障害福祉・介護業界で深刻化する後継者不足と施設閉鎖の課題。従来型M&Aの高額な手数料負担を解消し、当事者完全無料で事業承継を支援する特化型プラットフォーム「ON M&A」が登場しました。


この記事で分かること

  • 障害福祉・介護業界における後継者不在の現状と地域社会への影響
  • 従来型M&Aで課題となっていた手数料構造と事業承継の壁
  • 当事者基本利用料が完全無料のプラットフォーム「ON M&A」の仕組み
  • AIによる案件整理・匿名化サポートと検討支援機能の利点
  • 障害福祉の事業承継に関するよくある質問(Q&A)

障害福祉分野が直面する「後継者不足」と事業承継の課題

近年、障害福祉や介護の現場では、事業者や経営者の高齢化と人材不足が大きな社会課題となっています。地域の福祉を支えてきた施設が存続の危機に直面するケースも少なくありません。

なぜ障害福祉や介護施設で後継者不在が深刻化しているのか?

経営者の高齢化が進む一方で、親族や内部の職員へ事業を引き継ぐ「後継者」が見つからない事例が増加しています。障害福祉事業(就労継続支援、グループホーム、放課後等デイサービスなど)や介護事業は、専門的な知見や行政手続き、労務管理、厳しい人員基準の遵守が求められるため、担い手の確保が容易ではない背景があります。

施設閉鎖が地域社会や利用者に与える大きな影響

福祉事業所の閉鎖は、単に一つの法人が消滅することにとどまりません。 利用者が日常的に通う生活の場やケアの受け皿が失われると同時に、現場を支えてきた職員の雇用環境も脅かされます。地域の福祉インフラを維持するためには、第三者への引き継ぎを可能にする「事業承継(M&A)」が有効な選択肢の一つとされています。

従来型M&Aの課題|高額な仲介手数料が事業承継の壁に

第三者承継(M&A)を進めるうえで、従来の仕組みでは仲介手数料やプラットフォーム利用料といった費用が重なる構造がありました。資金力に限界がある中小規模の福祉事業者にとって、こうした高い費用負担がM&A検討のハードルとなり、引き継ぎを断念せざるを得ない要因となっていました。

💡 専門用語の解説

  • M&A(エムアンドエー): 企業の合併や買収(Mergers and Acquisitions)のこと。福祉分野では、事業や施設を他の法人に引き継ぐ手段として活用されます。
  • 事業承継(じぎょうしょうけい): 会社の事業や経営権、理念、雇用などを次の経営者へと引き継ぐことです。
  • 後継者不在(こうけいしゃふざい): 次の経営者となる適任者が決まっていない状態を指します。

介護・福祉特化型M&Aプラットフォーム「ON M&A」とは?注目の理由を解説

こうした費用面の課題を解決し、福祉の事業承継インフラとして提供が開始されたのが、株式会社ONGROUPが展開する「ON M&A」(ベータ版、2026年9月24日提供開始)です。

当事者は手数料完全無料|費用負担なしで試せる画期的な仕組み

「ON M&A」の最大の特長は、事業の譲渡(売り手)および譲受(買い手)を検討する当事者であれば、すべての基本機能を無料で利用できる点です。 具体的な無料対象機能には以下が含まれます。

  • 案件の掲載および閲覧
  • オンラインでの秘密保持契約(NDA)の締結
  • AIによる検討支援機能の利用
  • 当事者同士の直接チャット交流

隠れた費用が発生しない明確な料金体系となっており、資金面に不安を抱える中小事業者でも検討を進めやすい設計がなされています。なお、仲介会社・FA(ファイナンシャル・アドバイザー)による代理掲載や、個別の伴走支援サービス(ON M&A ADVISORY)を利用する場合には別途手数料が発生します。

AIを活用した案件整理と匿名化で安心の交渉プロセス

M&Aの検討において、自社の情報が意図せず流出することは避ける必要があります。「ON M&A」では、話し言葉で入力された情報をもとに、AIが案件情報を整理し、実名や特定につながる情報の匿名化を支援します。事業種別やエリア、スキームなどの条件で絞り込みを行いながら、匿名情報のまま安全に検討を進めることが可能です。

オンラインで完結するNDA締結と検討支援AIのサポート機能

プラットフォーム上では、秘密保持契約(NDA)をオンラインで完結できる仕組みが整えられています。実名情報は、NDAを締結した後に初めて開示されるため、プライバシー管理が徹底されています。

また、買い手側(譲受検討者)に対しては、確認すべき観点や売り手への質問案をAIが提示する機能が備わっています。AIは案件の良し悪しを断定・判定するのではなく、あくまで検討の参考となる観点を提供する役割を担っており、最終的な意思決定は利用者が行えるよう配慮されています。

中小M&Aガイドライン遵守と料金体系の完全開示で高い透明性

「ON M&A」は、国の定める「中小M&Aガイドライン(第3版)」の遵守を宣言しており、コンプライアンス面でも配慮された運用が行われています。命やケアを預かる福祉業界のプラットフォームとして、料金構造をすべて開示する高い透明性が特徴です。

💡 専門用語の解説

  • NDA(秘密保持契約): 業務上知 did 得た秘密情報を第三者に漏洩しないことを約束する契約。M&Aの初期段階で必ず締結されます。
  • FA(ファイナンシャル・アドバイザー): M&Aにおいて、依頼主(買い手または売り手)の立場に立って交渉や手続きの助言を行う専門家。
  • スキーム: M&Aを実行する際の具体的な手法や枠組み(株式譲渡、事業譲渡など)のこと。

株式会社ONGROUPの理念と「経営者の人生を守る」伴走支援

「ON M&A」を運営する株式会社ONGROUPは、単なるWeb上のマッチングにとどまらない経営支援の考え方を重視しています。

創業者の想い「譲渡を決断する経営者の重みに寄り添う」

ONGROUPのグループ会長である岩尾憲一郎氏は、福祉現場と経営の両側に長年携わってきた経験を持ちます。事業を手放す決断の裏には、数値データだけでなく、利用者の暮らしや職員の生活、経営者の歩んできた歴史が存在していると述べています。手数料負担によって承継が阻害される現状を変えたいという想いが、プラットフォーム開発の背景にあります。

単なる売買に終わらない!理念や現場の文化を継承する実践型支援

同社では、帳簿上の取引のみで完結させるのではなく、現場で培われてきた理念や従業員の想いを受け継ぎ、再構築していくアプローチを掲げています。後継者不在の事業所に対して、財務・法務・労務の精査を行いリスクを見極めるとともに、承継後の統合プロセス(PMI)においてもサポートを提供する体制が考慮されています。

「ON M&A ADVISORY」による総合的な経営サポート

プラットフォームによるセルフマッチングに加え、専門チームによる伴走支援を希望する場合は「ON M&A ADVISORY」(有料サービス)を利用することも可能です。必要に応じて専門的な助言を受けることで、円滑な承継を目指すことができます。


障害福祉・介護の事業承継に関するよくある質問(Q&A)

読者や福祉事業関係者から寄せられる代表的な疑問についてまとめました。

Q1:障害福祉事業のM&Aは、中小事業者や個人でも利用できますか?

A:はい、利用対象となっています。 「ON M&A」は、介護・福祉事業の譲渡を検討する経営者だけでなく、譲受を検討する法人・個人、支援機関まで幅広く対象としています。大規模な法人だけでなく、地域に根差した中小事業所の事業承継にも活用が期待されます。

Q2:当事者は無料とのことですが、後から追加費用を請求されることはありませんか?

A:当事者(譲渡側・譲受側)としての基本利用であれば、隠れた課金はありません。 案件の掲載、閲覧、NDA締結、AI検討支援、チャット機能などは完全無料で提供されています。ただし、仲介会社やFAを通した代理掲載や、専門チームによる個別アドバイザリーサービス(ON M&A ADVISORY)を依頼する場合は、別途手数料が必要となります。

Q3:AIが案件の良し悪しを自動で判断してくれるのでしょうか?

A:いいえ、AIは良否の判定を行いません。 AIは確認すべき観点や質問案の提示、案件情報の整理・匿名化をサポートする位置づけです。判断を自動化・断定するものではなく、最終的な検討や決断は利用者自身が行う仕組みとなっています。

Q4:秘密保持や情報管理の安全面はどうなっていますか?

A:匿名化機能とオンラインNDA締結により配慮されています。 案件掲載時はAIの支援により実名や特定のつながる情報が匿名化されます。また、相手方に実名情報が開示されるのは、オンラインでNDA(秘密保持契約)を締結した後に限定されているため、情報管理への対策が講じられています。


まとめ|障害福祉の未来を守る新たな選択肢「ON M&A」

本記事では、障害福祉・介護分野における後継者不足の現状と、事業承継を支援する新プラットフォーム「ON M&A」の特長について解説しました。

  • 課題: 経営者の高齢化と後継者不足により、地域の福祉サービスや雇用が失われるリスクが高まっている。
  • 従来の問題: 高額なM&A手数料が、中小福祉事業者にとって承継検討のハードルとなっていた。
  • 解決策: 当事者無料で利用できる「ON M&A」が登場し、費用負担を抑えた事業承継の検討が可能となった。
  • 注目点: AIによる情報整理・検討サポート、厳格な情報管理、理念の継承を重視した支援姿勢が整えられている。

障害福祉の現場を守り、次の世代へサービスを安心・確実にバトンタッチするための選択肢として、こうしたデジタルプラットフォームや専門支援の活用を検討してみてはいかがでしょうか。


  • ※本記事は、株式会社ONGROUPが公開したプレスリリースhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000188215.html(2026年9月24日配信)の情報に基づいて作成されています。サービスの最新仕様や詳細については、公式サイト( https://ma.ongroup.co.jp/ )をご確認ください。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77