ倒産したのですか?”, “acceptedAnswer”: { “@type”: “Answer”, “text”: “就労移行支援体制加算の不正受給により約110億円の返還請求が発生し、事業停止や信用失墜で経営が継続できなくなったためです。” } }, { “@type”: “Question”, “name”: “A型事業所の利用者はどうなりますか?”, “acceptedAnswer”: { “@type”: “Answer”, “text”: “大阪市や民間事業者が受け皿を確保していますが、事業所によっては利用者の移行が遅れているケースもあります。” } }, { “@type”: “Question”, “name”: “今後の制度改正はありますか?”, “acceptedAnswer”: { “@type”: “Answer”, “text”: “厚労省は加算の算定制限や監査強化を進めていますが、今回の事件を受けてさらなる制度見直しが検討されています。” } } ] }

まとめ:福祉の信頼を揺るがす事件は倒産という結末に

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絆ホールディングス問題は、

  • 障害者を“加算の駒”として扱った倫理問題
  • 制度の穴を突いた組織的不正
  • 1000人以上の利用者が居場所を失う深刻な影響
  • ローテーション雇用者の大量失業リスク
  • 通所利用者の強制的な移行という生活破壊

という複合的な問題を引き起こしています。

findgoodでは今後も、 利用者・家族・支援者が安心して選べる福祉情報 を発信していきます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77